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A-10をステルス機にするよりも、スタンドオフ攻撃機にするほうが実現可能性がある...というお話。

 


説の近接航空支援機材「A-10ウォートホグ」の未来が不確かな中、米国は同機をステルス化し、21世紀の紛争空域で使用できないだろうか?


との質問を、ここ数カ月、何度も受けているが、実際、みんな大好きコンセプチュアル航空アーティストのロドリゴ・アベラが、A-14ワイルドウルフと名付けた次世代A-10のグラフィックシリーズを制作し、このコンセプトに生命を吹き込んでいる


a-10 stealth lone wolf Rodrigo AvellaOriginal artwork by Rodrigo Avella — Make sure to follow him on Instagram!


 ただ誤解しないでほしい。ウォートホグは、過去20年間の戦闘を通じ崇拝されてきた。しかし「ステルス・ウォートホグ」というフレーズが新規の開発プログラムに刻まれれば素晴らしいが、A-10の交戦方法は、戦闘空域で目立たないようにするステルス機と相反する。だからといってA-10をすぐ処分していいわけではない。

 A-10を未来へ導く真の方法は、ステルスを追加することではない。デコイを搭載しスタンドオフ攻撃機へ変身させることだ。

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 その他支援機材では、高空を飛ぶ高速機による精密誘導弾が主流だが、A-10は低空で地上部隊を攻撃し、劣化ウラン弾のレーザービームを目標に照射する。ただ長時間滞空できない。



A-10 jet engine nacelle damaged by missile イラクの地対空ミサイルで損傷を受けた A-10 (U.S. Air Force photo)


 A-10搭載の機関砲は、1,000フィートから、1,000発の弾丸の80%を5メートルの円内に、毎秒70発という驚異的な速度で打ち込める。しかし、大きな問題がある。その過程でA-10パイロットは敵の攻撃を大量に浴びるのを覚悟しなければならない。ウォートホグは低空で高射砲や小火器の標的になりやすい。しかし、A-10パイロットはチタン装甲に包まれ、銃火をあびても平気だ。

 また、他の重要なシステムにもチタン装甲が施されている。ソ連の輸送部隊がレーダー誘導対空砲でウォートホグの急接近を探知する可能性が高いため、機体自体に冗長性を持たせて設計されている。そのため、A-10が戦闘中に大きくダメージを受けても、無事帰還し、着陸する姿を目にすることもよくある。


A-10 Thunderbolt II damage Kim Campbellキム・キャンベル大尉(当時)が自機の損傷具合を検分している。南西アジアでキャンベルのA-10は近接航空支援中に命中弾を受けた。2003年4月7日のことだった。大尉は332遠征航空団に加わっていた。(Courtesy photo)



 キム・キャンベル少佐Major Kim Campbelは、A-10のタフぶりの生き証人だ。少佐は、敵の猛烈な攻撃を受け、油圧を失った機体を滑走路まで飛ばした。クランクとケーブルで構成されたバックアップ制御システムにより、機体制御を続け、バグダッドから脱出できた。上の写真にある彼女の穴のあいたA-10は、英雄的なパイロット、回復力のあるジェット機、さらにステルス機の操作方法と全く違う戦闘のアプローチを如実に物語っている。

 A-10ウォートホグは、制空権が確保済みの空域で運用し地上攻撃に専念する設計のため、ステルス機と正反対の機体だ。A-10が敵戦闘機に対抗した事例があったが、A-10パイロットで実際に試してみたいとは思うものはない。A-10のパイロットは、F-15やF-22のような制空戦闘機に乗り換えるだろう。ウォートホグは空対空戦闘用のレーダーを搭載していないものの、AIM-9赤外線追尾空対空ミサイルを搭載できる。

 A-10サンダーボルトIIは、打撃を受けても倍返しできる素晴らしい航空機だ。しかし、戦闘空域で敵に自分の存在を明確に示し、低高度で標的にむけ飛行し、途中で小火器の攻撃を受けることは、ステルス機ではできない芸当だ。

 現代のステルス設計は、レーダー波を機体からそらすことに長ける。しかし、F-22やF-35のような機体は、機体の大半を覆うレーダー吸収材(RAM)のコーティングと機体のあらゆる隙間やくぼみにレイヤーを重ねることに大きく依存するのが現状だ。機体パネルのわずかな隙間でもレーダープロファイルが大きくなるため、継ぎ目をRAMテープで覆う姿をよく見かける。


このF-35には、ライトグレーのRAMテープの層がはっきり見える。 (U.S. Air Force photo)



