海上公試中のTCGアナドル (Credit: Selim Bugdanoglu -Sedef Shipyard)
トルコ海軍が導入をめざす揚陸ヘリコプタードック艦(LHD)「TCGアナドルAnadolu(L-400」が、2022年6月20日に海上で目撃された。関係者は、同艦の海上公試開始を確認した。
トルコ海軍の将来の旗艦、TCGアナドル(L-400)が2022年6月20日にマルマラ海で目撃され、海上公試が開始された。新造LHDは2022年2月にも出港していたが、海上公試の前段階だった。スペインの造船会社ナバンティアNavantiaと共同で「アナドル」を建造してきたセデフ造船所Sedef Shipyardの関係者は、Linkedinで海上公試を開始したと発表した。
3月4日、トルコ海軍は新造LHDにトルコ国旗を掲揚し、トルコ国防省は2022年3月10日、TCGアナドルが最初の「技術航海」を終了したと発表した。技術航海の後、港湾受入試験(HAT)の開始について公式発表はなく、Naval Newsは、海上公試の開始はHAT完了を意味すると推測している。
TCGアナドルは2022年10月にトルコ海軍に引き渡される予定で、TB-3無人機発艦着艦システムのアップグレードは年内に開始される。
TCGアナドル開発の最近の進展
TCGアナドル (Sedef Shipyard photo)
米国がトルコとのF-35 JSFプロジェクト提携を解消した後、TCG Anadoluは無人機空母へ変更されると伝えられてきた。その結果、トルコの無人機メーカー、バイカルBaykarは2021年初頭、戦闘実績のあるTB2を折りたたみ翼にしたTB-3UCAVを開発し、TCGアナドルに搭載すると発表していた。
バイカルはアナドル専用にTB3無人機を製造する。最近の報道によると、LHDは無人機発艦用のローラー機構を搭載し、着艦機を固定するためセキュリティネットが使用される。SSBは、LHDへの無人機運用システムの統合は2022年開始される予定と示唆している。
MIUS UAVをLHD アナドルに搭載した際の想像図. Baykar Defense image.
2025年のTCG「アナドル」運用開始後、TB-3と並び航空戦力の第2選択肢がMIUSだ。バイカルによると、MIUSは軽攻撃機としてアナドルに搭載し、戦略的攻勢、近接航空支援(CAS)、ミサイル攻撃、敵防空鎮圧(SEAD)、敵防空破壊(DEAD)など多用な軍事行動を行う予想がある。
他方でTCGアナドルの揚陸装備が運用開始間近に迫ってきた。トルコ主導の多国籍合同水陸両用演習「EFES-2022」で、「ZAHA」(Zirhli Amfibi Hücum Araci)と略される装甲水陸両用艦艇(MAV)が発表された。ZAHAの製造元FNSSは、2021年12月に同装備の弾道試験と耐雷試験を完了したと発表し、大規模演習への参加は納入が間近であることを示している。
ZAHA揚陸装備 (FNSS photo)
また、セデフ造船は2週間前に、TCGアナドルが搭載する小型水陸両用船(LCM - Landing Craft Mechanised)の海上公試を造船所付近で行っていると発表していた。LCIMは、TCGアナドルの就役業開始までに完成する。
TCG アナドルが搭載するLCMの海上公試 (Sedef Shipyard photo)
セデフ造船は「LCMはアナドル用に国産開発し、将来のALTAY主戦闘戦車を搭載するために建造た」と説明している。■
Turkiye's Drone Carrier TCG Anadolu Starts Official Sea Trials - Naval News
Tayfun Ozberk 23 Jun 2022
AUTHORS
Posted by : Tayfun Ozberk
Tayfun Ozberk is a former naval officer who is expert in Above Water Warfare especially in Littoral Waters. He has a Bachelor Degree in Computer Science. After serving the Turkish Navy for 16 years, he started writing articles for several media. Tayfun also offers analysis services on global naval strategies. He's based in Mersin, Turkey.
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