100年前といえば、第一次大戦がおわろうかというときですが、その当時の機体が今も飛んでいるというのと同じ話ですね。航空機の発展があきらかに停滞してきたのか、50年代の設計がよほど頑丈になっているのでしょうか。10年前の乗用車をそのまま乗ることも無理ではないですが、少ないですよね。しかしKC-135のブーマー操作員は腹ばいの無理な姿勢をまだ続けることになりそうですね。
Short On Cash For KC-46, U.S. Air Force Eyes Souped-Up KC-135
ボーイングKC-46新型給油機を十分調達する予算が足りないため、米空軍は代替策として機齢60年のKC-135ストラトタンカーに最新装備を搭載しあと40年の供用ができないか検討している。
- 空軍は次世代給油機KC-46を179機導入を第一歩とし給油機部隊を更新したいとする。だがボーイングのペガサスが完全に供用できるのは2028年度になる。残るKC-135の300機は将来のKC-YまたはKC-Zが実用化になる2030年から2040年まで主力のままと残る。
- 統合軍体制のストラトタンカー頼みは今後も続き結局100年間飛行することになると航空機動軍団(AMC)のカールトン・エヴァーハート大将は述べている。
- しかし1950年代のウェポンシステムを改修する代わりに新型KC-46をなぜもっと導入しないのか。全ては予算が原因だとエヴァーハート大将は説明。大将は空軍協会主催の航空戦会議で報道陣に語った。
- 「全てはお金であり、資源であり、継続決議(CR)です」とし、議会が政府支出の4月までのつなぎをしていることを言及した。財政年度の最後の数ヶ月をCRで運用するのが今や通常になっているが、CRでは現時点の支出規模しか認めず、新規事業でも予算が自由に使えず、長期的には混乱が生まれているのだ。
- KC-135を退役させてもKC-46資金が生まれるわけではない。国防総省では運用維持(O&M)予算を調達勘定に流用できない仕組みがあるためだとリチャード・アブラフィア(Tealグループアナリスト)は指摘する。
- アブラフィアは「国防総省の難問は調達勘定とO&M勘定が別になっていることですね」としつつエヴァーハート大将は「現実的になっている」と付け加えている。
- KC-46の追加導入の代わりにKC-135を近代化すれば空軍に給油能力が追加されると指摘するのはトッド・ハリソン(戦略国際研究センター)だ。空軍が今の段階でもっと給油機が必要なら、KC-46追加導入では間に合わない。なぜなら現在の生産予定では機材が利用可能になるのは2020年代以降とハリソンは指摘する。
米空軍はボーイングの新型KC-46ペガサス運用を2017年から開始する。Credit: Boeing
- 一方で空軍としてはKC-135が将来の戦場でも生き残れるようにしておきたいところだ。操縦席に液晶ディスプレイを導入し、レーダー高度計、オートパイロット、デジタル飛行指示他コンピュータ換装で総額910百万ドルのブロック45改修を進めている。だがAMCは次のブロック改修の方向を検討中とエヴァーハート大将は述べている。
- エヴァーハート大将はリンク16や見通し線外通信装置を導入したいと考えており、KC-135にも画像他のデータをリアルタイムに近い形で他機種と共用させたいとする。機体防御も段階的に導入し、電子対抗措置でジャミングへの有効策を、機体防御装備や音紋制御まで考えているかもしれない。
- 「KC-135は相当期間飛び続けることになるが、ネットワーク化した多面的な指揮統制環境に入り、敵は当然こちらの給油機を狙ってくるはずだ」とジョン・トーマス准将(戦略立案担当)は述べる。
- さらにKC-135にはFAA認定の自動従属監視送信装置(ADS-B)が搭載されつつある。これはGPS技術で機体の位置、対空速度他データを得るものだ。
- 「KC-135は傑作機ですが近代化が必要なのは否めません」とエヴァーハートは述べている。「この機体を使い、将来のKC-Zにつなぎます。またKC-46の新型電子装備をKC-135にも導入したい」
- それでもハリソンは空軍は自らを追い詰めないよう配慮が必要と指摘する。KC-135改修の代償は長期にわたる機能の発揮になるからだ。
- ハリソンも「空軍もあと何年707を本当に飛ばすつもりなんでしょうね」という。■
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