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★中国が台湾侵攻に動く日、侵攻を食い止める方法はあるのか

朝鮮半島やシナ海、台湾と本当にこの地区は面倒な事態が多いですね。と言って目をつぶれば解決するわけではないので、現実に直面して物事を考えていく必要があります。台湾の場合は有効な防衛体制、国民の総意による中国拒否がカギですね。日本としてもゆくゆくは支援を提供する日が来るのでは。

The National Interest

How China Would Invade Taiwan (And How to Stop It)


March 25, 2017

  1. 中華人民共和国の各種筋を総合すると台湾の民主制度に残された時間がなくなってきたようだ。習近平の言葉を借りれば「忍耐の限界」となっており台湾侵攻が2020年代早々になる可能性が出てきた。圧倒的な量の揚陸作戦を電撃戦で実施するだろう。実施は中国共産党(CCP)創立100周年の2021年7月以前の可能性が高い。
  2. と言うのは簡単だが、実際に中国が台湾を乱暴に侵攻して自らリスクを引き上げることないはずだ。習近平はじめ中国最高指導部が台湾海峡をはさみ神経戦を強化する可能性のほうが高い。その際、虚偽情報他で台湾防衛に対する米国の信認を貶めながら台湾の自信と意思力を低下させ、破壊活動を展開するだろう。
  3. 習近平は時間をかけ台湾政府が圧力に耐えきれず崩壊するのを待ち、高い代償なしで台湾を手に入れようとするだろう。同時に中国軍は「神聖な」任務の遂行にむけ作戦立案と準備を進める。中国に今より優勢な状況が生まれた時が侵攻作戦実施が有望な選択肢になる時だ。
脅威の評価
  1. 台湾海峡をはさみ政治安全保障環境が厳しさを増す中、人民解放軍(PLA)の能力、長所・短所を正確に評価することがますます必要だ。
  2. PLAの強さのほうが耳目に入りやすい。中国軍事力は報道で取り上げられることが多い。疑う余地なく中国の弾道ミサイル、サイバー戦能力や宇宙対抗兵器で中国軍事力を評価せざるを得ない。だがもっと危険なのは諜報活動であり外交政策に影響を与えている。  
  3. それだけではない。海軍大学校の著名な教官アンドリュー・エリクソンは近著で中国艦隊が驚くべきペースで拡大しているものの、台湾侵攻支援はできないと指摘している。海軍に輸送能力が不足しており、防空能力も同様だ。にもかかわらず今の状況のままが続くはずはなく将来は変化しているはずだ。
  4. デニス・ブラスコはCCPの地上軍は海軍同様に侵攻作戦の準備体制は出来ていないと指摘。ヘリコプター、落下傘部隊、特殊作戦部隊、揚陸用機械化師団、海兵隊の拡充が必要という。さらにPLAは下士官階層でも拡充が必要で訓練も改善して現場指揮官とし、権限移譲もすべきだという。すでにこの方向で作業は始まっており、今後10年程度で成果が現れるだろう。
台湾は侵攻作戦にどう対抗するか:
  1. では台湾軍の防衛策はどうなっているのか。また米国はどう支援するのか。
  2. 台湾は全志願制の軍構成への転換の最終段階にある。プロ兵士で構成したエリート部隊の整備は台湾にとってよいことで利点となる。中国の兵員は短期徴兵で構成されているのが普通だ。
  3. 最新のRANDコーポレーション報告書によれば台湾は全志願制部隊をエリート予備役部隊で補強し、中国の侵攻作戦を電子、空、海の各分野で食い止める能力を強化できると指摘。台湾国防軍は新たな訓練機会の恩恵も期待できる。米軍との共同訓練や人道救援訓練は台湾に良い刺激となる。
  4. 近代戦は頭脳戦の様相を強めており、その実施には訓練の進化が必要だ。台湾の目指す防衛目標にPLAによる電撃戦のショックに備えることがある。このため高い意識を持った人員で組織を構成し、訓練し必要な装備を与え敵侵攻に対応し強い抵抗を示すことが必要となる。     
  5. 中国と規模ではかなわないので、防衛側は潜在力をすべて活用して効果を生むべく各方面で強化が必要だ。台湾が想定する全方位防衛策では全国規模の動員、体力面で対応可能な男女全員の動員で対侵攻作戦を支援するとしている。
