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これまでのウクライナ戦でわかったロシア軍電子戦の戦術効果について

 Russian Electronic Warfare

TASS

ロシアのウクライナに対する電子戦で、これまで判明したことをまとめた。

2022年2月24日モスクワ時間午前6時過ぎ、ロシア軍12個集団がウクライナ進攻を開始した。ロシア軍の電子戦(EW)装備は、歩兵、装甲、大砲と配備されていた。EWはロシア軍、特に陸軍で重要な役割を担う。「3分の1を攻撃し、3分の1を妨害し、最後の3分の1は崩壊する」というのは、ソ連・ロシア軍のドクトリンから生まれた格言だ。ロシア陸軍は、ロシアの西部、南部、中部、東部の各軍事区に各独立したEW旅団を配備している。また、陸軍の各戦術機動陣には、EW中隊が配置されているとされる。機動小銃・戦車旅団や師団に、最大30ものEW中隊が配備されることもある。

ロシアのEWドクトリン

EWは、ロシア軍が敵の指揮統制(C2)、情報・監視・偵察(ISR)能力を打破するために不可欠だ。C2は無線と衛星通信(SATCOM)に依存する。通信を遮断すれば、敵は命令伝達、状況報告の収集ができなくなる。陸軍のEWは、敵対する地上、海軍、空中のレーダーも標的とする。レーダーは目標の探知・追尾というISRの重要な役割を担う。レーダーを破壊すれば、敵のISRデータを奪うことができる。ロシアのEWは、敵対するGNSS(Global Navigation Satellite System)信号もターゲットにする。GNSSの妨害で、米国の全地球測位システム(GPS)のような衛星コンステレーションが送信する位置、航法、タイミング情報を敵から奪う。

軍事利用される民間装備も、ロシアのEWシステムのターゲットになる。民間の携帯電話ネットワークや従来の通信手段がここに含まれる。ネットワークが妨害されたり、部隊や民間人の携帯電話に送られる偽の、あるいは戦意を喪失させるテキストメッセージの通信路として利用されることもある。ロシア軍の EW能力が、情報戦を広く展開するため不可欠であるのは明らかである。EW妨害信号は、サイバー攻撃も可能である。妨害信号は通信やレーダーを妨害するのではなく、悪質なコードを送ることができる。この場合、敵の無線機が受信し、ネットワーク感染で、敵のC2ネットワークに入り込む可能性がある。

ロシア軍EW中隊は、前線全体で最大50キロメートル(31マイル)の範囲で戦術的なEWの提供を期待される。一方、EW旅団は、数百キロメートルに及ぶ戦域レベルの対応を提供する。旅団EWは、EW能力を必要としない小規模な作戦を支援するため、広く分散される。ロシア軍のEWシステムの多くは、静止状態で使用されるよう設計されているようだ。そのため、ロシアの EW ドクトリンは、機動部隊に EW の「泡」 を提供することにあるようだ。

ロシア陸軍は、電磁波の優越性と優位性(E2S)原則を受け入れている。E2Sは、電磁スペクトルで作戦の自由度を維持し、敵の作戦の自由度を低下させて、優位に立つことに主眼を置く。電磁波の優位性が電磁波の至上性の前提条件となる。

以前の状況

NATOにとって、ロシアによる2022年のウクライナ侵攻は、ロシア軍の10年にわたるEW近代化の効果を理解する絶好の機会だ。ロシア軍のEWは、今回の侵攻が初の投入ではない。2008年の「ニュールック」改革で、冷戦終結後のロシア軍衰退を食い止めるため、大規模投資が行われた。情報通信技術は近代化で重要な位置を占めている。

ウクライナは、2014年のロシアによる最初の侵攻の際に、ロシア軍のEW能力に直面し、に深刻な影響がウクライナ軍出た。EWは紛争当初から多用され、ウクライナ情報筋は、ロシアのEW計画は、妨害電波で混乱を引き起こし、E2Sの確保を狙っていたと主張している。

ロシア軍は当初、戦域内のウクライナ軍通信を攻撃し、ウクライナ軍司令部の通信を遮断するためEWを使用した。ロシアのスペツナズ特殊部隊が通信遮断により助けられた。ロシア軍が配備した悪名高いEWシステムの1つが、無人航空機(UAV)を使い携帯電話ネットワークを妨害する「RB-341V Leer-3」だ。ウクライナ軍と民間が使用する携帯電話の妨害に重要な役割を果たした。RB-341Vは、ウクライナ軍に戦意喪失させる虚偽のテキストメッセージを送信し、動向を追跡するため使用されたと考えられている。後者の情報は、ロシア砲撃の目標に変換された。

RB-341Vは、ウクライナ軍のAndroidベースの火砲火器管制システムにマルウェアをロードさせた可能性もある。ロシア軍の妨害電波は、欧州安全保障協力機構(OSCE)のUAVを攻撃した原因となったとも考えられている。無人機は、停戦取り決めを監視する任務を負っていた。ウクライナにおけるロシア軍EW部隊のその他の任務は、ウクライナ軍の通信と無線周波数(RF)作動を攻撃することであった。ロシア軍EW部隊は報復射撃を避けるため場所を頻繁に変えていた。ロシア軍 EWは、ロシアがウクライナに侵攻した当初から強力な能力が証明されていた。

