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MQ-1Cは、電子戦支援、攻撃、監視などでTB-2を大きく上回る能力をウクライナに提供する。
ロイターによると、バイデン政権はウクライナに7億ドルの軍事援助をする一方で、ロシア軍を攻撃するためMQ-1Cグレイ・イーグルの売却も検討している。大統領は売却案を数日以内に議会へ通知し、その後公表するようだ。
2月以来、ウクライナではトルコ製バイラクターTB2を筆頭に、武装・非武装の無人航空機の利用が目立つ。しかし、MQ-1Cグレイ・イーグルで、ウクライナはTB2を超える性能のハイエンド無人機システムを入手できる。MQ-1Cは強力なセンサーと、レーダーや電子戦システムなど外部ポッドを搭載できる。最も重要なのは、グレイ・イーグルが最大4発のAGM-114ヘルファイア空対地ミサイルを搭載できることだ。TB-2はトルコ製MAM-Lミサイルを搭載するが、その重量48ポンドはヘルファイアの約半分だ。
米陸軍のMQ-1Cグレイ・イーグル。カリフォルニア州トゥエンティナインパームスの海兵隊航空地上戦闘センター(MCAGCC)(Cpl. William Chockey)
グレイ・イーグルはジェネラルアトミックス製のMQ-1プレデターの発展型で、MQ-1と大型MQ-9 リーパーの中間的な性能・能力の機材だ。翼幅は56フィート、離陸総重量は3,600ポンド、または4,200ポンド。最高速度150ノットで飛行し、高度25,000フィートに到達し、27時間以上滞空できる。米陸軍のファクトシートによると、ER仕様のグレイ・イーグルは40時間以上滞空可能だ。
MQ-1Cに拡張EO/IRペイロードを搭載し、広域空中偵察に順ずる任務を遂行できる。 US Army
ロイターによると、ウクライナ向けグレイ・イーグルの売却案は、ペンタゴンで数週間前から議論されてきた。通常、外国向け軍事売却は米国の資金提供でも、国務省の事前承認が必要となる。もう一つの可能性は、アメリカ空軍やCIAが保有する余剰のMQ-1プレデターをウクライナに譲渡することだ。無人機技術の輸出は米国で規制が厳しく、緊急事態の中でMQ-1Cのウクライナ供与にどのような影響を及ぼすかは不明だ。
議会が売却を阻止できても、ウクライナへ一層の高度兵器の供与を支持する声はある。米国政府は、ウクライナの防衛装備と、NATOとロシア間の緊張をエスカレートさせかねない攻撃能力の間の細い一線を歩いている。ウクライナに供給されるHIMARSシステム誘導砲も論議を呼んだ。
アラスカ州フォートウェインライトで離陸前のMQ-1Cグレーイーグル。U.S. Army photo by Staff Sgt. Sean Brady
グレイ・イーグルのニュースは、バイデン政権がウクライナ向け7億ドル相当の追加安全保障支援策を発表した当日に流れた。新規軍事援助には、少なくとも4基のM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)も含まれている。
コリン・カールDr. Colin Kahl国防次官(政策担当)によれば、ウクライナ軍は装備品がウクライナに送られる前に、HIMARSで3週間訓練する。高機動ロケット砲システムは、約43マイルの射程距離内の標的を攻撃できる誘導弾と共に届けられる予想でジョー・バイデン大統領がウクライナ供用を決めれば迅速に届けられるようヨーロッパに配置ずみの装備が対象に想定される。
The War Zoneは、長距離砲が有効な武器となる現在の紛争で、HIMARSと227mm誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)ロケットがウクライナ軍に提供する相対的利益と限界について詳述してきた。カール次官は、ロシアの奥深くまで攻撃することができない誘導ロケットを選んでパッケージに入れたとを確認した。
新しい支援パッケージは、2021年8月以来、ウクライナ向けとして国防総省の在庫から11回目の払い出しとなる米国製装備であり、「今日の戦いのための重要なウクライナのニーズに合わせて作られている」とペンタゴンは声明で述べている。
