A Royal Australian Air Force P-8A Poseidon after a mid-air refuelling from a KC-30A multi-role tanker as part of Exercise Diamond Seas 2022. (Australian photographer LACW Kate Czerny)
中国外務省の趙立堅報道官は、「オーストラリアには、中国の国家安全保障上の利益と重大な懸念を尊重し、重大な結果を招きかねない誤算を避けるためにも、言動に慎重であるよう求める」と述べた。
南シナ海での「危険な」インシデントに鋭い反発を受けた中国は政権交代でオーストラリアが柔順になると期待していたようで、歯ぎしりしているに違いない。
中国戦闘機がオーストラリアのP-8対潜哨戒機に接近し、チャフを放出した。中国もオーストラリアも当初この事態を公にしていなかった。
しかし、日曜日にオーストラリア国防省が事件の詳細について声明を発表した。その後、オーストラリア労働党政府が正式に外交抗議し、公表した。
そして本日、アンソニー・アルバネーゼ首相Prime Minister Anthony Albaneseは厳しい発言をし、オーストラリアは「地域における中国の行動は、国際規範に従い航空監視を行っていたオーストラリア空軍への侵略行為であり、危険行為」と見なすと述べた。
中国は反撃に出た。
外務省の趙立堅報道官は「中国の国家安全保障上の権益と重大な懸念をオーストラリアが尊重し、重大結果を招きかねない誤算を避けるためにも言動を慎重にするよう促す(中略)」とし、中国パイロットは安全かつ国際法を遵守し行動していた、と述べた。
オーストラリアの新国防相(兼副首相)リチャード・マールズRichard Marles は、中国の作戦を「非常に危険」と呼んだ。J-16戦闘機がP-8の隣を飛行し、フレアを放出したと、この出来事を詳細に伝えた。
「J-16は加速しP-8の機首を横切り、非常に近い距離でP-8の前についた」。その後、J-16はチャフを放出し、一部がP-8のエンジンに吸入された。
マールスは、オーストラリアは、南シナ海の上空、水面上、水面下で航行の自由作戦を展開を躊躇することはないと述べた。
今回の事件は、2月中旬に中国がオーストラリアのP-8に軍用レーザーを照射したことに続くもので、当時のスコット・モリソン首相とピーター・ダットン国防相は、この行為を強く非難した。モリソン政権は中国の行動を鋭く、大声で、執拗に批判していたため、この反応は予想外ではなかった。さらに、中国の代理大使がて、中国が好まないオーストラリアの14の事柄をまとめた「苦情リスト」をオーストラリアのメディアに公表するという驚くべきこともあった。
P-8事件は、中国共産党が国際秩序へもたらす脅威を理解しないまま、労働党政権が中国を優しく扱うか見極める最初の試練となった。
また、オーストラリア報道機関が、王中国外相の太平洋歴訪の最後に、パプアニューギニアでのコメントを報じた。このとき中国は、太平洋諸島の国々が中国との協力強化を約束する中国の声明に同意するよう試み、失敗した。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、「王外相は、中国とオーストラリアの関係をリセットするため具体的な行動が必要だと述べ、オーストラリア関係は『近年困難に陥っている』と付け加えた」という。
王外相はまた、中国が南シナ海の広大な範囲を違法に領有権を主張し、軍事基地を作るために自然サンゴ礁を破壊し、領有権主張が重なる近隣諸国を定威嚇する一方で、以前の対中関係にアルバネーゼ政権が復帰するのを望むと聞こえる声明を発表していた。
「ここ数年の中豪関係の難しさの核心は、オーストラリアの一部の政治勢力が中国をパートナーではなくライバルとみなし、中国の発展をチャンスではなく脅威と決めつけていることにある」と王外相は指摘。
「このため、オーストラリアは長年にわたる積極的で実際的な中国政策を大幅に後退させている。解決策は、中国との関係を良識的かつ前向きに捉え、相互尊重を堅持し、相違点を棚上げし共通点を模索し、二国間関係を正常な軌道に戻す必要条件を整えることだ」。
アルバネーゼは選挙に勝つ前から、そして勝ってからも、中国が行動を大幅に変えない限り、オーストラリアは「パートナー」として扱うことはないと示唆していた。
オーストラリアの外務大臣ペニー・ウォン上院議員Sen. Penny Wongは、王外相が太平洋諸島を視察する間に、太平洋諸島に駆けつけた。ウォン議員は、中国外相が出発した翌日にトンガに現れた。議員は、オーストラリアが島々を大切に思っていること、島々との関係を再構築し強化する、そして中国に対しては冷静に見るべきとのメッセージを明確に伝えたかったようだ。
今回の王外相の歴訪は、ソロモン諸島とトンガで秘密保護協定に署名した。また、キリバス、サモア、フィジー、バヌアツ、パプアニューギニア、東ティモールにも足を運んだ。
アルバネーゼ政権の外交政策にとって、今週は忙しい一週間となったが、首相は本日、インドネシアを初めて訪問した。インドネシアのジョコ・ウィドコ大統領Joko Widokoの招きで、首相はインドネシア製の竹製のおしゃれな自転車に乗り大統領官邸の周りを走った。国民と政治家が誇りとするインドネシア固有の製造能力と、同国の新しいサステナビリティへの取り組みの象徴だった。オーストラリア首相は伝統的に初の外遊先としてインドネシアを訪問するが、インドネシアとオーストラリアは、波乱に満ちながらも、非常に親密な関係にある。さらに、アルバネーゼが今日述べたように、インドネシアは世界第5位の経済大国になろうとしている。■
Aussie protest China after 'dangerous' flying by J-16; China warns Aussies off - Breaking Defense
By COLIN CLARK
on June 06, 2022 at 11:01 AM
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