現時点ではどうなっているか

紛争の現段階では、ウクライナ侵攻におけるロシア軍EWの実態の分析にはリスクが伴う。入手できる情報は断片的だ。偏っている可能性もあり、独自検証は不可能だ。とはいえ、信頼できる公開情報をもとに見解を示すことができる。

ロシア軍は 2 月 24 日の紛争開始から、ロシア政府が 4 月 7 日にキーウ周辺の部隊を撤退させた第1フェーズ終了まで、EWを使用した。EWは開戦段階の支援に多用された。当初、EWは、ウクライナ空軍の統合防空システムへの対抗を支援した。キーウ北西約 6 マイルにあるホストメル空港でのロシア空挺作戦を支援するために、ウクライナのレーダーと無線通信を妨害した。同飛行場の確保は、ロシアのキーウ進攻を支援する兵員と装備の輸送に不可欠だった。ロシア軍は同飛行場を占領したが、戦争の戦略的焦点がキーウからウクライナ東部に移ったため、3月下旬に同飛行場は放棄した。

興味深いことに、ロシア空挺部隊は、空港襲撃の数日前からクリア(暗号化されていない)無線を使って空港占領計画を話し合っていたようだ。この情報はウクライナ軍にとって貴重だった。これは、戦争全体で浮上してきたロシア軍のエミッション・コントロール(EMCON)の欠如を浮き彫りにし、おそらくロシア軍にとって今回の紛争で最初の大きなEWの失敗を意味する。

ロシア軍のEW対応は、侵攻当初から戦術レベルでも精力的に行われていた。スモールウォーズジャーナル誌の記事によると、「キーウ攻略戦の初期に悪質かつ効果的であった 」とある。ロシアのEWが効果的だったところ、特にウクライナ軍の通信に対して、ランナーやディスパッチライダーといった旧来型の手法が再び前面に出てきた。これらは紛争前夜に予想されていた戦術であった。同様に、侵攻前のウクライナ軍訓練では、ロシア軍の EW は過酷であり、電磁スペクトルが激しく競合する中で戦わなければならないことが強調されていた。また、ロシア軍はウクライナ軍の通信を妨害しようとした際に、EWの「味方による誤射」に見舞われた。これもロシア軍の EMCON 不足が原因かもしれない。ロシア軍の妨害工作は、ウクライナ軍が米国から支給されたSINCGARS無線機を使用していたことも障害となった。SINCGARSとは、Single-Channel Ground and Airborne Radio Systemの略で、ロシアの電波妨害に強い無線機だ。

米国がウクライナ軍に提供したSINCGARS無線機は、ロシア軍の妨害電波に優れた耐性を示してる。U.S. Department of Defense

他の周波数帯でも

ロシア軍の EW は、紛争の第一段階におけるウクライナ軍とウクライナ空軍のレーダーと無線通信に限られたものではなかった。R-330Zh Zhitel含むGNSS信号の攻撃が可能な装備も侵攻を支援した。3月4日、RFデータ分析会社Hawkeye 360は、ウクライナで記録したGNSS妨害を明らかにした。同社は2021年11月以降、親ロシア派の幹部が支配するウクライナ東部の一部からGNSS妨害を記録していた。

GNSS妨害は2022年2月まで続き、ウクライナのベラルーシとの国境からさらなる妨害が検出された。同社はまた、戦争が進行する中、ウクライナ北部のチョルノブイリ原子力発電所付近でのGNSS妨害も記録している。チョルノブイリは侵攻初日にロシア軍に占領された。GNSS妨害は懸念されていたものの、ほとんどが局地的なもので、全国規模の大停電を引き起こすことはなかったようだ。ウクライナ軍がTB2バイラクターのようなUAVを比較的容易に配備していることは、GNSS妨害が軽微だった可能性を示すものだ。UAV多数はナビゲーションにGNSSを利用している。また、ロシアによるGNSS妨害が軍用の暗号「Mコード」GPS信号に影響を与えることができなかった可能性もある。

ホークアイ360は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した直後、GNSS妨害波を検知した地域を示す地図を作成した。チョルノブイリ原発周辺やウクライナのロシア占領地などで検出された。 Hawkeye 360

携帯電話でも、同様の傾向が見られた。2014年のロシア侵攻では、軍のRB-314 Leer-3システムが携帯電話ネットワークを妨害し、効果的であることが証明された。紛争の第1段階では、局所的な携帯電話ネットワークの妨害が発生したようだ。ドンバス地方とクリミア地方に集中した携帯電話の妨害電波がソーシャルメディアに投稿されていた。しかし、ウクライナの携帯電話ネットワークはほとんど影響を受けていない可能性がある。まず、ロシア軍が通信で同ネットワークに依存している可能性がある。ロシアの暗号化されたERA携帯電話ネットワークの配備は失敗に終わったようだ。これが、ロシア軍がウクライナの携帯電話ネットワークを物理的に狙った理由である可能性がある。次に、Leer-3 は現地の携帯電話網の妨害に有効かもしれないが、ロシア軍にはウクライナの携帯電話網を全国的に狙うだけシステムが十分でない可能性がある。