ドンバス地方でロシアの機械化された戦争マシーンにウクライナ軍が徐々に劣勢になる中、以下の装備がウクライナに流れ始める。ウクライナ側が積極的に反撃する南部でも役立つ可能性がある。
HIMARSランチャーと未公表の弾薬のほか、最新パッケージには以下が含まれる。
対砲兵レーダー5基
航空監視レーダー2基
ジャベリン対戦車誘導弾(ATGM)1,000発とコマンド発射ユニット50個。
型式不明の対人兵器6,000個。
155mm砲弾15,000発。
Mi-17ヘリコプター4機
戦術車15台
予備部品と装備品
トッド・ブレセール Todd Breasseale国防副次官補(メディア担当)によると、米国はバイデン政権は2月24日のロシアの無謀な侵攻以来、約53億ドルの安全保障支援をウクライナにコミットしている。さらに、2014年以降、米国はウクライナへの安全保障支援に73億ドル以上を投じている。
これに先立ちバイデン大統領は、ロシアの侵略に対し、米国は「ウクライナに自衛用の武器や装備を提供し続ける」と述べた。
5月の演習でデンマークのボーンホルムに展開したM142高機動ロケット砲システム。U.S. Army photo by Capt. Angelo Mejia
「米国議会で超党派の圧倒的な支持で可決されたウクライナ向け追加資金により、米国はウクライナに、ロシアの攻撃を撃退するため効果的に使える武器を提供し続けることができます」と、バイデン大統領は新規援助パッケージを発表する声明で述べている。「今回の新規パッケージは、ロシアの進撃から自国領土を守るために、HIMARSを含む新しい能力と先進的な武器でウクライナを武装させる。ウクライナの自由への戦いを支援するために、歴史的な支援を行うことで米国が世界をリードしていきます」
M142は1台でロケット弾6発を搭載したポッドを1つ搭載する。数分以内に展開、発射、移動が可能で、敵軍が対砲撃目標にするのは困難だ。
HIMARSで誘導ロケット弾を発射すれば、ウクライナ砲兵部隊は、4月中旬に承認された前回の支援パッケージで供与済み155ミリ榴弾砲M777の約2倍の射程距離で目標と交戦できる。ウクライナ政府は、この武器でロシア国内を攻撃しないと保証している、とカール次官は述べた。国防総省は、ウクライナ国内のロシア軍への攻撃は、攻撃行為ではなく、侵略者に対する自衛行為と考えている。
国防総省は、今回の大統領令の軍事装備のリストを作成するにあたり、東部で進行中のロシア攻勢に注目し、数百マイル先を攻撃できる長距離砲は不要と判断したと、カールは言う。HIMARSがあれば、ウクライナ軍は「どんな目標にも」正確に対応できる。
ウクライナ戦に、より長距離の大砲や高度な攻撃能力を持つシステムを送り込むNATO加盟国はアメリカだけではない。ドイツは、IRIS-T誘導弾防空システム(間違いなく最も先進的な地対空兵器システムの一つ)と、自国の在庫からMARS II多連装ロケットランチャーを4基派遣すると発表した。このうちMARS IIは、米国製M270多連装ロケット砲をドイツ向けに改良したもので、最大12発のロケットを搭載できるロケットランチャーだ。M30やM31といった誘導ロケット弾を含みHIMARSと同じ種類の弾薬を発射できる。
ウクライナは、ロシアを自国から追い出し、2014年のロシアによるクリミア併合以前の国境を取り戻すことを最終目標に掲げている。ドンバス地方東部が主戦場となっている現在、欧米が提供するロケット砲は、目標達成のため決定的な役割を果たす可能性がある。MQ-1Cとともにウクライナ軍が切望する近接射撃/航空支援も提供できそうだ。■
US Plans To Sell Ukraine Armed MQ-1C Gray Eagle Drones: Report
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JUN 1, 2022 6:21 PM
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