スキップしてメイン コンテンツに移動

★こうすれば日本帝国は戦勝国になれた(かもしれない)



日本人は戦争を天災と同様に理解する傾向があるので、一体あの戦争で何が間違っていたのかを真剣に考えるのは苦手です。責任を追求する相手を絞り込むより一億総懺悔で逃げてしまいました。また先達の非を追求するのは美しくないと考える傾向があるようです。一方で直ぐ付近にかつての日本帝国の如き体制を護持しようと無駄な努力をしている国があるわけで日本帝国が勝利を収める条件(わずかですが)を考えることは北朝鮮をどう崩壊させるかにもつながりそうですね。その意味で米海軍大ホームズ教授の見解を眺めてください。


The National Interest

The Crazy Way Japan's Military Could Have Beat America During World War II 第2次大戦で日本が米国に勝利するためにはここまでやっていなければ無理だった


February 15, 2017

  1. 日本帝国が対米戦で勝利を収める可能性はなかった。その理由が国家の決意と資源だ。怒りに動かされた米国人は完全勝利を指導部に迫り、ワシントンは国内産業を止めどもない軍需生産に振り向けた。ここまで物量で差がつくと日本は米国の経済規模の十分の一しかなく打つ手がなかったといえる。
  2. 質より量が物を言う。いかに精神力や武道をきわめても数の劣勢は覆せない。日本は真珠湾攻撃以降この苦悩を味合わされた。
  3. 結局日本は米海軍を太平洋戦域で撃滅できず、有利な条件をワシントンにぶつけることもできなかった。とはいえ第二次大戦で日本が勝利する可能性が皆無だったのではない。というと非常識に聞こえるだろうか。だが弱者が勝利をおさめることもある。カール・フォン・クラウゼウィッツが解説しているように歴史上は弱い立場の国が戦火を開くことはよくある。指導部が武力に訴える以外に手段がないと見れば、また状況が不利と理解すれば、いいかえれば今しか機会がないと見れば、行動に移るのだ。
  4. 偉大なるカールによれば戦勝を収めるには3つの方法がある。まず、敵軍を粉砕し、好きなように条件を申し渡すことがある。次に、敵が支払う代償を大きくすることがある。交戦国がどんな政治目的を掲げるかによりどれだけの資源をいつまで投入するかが決まってくる。敵に戦死者、装備損傷、国富支出をもっと増やさせれば代償を高くできる。戦闘を長引かせれば犠牲もそれだけ増えることになる。そして三番目が戦意をくじき、戦争に訴えても目的達成は無理と説得することだ。
  5. 絶望を感じている敵あるいは戦争の負担に尻込みする敵は与し易い敵で難局から脱するためならなんでもするはずだ。
  6. 軍事的に日本に勝利の可能性がないのなら、残る2つの方法があったはずだ。日本の指導部は資源を節約し、兵力の差をひろげないようにしていた。戦闘の犠牲をもっと引き上げられたはずで、米国の戦意をくじくため戦闘を長引かせられたはずだ。あるいは別に初期段階で米国の怒りが最高潮に達するのを回避できたはずだ。ハワイ攻撃に踏み切らなかったら日本は米国の戦意を高めず、敵に回すこともなかったのではないか。
  7. 結論を言えば、単一の戦略や一回の攻撃で米国を打倒するのは不可能だった。むしろ日本軍指導部は熟考し戦術で負けても戦略で勝てたはずだ。これが日本勝利の可能性をひきあげていたはずだ。
  8. そこで日本勝利の5つの方法をまとめてみた。以下は互いに排反する内容である。日本指導部が以下を守っていれば勝利は近づいていただろう。その場合、将来を見据えた指導力が必要だったはずだ。先見の明は天皇および軍指導部にひどく不足していた。日本の指導部が賢く行動できたのかは議論がわかれるところである。以上の注意点をもとに見ていこう。
戦局は1つずつ解決する