  6. ロンドン・キングス・カレッジのローレン・ディッキーは台湾国防省(MND)は一貫して中国侵攻を撃退する能力を引き上げようと努力中と指摘する。MNDは毎年恒例の軍事演習を全国・地方両レベルで展開し、防衛作戦内容を点検して敵侵攻に備えている。
  7. 中国侵攻に先立ち台湾には四週間の余裕があるとみられる。中国が戦略的な欺瞞作戦に長じているため、これで安閑とできない。ただしPLAが想定する大規模揚陸作戦では攻撃の意図がまず表に出てくるはずだ。
  8. 兆候には部隊移動、予備役呼集、物資集積、軍事演習、報道内容があり、さらに外交上の発言や台湾を対象にした国内妨害工作があろう。中でも要注意なのが海軍および民間船舶の大量徴用が中国南東部で広く行われることだ。   
  9. こうした動きが出た場合、台湾総統は内閣顧問や準軍組織トップと対応策を協議し、レーダー、衛星、データ収集施設からの情報を重視し中国国内の諜報員からの情報も使うはずだ。まず出てくる選択肢は即応体制引き上げと敵攻撃撃退の体制づくりだろう。
  10. 台湾海峡での機雷敷設は短時間で完了するが、沿岸部の防御強化はすぐには出来ないし、港湾や空港も同様だ。橋梁や発電所など国内重要拠点への人員配置も時間がかかるし、戦闘地区になりそうな場所からの人員疎開も同様だ。ここまで完了するには莫大な人員が必要で予備役を再呼集し契約企業も動員するだろう。このため台湾は軍に2百50万人を動員し、民間防衛従事者百万人を数日以内に集める体制を維持している。
  11. 緊急時動員の実証は毎年恒例で台湾本島以外に澎湖や金門、馬祖の島しょ部でも実施している。これにより一般市民も迅速に部隊要員として緊急配備できる。
  12. 台湾の全面的国防動員案では軍事力の動員だけではない。総統府と配下の各省、内務省、経済省他も民間防衛による本土防衛で重要な役割を果たす想定だ。
今後の展望  
  1. 台湾政府、軍部は一般に知られる以上にたくましい。だが自国だけで実施可能な範囲にも限界がある。ペンタゴンが台湾救援で重要で台湾の継戦能力維持に不可欠だ。米支援がある前提で台湾は防衛支出を展開し、中国の侵攻を食い止める期待が生まれる。
  2. 上記RAND報告書では共同作業部会の発足を提言し、米側は国防次官補クラスをトップにすべきという。台湾軍も米国流の新しい軍事教育や技術訓練の恩恵を期待できる。米教官により台湾の全志願制への移行が円滑に進み、予備役部隊の戦略的な活用にも道が開くだろう。     
  3. 台湾軍へ武器売却を通常の形で確実に提供する必要があるが、不幸にもブッシュ、オバマ両政権はこれを拒否してきた。台湾の視点では米製兵装の作戦能力や戦術効果は疑う余地がない。トランプ政権は日本や韓国に提供するのと同様の実戦能力を台湾に与えるべきで、ステルス戦闘機、ミサイル防衛部隊や駆逐艦が想定される。
  4. さらに米企業も米政府から制約されず自由に動くべきで、台湾の進める国産潜水艦建造へのアクセスを模索すべきだ。ただ火力より重要なのが戦意の維持や向上で人員募集や定着率が高ければ台湾の決意と目的意識を中国に強く示せる。          
  5. 台湾軍は強固な防衛作戦を構想し、プロ意識の高い部隊を育成してきた。だが台湾が侵攻を受ける可能性は増えている。中国の攻撃能力に呼応できる体制の維持は米国が対アジア政策を大幅に変更しない限りきわめて難しいだろう。
  6. 今後を展望すればトランプ政権は米台関係をさらに前進させる新戦略案を求めるべきだ。台湾に十分な自国防衛能力があれば世界最大の火薬庫は点火を免れる。中国を無視するだけでは問題は悪化するだけだ。■  
Ian Easton is a research fellow at the Project 2049 (where this first appeared) Institute and author of the forthcoming book, The Chinese Invasion Threat: Taiwan's Defense and American Strategy in Asia.


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