 RAMは、入ってくる電磁エネルギー(またはレーダー波)の70~80パーセント以上を吸収する評価があり、ステルス用途に非常に有効だが、A-10のような攻撃機には非常に問題となる。現行のRAMは非常にもろく、特に超音速飛行の高熱にさらされると、強度が低下する。RAMコーティングの修理や交換は、F-22やF-35の運用にかかる莫大なコストの大部分を占める。今、A-10をこの高価な材料で覆った姿を想像してほしい。チタン防御は乗員を守るだろうが、発砲するたびにRAMを交換する必要があるだろう。

 そうなると、現在は安価に運用中のA-10も、あっという間に最も高価な航空機になってしまう。

 しかし、信じられないかもしれないが、ステルスA-10ウォートホッグの製造で最も高価なのは、RAMではない。航空機の設計を根本的に変更する必要があり、莫大な費用がかかるので、まったく新規の機体を作る方が良いだろう。

 A-10 サンダーボルトIIの設計は、1972年にほぼ完成していた。世界初のステルス機F-117ナイトホークが運用開始する約11年前のことである。つまり、ウォートホグはステルス機以前の設計であり、単に外観を変えるだけでなく、設計全体を見直す必要がある。

 F-35に、機首から突き出る油圧駆動の巨大な7銃身バレル・ガトリング自動砲がないことに気づいているだろうか。A-10のGAU-8/Aアベンジャー・カノンシステムがフォルクスワーゲン・ビートル1台分の大きさであることもあるが、機体前面に大きな砲が突き出ていればステルス性が損なわれるからだ。


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 ロドリゴ・アベラは、この事態を予見し、前面に大きな銃を搭載しないA-14Bも用意したほどだ。

a-10 black stealth lone wolf Rodrigo AvellaOriginal artwork by Rodrigo Avella — Make sure to follow him on Instagram!


 同様に、A-10のジェネラル・エレクトリックTF34-GE-100Aターボファンエンジン双発双は、レーダーと赤外線の反射で大きな問題になっている。A-10の機体のほぼ全面を再設計する必要があるが、外装部品をすべて交換すれば、同じ機体と言えなくなる。

 それならいっそのこと、低視認性の設計要素と重火力兵器を組み合わせた新しいA-Xプラットフォームをゼロから作り直した方がコスト効率が良いのでは。しかし、その場合でも、前述した問題に直面する。ステルス機で敵の砲撃に飛び込むのは、費用対効果が悪いのが実情だ。


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 A-10サンダーボルトIIは、素晴らしい航空機でありながら、寿命が終わりに近づいている。しかし、退役は悪いことではない。ウォートホグが退役すればずば抜けた近接航空支援能力が惜しまれるのは事実だが、ステルス塗装やデザイン調整を施しても、同機が2040年代以降まで使えない可能性が高い事実は変えられない。

 実際、ステルス機能を導入したA-10でも、現代の戦闘で本来の仕事はできない。A-10が搭載する重量4,000ポンドの巨大な機関砲は、強力かもしれないが、実は読者が思うほど強力ではない。もともとT-55やT-62のような第二次世界大戦後のソ連戦車の装甲を貫通するため設計されたアベンジャー砲だが、効果が低いことが証明されている。

 1979年発表の海軍大学校の91ページに及ぶ報告書では、A-10の有名なGAU-8を各種装甲に対して評価し、ウクライナで見られるようなソ連時代の戦車に正面から砲撃すると、戦闘効果が低くなるとはっきり示されている。

 同報告書によると、アベンジャー砲はT-62のような年代物戦車の背面装甲なら貫通できるが、側面には苦戦した(ただし、サスペンションを破壊して戦車を戦闘不能に追い込んだ)という。しかし、重要なことは、各戦車の装甲が最も厚い真正面に効果がないと判明したことだ。



 実際、A-10のステルス性が大幅に向上しても、複合装甲式の中国99A型やロシアで実用化が長期延期中のT-14アルマタのような最新主力戦車はともかく、年代物の装甲と戦う際もウォートホグが最も有効なオプションになるとはいえない。

 A-10の伝説的な機関砲掃射は、地上支援手段として歩兵部隊に好まれているかもしれないが、互角の戦力を有する相手との紛争では、A-10で最も有効な攻撃手段は翼下に搭載する兵装だろう。A-10は70mmロケット弾やAGM-65マーベリック空対地ミサイルや各種爆弾を搭載して、新鋭戦車も軽々と倒せる。しかし、紛争空域で近距離の目標に爆弾やミサイルを投下するのが目的ならば、A-10は最適な選択とは言えなくなるだろう。

 しかし、防空網を混乱させ、スタンドオフ距離から攻撃する高性能兵器が追加されれば、大国間の戦いでも、A-10に新たな目的が生まれるかもしれない。

 空軍はA-10を退役させようと手を尽くしているが、議会は別の考えだ。A-10は2040年代まで飛ぶと予想され、ステルスに目をつぶる。しかし、疑問が出ている。互角の戦力を有する大国との対決が発生したら、A-10パイロットを多数戦死させずに、アメリカの勝利に貢献できるだろうか?

