スキップしてメイン コンテンツに移動

ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月20日) 黒海のロシア天然ガス海上掘削施設(ウクライナから強奪したもの)にウクライナ軍歌ミサイル攻撃した模様、スネーク島攻撃は怪しい

Boyko Towers

Uncredited

黒海北西部は自由射撃区域の様相を呈しており、新兵器の到着でその傾向がさらに強まりそうだ。

シアは、黒海北西部のガス掘削装置に早朝攻撃してきたウクライナに報復を約束し、クリミア半島防衛を強化するとしている。

一方、ウクライナの情報筋はThe War Zoneに、スネーク島を攻撃したと伝えてきた。しかし、The War ZoneがPlanet Labsから入手したウクライナ時間正午前撮影の低解像度衛星画像では、新たな大規模破壊や火災は見られない。

今朝の衛星画像では、スネーク島に新たな大きな破壊は見られない。 PHOTO © 2022 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION.

占領下のクリミア当局者は、オデーサの南約70キロにあるとされるチェルノモルネフテガズChornomorneftegazの掘削装置へ攻撃があったと確認した。Yahoo Newsによると、2011年から2012年にかけてウクライナは海上天然ガス掘削プラットフォームを購入したもので、2014年のロシアによるクリミア併合でロシアが押収していた。

これに対し、ロシアはオデーサにミサイル攻撃を仕掛けている。ロイターは、ウクライナの南方作戦司令部を引用し、ガス掘削施設の攻撃後、ロシア軍がウクライナ南部に14発のミサイルを発射したと報じた。

ロイター通信によると、ミサイル攻撃でオデーサの食料倉庫が破壊されたが、民間人の死亡はないとウクライナ軍は述べている。

オデーサへの攻撃に加え、占領地クリミアの少なくとも1人の関係者は、ガス掘削施設攻撃を受け防衛を強化していると述べている。

ロシア国営メディア「タス」のテレグラムチャンネルによると、「ウクライナによる掘削装置への攻撃後、クリミアの重要施設の保護は強化されるだろう」と、占領下のクリミア出身のオルガ・コビティディ Olga Kovitidi上院議員は述べた。

コヴィティディ議員の発言の前に、ロシアはS-300対空システム2個部隊をクリミア半島に送り込んでいる。

「クリミアには十分な防空システムがあり、クリミア橋を含む半島陸地部分はすべてカバーされている」と、タス通信によると、クリミア占領地のセルゲイ・アクシオーノフSergei Aksyonov知事は述べた。アクショノフは先週、ロシア本土とクリミアを結ぶケルチ橋が、まもなく手に入る長距離砲によって脅かされる可能性があるとしたウクライナの将軍の発言に言及したようだ。

ウクライナの元海軍大尉で元参謀のアンドリ・リゼンコAndrii RyzhenkoがThe War Zoneに語ったところによれば、ガス装置への攻撃に加え、ウクライナはスネーク島を攻撃した。

スネーク島攻撃は現地時間の午前4時頃で、「ロシア側に大きな損害を与えた」という。

2回目の攻撃はその約4時間後で、ウクライナ軍がガス掘削プラットフォームを攻撃したと、リゼンコは述べた。

「少なくともうち1つは大きく損傷した」とリゼンコはThe War Zoneに語った。「炎上し、ロシアがそれを確認しました」。

攻撃はともにウクライナ軍用機によって行われたと、リゼンコは語ったが、機種については明言しなかった。

しかし、ロシアメディアは、ガス掘削プラットフォーム攻撃は、長距離砲撃で行われたと報じている。

チェルノモルネフテガズ掘削プラットフォームへの攻撃は、「英国または米国製のロケット弾によるものである可能性が高い」と州議会副議長ヴィクトル・ボドラツキViktor Vodolatskyがテレグラムチャンネルで述べた。

米国がウクライナに供給しているHIMARSランチャーが発射するM30/M31誘導ロケットの射程は約43マイルで、ウクライナ国内に搬入されているかも明らかでなく、今のところ、搬入されたとの報告はない。NATOが供給するハープーン対艦ミサイルも、使用された可能性がある。実際にハープーンでロシア艦船を攻撃したとの主張もある。

ウクライナはネプチューン対艦ミサイルも持っているが、紛争前の在庫数はごくわずかだったと考えられている。少なくとも2基は、今回のプラットフォーム設置場所からそう遠くない場所で、ロシア黒海艦隊の旗艦モスクワ攻撃に使用されている。有人機の使用ははるかに危険だが、ウクライナは以前、西方のスネーク島で空襲に成功したことがある。しかし、それ以来、ロシアの局所防空能力は、大幅に強化されている。TB2のドローンによる攻撃も可能だが、小さな弾薬のためプラットフォームに大きなダメージを与えたとは考えにくい。

要するに、現時点ではプラットフォーム攻撃にウクライナが何を使ったのか、正確には分からないということだ。スネーク島攻撃に関しても、実際にあったかどうか不明だ。

タス通信はテレグラム・チャンネルでコビティディ議員の引用として、「ウクライナの攻撃で影響を受けた、オデーサ近郊の黒海でチェルノモルネフテガズが開発した油田の生産は停止しているが、人的被害は回避された」と報じている。

しかし、ガスはクリミアに「通常モードで」供給され続けていると、アクショノフは述べている。「ウクライナによるタワー攻撃にもかかわらず、ガス供給でリスクはない」。


ロシア側は「捜索・救助のための艦船をセバストポリから派遣した」と付け加えた。その後ロシアは「オデーサに大規模なミサイル攻撃を行い、セヴァストポリにあるミサイル艦ほとんどを出撃させた」と述べた。

 

占領下のクリミア当局によると、チェルノモルネフテガズのタワーには109人がいて、21人が避難している。


黒海のリグからのガスの流れが最終的にどのような影響を受けるかはともかく、ウクライナは掘削施設への攻撃でメッセージを発した。


親ロシア派のテレグラムチャンネルAzmilitary1によると、「ロシアはクリミアのチェルノモルネフテガズの掘削プラットフォーム攻撃の報復として、意思決定センターに攻撃を加えるだろう」とクリミアの議員Mikhail Sheremetは発言している。


国防総省の報道官は、ウクライナに送られる予定のHIMARSなど長距離砲撃手段でクリミアは十分に標的となるとThe War Zoneに語った。■


Ukraine Attacks Russian-Occupied Oil Platforms, Snake Island Strike Rumors Swirl

BYHOWARD ALTMANJUN 20, 2022 4:42 PM

THE WAR ZONE


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...