F-15EX. Image Credit: Creative Commons.
F-15 EX がキャンセルされる?
F-15イーグルは、1970年代に対地攻撃を考慮せずに設計された航空優勢に特化した機体だ。そのため、F-15は空中目標との交戦やドッグファイトに優れており、第4世代の空対空戦闘機として傑出していたが、地上の目標と交戦するシステムや能力は不足していた。1980年代、F-15EはF-15に空対地戦闘のオプションを提供するべく作られた。F-15Eは、イーグルの空対空能力を維持しつつ、空対地モードを追加し、任務の幅を広げた。
F-15EX:危機に瀕したプログラム?
ボーイングによれば、F-15EX新型機は生産準備が整っている。しかし、実際に空軍が発注するのは何機なのか、そして同計画は危機に瀕しているのだろうか。
F-15EXは2021年2月に初飛行した。同年3月、ボーイングはF-15EXの初号機を米空軍に引き渡した。納入は、約20年ぶりのUSAF向け新造イーグルとなり重要なものだった。F-15EXは、アメリカ空軍がボーイングに対して、要件を満たす機体の作成について非常に慎重に問い合わせたことで、密かに開発された機体だ。つまり、アメリカ空軍は、運用コスト、調達コスト、低リスクで、F-35調達を妨げない新しいジェット機を望んでいた。ボーイングのソリューションは、F-15イーグルの更新だ。アメリカ空軍は2001年以来、第4世代戦闘機の納入を受け入れていなかった。
F-15EXは、2001年以降に米空軍に納入されたあらゆる戦闘機と異なり、ステルス機能は搭載されていない。従来のF-15と同様の高い視認性を有している。ステルスはともかく、新型F-15には多くの改良点がある。
フラットパネルガラスコックピット、JHMCS IIヘルメットマウント(HMD)、翼内部構造の見直し、フライバイワイヤー制御、APG-82 AESAレーダー、外翼ステーション1および9の起動、高度ミッションコンピュータ、ロープロファイルヘッドアップディスプレイなど、印象深い構成になっています。無線・衛星通信の更新、高度な電子戦・電子監視システムEPAWSS(Eagle Passive Active Warning Survivability System)、レギオンポッド搭載の赤外線捜索・追跡システム(IRST)など、数え上げればきりがないとウォーゾーンは報じている。
F-15EXで最も印象的なアップデートの1つは、耐用年数の延長だ。F-15EXは何と20,000時間使用に耐えられる。この数字を考えるに、最新のブロックIII F-18 スーパーホーネットの耐用年数は1万時間だ(ブロックIIスーパーホーネットの耐用年数はわずか6000時間)。F-15EXの耐用年数は世代を超えており、今後数十年間も米空軍で活躍する可能性がある。ただし、米空軍がF-15EXを必要とするならば、である。
F-15EXは終わり?
突然だが、アメリカ空軍はF-15EXの調達をキャンセルし、発注を縮小する可能性があると言われる。批評家たちは、この戦闘機は高すぎるし、時代遅れと言っている。ヘリテージ財団の研究員ジョン・ベナブルは、現代の地対空ミサイル(SAM)システムは、非ステルス型のF-15EXでは対応不能、つまり同機はアメリカ国内の防衛パトロールに限定される、と考えている。しかし、F-15EXは一度に最大22発の空対空ミサイルを搭載することができ、国内防衛には完全にオーバーキルだ。
他の学者も同じ意見だ。「F-15EXは予算の無駄遣いだ」と、Rogue States Projectの社長兼CEOで著名な防衛専門家であるハリー・J・カジアニスHarry J. Kazianisは、19FortyFiveのインタビューで説明している。「F-35のステルス性がないまま、S-400の防衛力で守られているロシアや中国の領空に入れば、撃破されそうな戦闘機に、なぜ何十億も費やす必要があるのか?アメリカ空軍のパイロットを死に追いやることになる」。
2023会計年度の予算要求は、F-15EXプログラムが問題を抱えている可能性を示唆しており、わずか18機分の資金が確保されたのみだ。既存のF-15C型とD型の後継機をEXに置き換える当初の計画は、保留されるようだ。米空軍は、ステルス性と汎用性に優れたF-35と、老朽化しコストが低下した第4世代の主力戦闘機による戦力構造で、F-15EXがどこに適合するか、まだ判断していないようだ。 ■
Is the F-15EX On the Brink of Being Canceled? - 19FortyFive
ByHarrison KassPublished1 day ago
Harrison Kass the Senior Defense Editor at 19FortyFive. An attorney, pilot, guitarist, and minor pro hockey player, he joined the US Air Force as a Pilot Trainee but was medically discharged. Harrison holds degrees from Lake Forest College, the University of Oregon, and NYU.. He lives in Oregon and listens to Dokken.
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