 答えは、A-10の評判を決定付けた機関砲頼みの作戦から脱却し、A-10が悪者を攻撃する必要があるときは長距離兵器とデコイで空域を氾濫させることにあるようだ。

 A-10兵器担当のモーリス・「スポーン」・グロッソ少佐Maj. Maurice “SPAWN” GrossoTask & Purposeに寄稿した素晴らしい記事の中で、同機にスタンドオフ兵器(SOW)を搭載すれば、現場指揮官に貴重な存在になると説明している。スポーンの評価によると、A-10は、AGM-158 Joint Air-to-Surface Standoff Missiles(JASSM)を4発ないし5発搭載し戦闘に参加できる。現在、供用中の戦闘機でこれに匹敵するのは、F-15Eストライク・イーグルだけで、同機には5発を搭載するスペースがある。空中発射式の巡航ミサイルは、飛距離が長く、1,100マイル以上といわれ、A-10は敵防空網の届かないところからミサイルを発射できるようになる。


F-15E Strike EagleF-15EストライクイーグルにJASSMを搭載している。 (U.S. Air Force photo)



 スポーンの提案を、発射コストの観点で見てみよう。戦略国際問題研究所によると、A-10は飛行時間あたりわずか約2万ドルと、安価に運用できる。

 仮に4時間の飛行でJASSM5発を発射すれば、総費用は8万ドル、1発あたり約1万6千ドルとなる。F-16も1時間あたり約2万3,000ドルと非常に低運用コストだが、1回の出撃で搭載できるAGM-158は2発だけだ。つまり、5発のミサイルを打ち込むのに3機のF-16が必要で、1発あたりのコストは(6発打ち込む場合)46,000ドル、5発打てば55,000ドルになる。F-15Eは1回の出撃で5発のJASSMを搭載でき、時間当たりコストは3万2500ドル、1発当たりのコストは2万6000ドルとなり、A-10より1万ドル高い。

 これは単純化しすぎた例で、実際のコストは巡航速度など変数で大きく変わるだろう。しかし、A-10はステルスを必要とせず、目標に兵器を運搬しながら、大幅なコスト削減が実現できる。

 A-10にJASSMを搭載するスポーンの主張には説得力があるが、A-10で大量のADM-160小型空中発射デコイMALDを運搬すればもっと無視しがたい。

 MALDはレイセオンが開発し、アメリカや同盟国の航空機のレーダー痕を完全に模倣する画期的な空中発射型飛行体で、正確には兵器ではない。比較的安価なデコイで、約500マイルの航続距離を持ち、現在F-16ファイティングファルコンとB-52ストラトフォートレスから展開できる。大量使用すれば、敵の空域を偽装レーダー信号で飽和させ、防空システムが本当の標的を見つけるのを不可能ではないにしても、極めて困難にできる。

 さらに高度なMALD-Jはレーダー妨害機能も備え、地対空ミサイル運用をさらに複雑にする。F-16は、約300ポンドのMALDデコイを4個搭載し、戦場に送り込める。一方、巨大なB-52は、16個ものデコイを搭載できる。



ADM-160MALDを搭載したF-16 (U.S. Air Force photo)


 スポーンによれば、A-10のトリプルイジェクターラックにMALDデコイ2発が搭載可能で、最大16個の可変翼デコイを搭載できる。A-10がJASSMを搭載することで、コストを削減できると考えるならば、B-52は飛行時間あたり7万ドル以上のコストがかかることを知っておく必要がある。同じ数のデコイを運ぶのに1時間2万ドルですめば、コスト削減効果は無視できない。

 「A-10の4機編隊で、最大64発のMALDを戦場に送り込める。A-10の強固で機敏な戦闘能力(低水準メンテナンス費用、未改良または臨時の滑走路面からの運用能力)は、1機あたりMALD16発を搭載する能力と相まって、戦闘指揮官に多軸問題、目標飽和、水平エスカレーションオプションを作り出す能力を提供します」と、グロッソ少佐は記している。


MALDを搭載したA-10の想像図


 A-10は戦場に近い未整備滑走路から活動できることに価値がある。つまり、A-10は短時間の出撃で、JASSMやMALDを空域の外から攻撃し、また戻り再武装し同じことを繰り返す。また、JASSMではソフトウェアの統合が必要で、そのため資金が必要だが、MALDならその必要はない。スポーンが言うように、「母機との分離テストだけが考慮すべきコスト 」だ。

 「うまくいけば、航空戦闘軍団(ACC)と空軍総司令部(HAF)の支持を得られる」とSpawnは書いていた。「支持があれば、MALDは分離テストを通過し、数ヶ月でA-10への統合を完了できます」。■


Could a stealth makeover save the A-10? How to drag the Warthog into the future - Sandboxx

Alex Hollings | May 26, 20222

Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.

 


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