SATCOM はウクライナ作戦地域で攻撃を受けているが、主にサイバー攻撃によるものであり、ロシア軍EWと対照的である。実際、ウクライナから世界中のメディアに定期的に生中継されているニュースによると、SATCOMはほぼ影響を受けていないようだ。

ロシア陸軍の電子戦システム「R-330Zh Zhitel」は、EW中隊に配備されている。衛星通信信号を含む様々なターゲットを攻撃することができる。InformNapalm/Google Earth

ロシア軍のEWシステムには、Leer-3、Zhitel、RP-377L/LA Loranditなど、SATCOM信号を攻撃可能と思われる装備がある。しかし、ロシア軍はウクライナの衛星通信にサイバー攻撃を行ったようだ。民間衛星通信会社Viasatは、戦争開始時に同社KA-SATネットワークがサイバー攻撃を受けたと明らかにした。同社によると、攻撃はウクライナとヨーロッパ周辺のユーザーに影響を与えた。この攻撃でウクライナ軍によるKA-SATネットワークの利用を狙ったものと思われる。同様に、SpaceXのStarlink SATCOM端末もロシアのサイバー攻撃の標的にされた。同社の創業者で最高経営責任者のイーロン・マスクは、ウクライナ全土をブロードバンドSATCOMでカバーするため、Starlink端末数千台を配布したことはよく知られる。どちらのケースも、ソフトウェア修正により、比較的短期間で改善された。

次に何が控えているのか

ロシア軍のEWは、戦争の第一段階で実施されたが、当初懸念されたほど決定的な効果を発揮していない。なぜか、明確な理由を挙げることはできない。ウクライナ軍は、2014年侵攻から貴重な教訓を得ていたようだ。また、ロシア軍のEW装備がどの程度、目的に合っているかでも疑問が残る。2014年にロシアが初めて侵攻した際、ウクライナ軍に対して有効であることが証明された。しかし、その後ウクライナ軍が大幅に改善した戦力に対しては、能力が劣る可能性がある。ロシア軍のEWシステムが損傷したり、使用不能になり、交換部品が滞留している可能性もある。ロシア軍の EW 要員の訓練が、今回の戦争に対応できていない可能性もある。

ロシア軍の EW C2システムは目的に適っているのだろうか?そうでないかもしれない。5月初旬発行のロシア学術誌「軍事思想」の記事がこの懸念を浮き彫りにしている。「現在、電子戦部隊の制御システムは、電子戦部隊と軍全体の真のニーズを十分に満たしていない」。これらのEW C2システムには、「システム的、技術的に多くの欠点がある」という。同様に、キーウへの侵攻の際、道路の混雑のため、EW部隊を前進させられなかったとの分析がある。

侵攻直後、匿名の米国防当局者は、「ロシアが電子戦能力をフルに発揮したとは思えないし、理由もはっきりしない」と述べた。この状況が、今回の戦争の新しい段階でも続くだろうか?初期評価では、ロシア軍が電子戦能力を向上させたことを示唆している。6月上旬にワシントン・ポストが発表した報告書では、ウクライナ東部で最近目撃されたEWのレベルは強烈と警告している。特に懸念されるのは、ウクライナのUAV運用への影響だ。カナダのUAV企業Volatus Aerospaceは、5月下旬のプレスリリースで、ロシアの妨害電波が小型無人機に悪影響を与えていると述べていた。暗号化された無線やGNSSリンクが搭載されていないため、電子攻撃から機体を保護できないとある。同様に、AP通信が6月上旬に発表したレポートは、ロシアの妨害電波が急増中と警告している。これは、ロシア陸軍がEWユニットを戦闘地域に近づけるために、補給線がより短く、より安全になったことが原因だとされている。

戦争が新段階に入り、ウクライナ軍にどのような影響が出るかは不明だ。ロシアがウクライナのE2Sを決定的に獲得し、維持すれば、ウクライナにとって大きな後退となる。どのようなものであれ、ロシアの完全勝利を一方的に招くことはないだろう。しかし、ウクライナ軍がロシア侵攻に対抗するためには、地域制圧を狙うロシア軍に対抗できなければ、どうしようもない。

NATOや同盟国は、電子戦の行方を見誤ってはならない。ロシア軍EWは戦争の初期局面こそ精彩を欠いているように見えたが、紛争が新局面に入れば変わるかもしれない。NATO、ウクライナのいずれも自己満足は許されない。■

 

Russia's Electronic Warfare Capabilities Have Had Mixed Results Against Ukraine

BYDR. THOMAS WITHINGTONJUN 16, 2022 3:24 PM

THE WAR ZONE

Dr. Thomas Withington is an award-winning analyst and writer specializing in electronic warfare, radar, and military communications.


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