スキップしてメイン コンテンツに移動

海上自衛隊部隊がインド太平洋に4カ月間展開し、RIMPAC2022含み各国との演習を実施。各国もハワイに向け艦艇を移動中。

 

2019年のインド太平洋配備で、マレーシアのポートクラン・クルーズター

 

上自衛隊艦艇4隻が今月下旬に日本本国を出発し、インド太平洋地域全域に4カ月間展開すると、防衛省が発表した。

 

 

 2022年インド太平洋地域派遣(IPD2022)に海上自衛隊の艦船3隻、潜水艦1隻、固定翼機3機が6月13日から10月28日まで参加する。

 今回の派遣には目的が2つある。防衛省発表では、「共同訓練を通じ海上自衛隊の戦術能力を向上させ、インド太平洋地域のパートナーパートナー国海軍との協力を強化すること、第二に派遣を通じ地域の平和と安定に貢献し、パートナー国との相互理解と関係を強化すること」とある。

 海上自衛隊は2019年より毎年、IPD派遣を行っている。今年は、ヘリコプター3機を搭載したヘリ空母JSいずも(DDH-183)と駆逐艦JSたかなみ(DD-110)が加わる。第二水上部隊には、駆逐艦JSきりさめ(DD-104)を含む。潜水艦の名称は不明。

 P-1哨戒機、UP-3Dオライオン電子情報訓練機、US-2捜索救助水上機の3機と支援要員がIPD22関係国に派遣される。陸上自衛隊も部隊を派遣する。

 IPD22は、オーストラリア、フィジー、フランス領ニューカレドニア、インド、パラオ、パプアニューギニア、フィリピン、ソロモン諸島、トンガ、米国、バヌアツ、ベトナムに寄港する。ニュースリリースによると、IPD22は環太平洋2022(RIMPAC2022)含む6演習に加わる。パシフィック・パートナーシップ2022、日米豪韓合同演習パシフィック・バンガード22、日印共同訓練(JIMEX)、オーストラリア海軍多国間訓練カカドゥ2022、米豪主催の多国間演習海上訓練活動(MTA)サマサマ/MTAルンバス2022だ。リリースは各演習の参加部隊を特定していない。

 米第3艦隊の火曜日の報道発表では、RIMPAC2022は6月29日から8月4日までハワイ諸島と南カリフォーニア近くで行われ「26カ国、水上艦38隻、潜水艦4隻の、9カ国の陸上部隊、航空機170機以上、約25000人の人員」が参加するとある。

 参加国の艦艇がハワイに向けて出発しており、韓国海軍では揚陸ヘリコプター艦ROKS馬羅島Marado(LPH-6112)、駆逐艦ROKS世宗大王 Sejong the Great(DDG-991)とROKS文武大王 Munmu the Great(DDH-976)が火曜日に済州海軍基地から出港した。潜水艦申乭石Shin Dolseok(SS-082)とP-3海上哨戒機も参加する。月曜日、マレーシア海軍のコルベットKD Lekir(FSG26)は、RMN Lumut 海軍基地からハワイに向けて出港した。

 Lekir 艦長 Asri Dasman 中佐は土曜日のインタビューで、同艦はリムパック 2022 で、沈没演習(SINKEX)に参加し、MM40 Exocet 対艦ミサイルを発射すると述べた。

 サマサマ、ルンバス両演習は、フィリピン、オーストラリア、日本、フランス、英国、米国が参加する多国間演習だ。日程は未発表。カカドゥ2022演習は、9月12日から9月25日まで、オーストラリア北の海域で展開する。■

 

Japan Announces Indo-Pacific Warship Deployment Ahead of US-led RIMPAC Exercise - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

June 1, 2022 3:31 PM


About Dzirhan Mahadzir

Dzirhan Mahadzir is a freelance defense journalist and analyst based in Kuala Lumpur Malaysia. Among the publications he has written for and currently writes for since 1998 includes Defence Review Asia, Jane’s Defence Weekly, Navy International, International Defence Review, Asian Defence Journal, Defence Helicopter, Asian Military Review and the Asia-Pacific Defence Reporter.


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...