  1. 敵をむやみに増やさないことは最強の戦闘部隊でも必須だ。小国ながら大きな野心を持つ国が無分別に戦火を開くことは避けるべきだ。規律ある戦い方は日本には無縁だった。帝政ドイツを真似た統治形態で帝国陸軍と帝国海軍を最優先し、文民による監督はなかった。帝国陸軍はアジア大陸部に熱い視線を送り、満州から中国内陸部に変えて戦線を拡大してしまった。帝国海軍は海洋進出で資源を東南アジアに求めた。2つの動きがまったく同期しないまま1931年から1941年展開して日本は敵対勢力に包囲されてしまった。この流れが真珠湾につながった。360度脅威になれば事態は絶望的になる。日本は優先順位を定めるべきであった。その場合、1つずつ順番正しく行動すれば一部の目標を達成することが出来たかもしれない。
山本長官に耳を傾ける
  1. 山本五十六提督は日本が勝てるのは短期で決定的勝利を収めた場合のみで「眠れる巨人」米国を起こしてはいけない、日本の存亡が危うくなると繰り返し警告していた。また帝国海軍は半年なら暴れてみせると山本は請け負い、その間に米社会に講和の気分が生まれ、日本は太平洋で守備を固める構想だった。うまく行かなければどうなるか。米産業力は大量の兵器を製造し、1940年には両洋海軍力整備法が成立しており、続々と新しい装備が戦線に投入されるであろう。そうなれば戦局は日本に不利となる。要するに山本は軍幹部が敵を想定通りに動く筋書きづくりを戒めたのだ。山本は米国事情を少なからず知っており、米国が予想を簡単に裏切るはずと分かっていたのだ。
山本長官を無視する
  1. 山本提督が賢明な助言を戦略レベルで行っていれば、作戦実行レベルが怪しくなっていたはずだ。山本が考えた米軍の物量優位性への対抗策は敵軍の中心たる戦艦群を叩くことだった。それまで帝国海軍はずっと「迎撃殲滅作戦」で米太平洋艦隊が西方移動するにつれて威力を減じる作戦の想定だった。フィリピン救援に駆けつける米艦隊に、航空機、潜水艦で太平洋艦隊を弱体化しつつ、帝国海軍主力戦艦部隊が決戦を挑む構想だった。山本は真珠湾奇襲攻撃を海軍指導部に同意させた。だが真珠湾の戦艦群は米海軍の中心ではなかった。両洋艦隊の出現こそ中心であった。山本の作戦がうまくいけば米反抗作戦を1943年まで遅らせている間に日本はそれまでの狙い通り米側に負担増と作戦の先送りさらに忍耐力を奪っていたかもしれない。
資源を分散させず集中する
  1. 日本側には戦局拡大を防ぐ能力がなかったようだが、同様に作戦実施の範囲や戦闘地域も制御できなかった。1942年には帝国海軍機動部隊はインド洋まで進出して真珠湾同様に英東アジア艦隊をセイロン沖で撃破している。ミッドウェイ海戦では北方を牽制攻撃する必要があるとしアリューシャン諸島に上陸作戦を敢行した。こうして帝国防衛線が拡大する中、さらにソロモン諸島で第二戦線を形成し北米とオーストラリア間の輸送路を遮断しようと虚しい努力をしている。弱い立場の交戦国が二次的な戦線で一定の戦果を目指せば最重要戦線でリスクを抱えるのは当然だ。とくにただでさえ軍需物資が乏しい日本が自らリスクを高めてしまったのは戦略思考の規律が足りない事が原因だ。
無制限潜水艦戦を展開する:
  1. 不可解なことは米国海軍が戦艦群が火につつまれた中で採択を迫られた無制限潜水艦攻撃戦法を帝国海軍が採用しなかったことだ。1945年までに米潜水艦は日本本土を分断し、通商航路を遮断していた。日本の潜水艦は米海軍と同等の性能があったが、帝国海軍指導部は米潜水艦が西太平洋まで進出しているのを横目に自軍の潜水艦にも米輸送路を攻撃する命令を出してしかるべきだった。これ以上に意味があり費用対効果が高い選択はなかった。水中戦の軽視は第一級の作戦上の過ちといってよい。■
James Holmes is Professor of Strategy at the Naval War College and coauthor of Red Star over the Pacific, just out through the China Academy of Social Sciences. The views voiced here are his alone.
This appeared several years ago and is being reposted due to reader interest.


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。
This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…