スキップしてメイン コンテンツに移動

★★★中国は宇宙配備レーザーで衛星攻撃を狙っている



北朝鮮と比べると中国の科学技術水準は遥かに先を行っていますので対応も全く違ってくるわけですが、本来宇宙空間に武器は持ち込まないとの多国間約束事など関係なく、自分のやりたいことを進めるゴリ押し、無神経さ、世界の秩序の維持には全く責任を感じないところは北朝鮮並みですな。北朝鮮問題が解決したら次は中国が標的でしょうね。


The National InterestHow China's Mad Scientists Plan to Shock America's Military: Super Lasers, Railguns and Microwave Weapons



March 10, 2017


中国軍が強力なレーザー、電磁レイルガン、高出力マイクロウェーブ兵器を将来の「軽度戦」に備え開発中で宇宙空間に配備する。
  1. 中国が指向性エネルギー兵器開発に注力するのは米国の戦略優位性をなくし、精密攻撃を可能にしている米軍の情報通信航法衛星群を使用不能にするためだ。
  2. まず宇宙配備レーザー砲構想は2013年12月の中国学会誌にレーザー兵器技術研究の中心長春光学精密机械与物理研究所の研究者3名の連名論文で明らかになった。
  3. 「将来戦ではASAT(対衛星)兵器の開発が重要となる」とあり、「その他レーザー攻撃装備が生まれれば高速速射、非干渉性能、高度破壊効果があり特に宇宙配備ASATとして期待できる。宇宙配備レーザーこそASATの開発の中心的存在だ」
  4. 筆者3名の提言は重量5トンの化学レーザーを低地球周回軌道に乗せ、戦闘装備とするもの。宇宙開発を担当する軍の予算が付けば、対衛星レーザーは2023年までに稼働できる。
  5. 同論文によれば宇宙空間の対衛星攻撃には地上レーダーで目標衛星を捕捉し特殊カメラで照準を合わせ進展可能な膜望遠鏡で目標衛星にレーザービームの焦点を合わせる。
  6. 同論文では2005年に中国が地上からレーザーで軌道上の衛星を「目潰し」したとも紹介している。
  7. 「2005年に50-100キロワット級のレーザー砲を新疆地方から発射し衛星機能停止に成功した。「標的は低軌道上中の衛星で傾斜距離600キロだった。レーザービームの直径は0.6メートルで捕捉、追尾、照準の誤差は5(マイクロラディアン)以下だった」
  8. リチャード・フィッシャーは国際評価戦略センターの中国専門家で先月米議会で中国のレーザー兵器開発状況を証言した。上記論文の公表は中国に宇宙の軍事化を急いでいる様子を意図的に世界に知らせようとするものと注意喚起している。
  9. 中国の宇宙開発は軍民同時並行で、神舟Shenzhou 天宮Tiangongの各有人宇宙機は軍事用途にも使われる。宇宙ステーション、さらに月面基地の計画は軍用用途も想定している。中国が軌道上にレーザー兵器を科学モジュールと称し打ち上げるのは十分可能性がある。
  10. 「宇宙ステーションの真の目的を世界から隠すため宇宙飛行士の生命など犠牲にしても中国政府はなんとも思わないでしょう」(フィッシャー)「奇襲効果もあり、戦闘宇宙ステーションが米衛星の中核部分を攻撃しはじめます。これで米側は目を潰され、さらに多くの衛星を攻撃する中国衛星の打ち上げがわからなくなります」
  11. 戦闘用宇宙装備の開発は中国が目指す天空戦略の世界規模確立の一環でもある。フィッシャーは中国宇宙兵器の脅威は現実のものであり、米側も宇宙空間での戦闘能力整備で対抗すべきだと信じる。
  12. 中国は1960年代からレーザー兵器を開発し、2015年に人民解放軍が「軽度戦争」の表題の本を出版し、レーザーで将来の戦争を勝ち取ると述べていた。
  13. 同書では将来、勝敗を決するのはビッグデータ解析(中国軍サイバー部隊と人工知能)と指向性エネルギー兵器の組み合わせとある。同書はロボットレーザー兵器を宇宙空間に配備すべきとし、指向性エネルギー兵器は今後30年間で中心となるとある。
  14. 「おそらくPLAはすでにそのような新しい時代に適合すべく、新設の戦略支援軍の中核任務とし情報空間や外宇宙の軍事化を進めさせようというのだろう」(フィッシャー)
  15. この中国の動きでこれまでの米国の指向性エネルギー兵器開発が無駄になるかもしれない。レーザー、電磁レイルガン、高出力マイクロウェーブ兵器だ。ペンタゴンはこれまでも航空機搭載レーザーでミサイル防衛を狙い、レイルガンが2020年代初頭に実用化になる見込みだ。高出力小型レーザー砲の実用化は2030年代になる見込みだ。
  16. 軍の情報統制に阻まれ中国のハイテクエネルギー兵器開発の全貌は不明のままだが、上記証言や刊行物から中国が相当の支出をしていることは明らかだ。
  17. Space Law & Policy Solutionsのマイケル・J・リスナーは中国が指向性エネルギー装備で着実に進展中と見ており、「一部に諜報活動で集めた海外情報を活用しているのはまちがいない」という。
  18. 「完成すればASAT以外に弾道ミサイル防衛、艦艇局地防衛や戦場と、軍事応用は限りなく広がる」
  19. 中国が宇宙軍事化を公開すると米軍や同盟軍の作戦立案で大きな懸念材料となる。中国が新技術で世界の安定平和を捻じ曲げる可能性が生まれるからだ。
  20. 対抗策として米国も長年保持してきた宇宙空間に軍備を持ち込まない政策を変更せざるを得なくなる。
  21. 「中国が宇宙計画を軍用に使う意図をおおっぴらに示す以上、米国も潜在脅威を排除する、少なくとも脅威度を下げる選択肢は最低限もっていかねばなりません」(フィッシャー)■


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...