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海兵隊沿海域(リトラル)連隊が発足。構想と戦術を解説。対中作戦で画期的な効果を上げる期待。

 



事ニュースを追っている人なら、リトラルという言葉をよく目にしていることだろう。海兵隊司令官が掲げる海兵隊のスリム化構想は続いている。それには、低シグネチャで発見されにくく、動きが迅速で、沿海域部で効率的な戦闘力を持つ海兵隊リトラル連隊の育成が必要だ。

 


 

リトラルとはどういう意味なのか。ネットによると「沿海域とは、海、湖、川などの岸辺に近い部分のこと。沿海域地帯は、めったに浸水しない高水位から、永久に水没する海岸線まで広がる」とある。

 

この部隊は、まさしく水陸両用で、海岸線と砂浜で常に活動し、水中または水辺に配置される。海兵隊にとって完璧な任務だ。このような任務は全世界に適用できるものではないが、太平洋地域では理にかなう。このため、最初のリトラル連隊はハワイを拠点とする。

 

最初の海兵隊リトラル連隊は、今年初めに発足した。今回は、リトラル連隊とは何か、それが何を意味するのか、そしてこのリトラル海兵隊が何をするのかについて見てみよう。



(USMC)

海兵リトラル連隊の構成

3海兵隊リトラル連隊は、3部構成となる。1つは、歩兵大隊1とミサイル隊1からなる沿海域戦闘チーム。二番目が新しい対空大隊で、第3LAABとして知られる。最後に、第3が戦闘兵站大隊で、連隊の補給を維持する。各隊は、小型の沿海域戦闘艦(LCS)を使用する。

 

海兵隊は海軍と、沿海域連隊のため特別に設計された海軍軽水陸両用艦を開発中だ。艦から陸上への移動は必要だが、AAVよりLCACや小型ボートに頼ることになる。新型水陸両用艦は、後退し、タラップを下ろして、海兵隊員や車両などを直接揚陸できる。

 

小型艦は、低シグネチャのまま、接岸できる。こうした艦船により、海兵隊は遠征前進基地作戦(EABO)を確立し、島嶼ホッピング作戦の足場として機能させ、海へのアクセスを敵に拒否する役割を果たす。

 


(USMC)

 

沿海域戦闘チーム

沿海域戦闘隊は、強化した小隊を沿海域部に投入し、攻撃作戦を展開する。海兵隊部隊は足場を固め、各種作業を可能にするべくEABOを構築する。

 

EABOは、航空機の再武装と燃料補給の前方基地として機能し、海兵隊員が海上で偵察、監視、情報収集を行うことを可能にする。また、防空探知や早期警戒ステーションとしても機能する。

 

長距離対艦ミサイルも運用可能だ。ミサイル隊と連携し、艦船を発見・撃沈できる可能性が生まれる。海兵隊小隊が沿海域で敵艦を撃沈する姿を想像してみてほしい。敵のアキレス腱にメスを入れるような、小規模、正確で、致命的な部隊が投入されれば、ゲームチェンジャーとなる。

 

強化小隊は海兵隊員75100名で構成する。ライフル小隊にマシンガン、迫撃砲、対人兵装を組み合わせたものになるだろう。スカウト・スナイパーや重機関銃や迫撃砲の小隊も登場する可能性は否定できない。

 


(USMC)

 

ミサイル隊は車両移動型ミサイルを使用する。ROGUE-Firesと呼ぶ車両には、対艦ミサイルシステム「NMESIS」を搭載する。乗員は車両から離れ、車両とランチャーを遠隔操作できる。これにより、発射台が狙われても海兵隊員の喪失は避けられる。逆に、海兵隊はミサイルを搭載した遠隔操作車両で艦船を仕留める。




(USMC)

 

連隊が空から脅威を受ければ、沿海域対空大隊が行動する。航空機に交戦し排除し、航空監視、早期警戒、航空管制、前方再武装・給油の能力を活用することができる。

 これは戦力増強効果を生み、少数の海兵隊員で沿海域地帯の支配を維持できるようにするのがねらいだ。これにより、連隊は効率的になり、他軍のお荷物になることはない。

 

戦闘兵站大隊

戦闘兵站大隊(CLB)は、新しい構想ではない。海兵隊はこれまでもあらゆる気候や場所で長期作戦を行うため必要な兵站を提供してきた。海兵隊員には耳の痛い話だが、ロジスティクスで戦争に勝つのだ。

 

CLBEABOに燃料や弾薬、さらには高度なタスクを補給する。これにより、車両や武器、そして医療部隊のメンテナンスをより高いレベルで行うことができるようになる。さらに、リトラル連隊が自律的に活動し、低いシグネチャで高い効率を維持できるようになる。

 


(USMC)

 

うまくいくか?

明言できない。筆者は海兵隊で5年の経験を持つ一兵卒にすぎず、新しい沿海域連隊構想を検討していない。筆者は将軍ではないし、星のついた連中は何千時間もの戦争ゲームを行っている。だが、素晴らしいアイデアに思える。

 

75から100名の小隊が太平洋を渡り大混乱を巻き起こす姿を想像している。部隊は機動性があり、発見されにくく、艦艇の動きを止め、海やジャングルの中に消える。このような部隊への対処は不可能で、歩兵や回転翼機ではほとんど不可能だろう。また、海兵隊が戦略上重要な敵地点を拒否することも可能となる。

 

筆者は、この構想が継続され、発展していくのを見るのが楽しみだ。海兵隊の変化は見るものを魅了し、現役海兵隊員が羨ましい。■

 


Travis Pike

Travis Pike is a former Marine Machine gunner who served with 2nd Bn 2nd Marines for 5 years. He deployed in 2009 to Afghanistan and again in 2011 with the 22nd MEU(SOC) during a record-setting 11 months at sea. He’s trained with the Romanian Army, the Spanish Marines, the Emirate Marines, and the Afghan National Army. He serves as an NRA certified pistol instructor and teaches concealed carry classes.

 

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