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岸田総理はシャングリラ対話で何を語ったのか

 

シンガポールで開催中のシャングリラ対話で基調講演をした岸田文雄首相。

June 10, 2022. (Roslan Rahman/AFP via Getty Images)

 

シアがウクライナに核兵器を使用する恐れがある中、日本は防衛予算増額を5年間続けると、首相が表明した。

 

 

 岸田文雄首相は、6月10日開催されたシャングリラ・ダイアログのオープニングイブニングで基調講演をした。ロンドンに本部を置くシンクタンク国際戦略研究所がシンガポールで開催する同フォーラムは、アジア太平洋地域の安全保障上に焦点を当てる。

 岸田首相は、防衛費増額は日本が攻撃された場合に沿岸部や陸上標的を攻撃する反撃能力の取得につながると繰り返した。日本の平和主義憲法でのこれまでの解釈では、政府はそのような軍事能力を取得することを禁じているとされてきた。

 また、日本の安全保障上の利益を向上するべく、日米安全保障同盟を強化する努力を継続すると約束し、日米安全保障同盟は地域の安全保障の要であり、同様の考えを持つ国々と多層的な安全保障協力を推進する足掛かりとなり得るとの見解を示した。

 また、地域諸国への支援の取り組みにも触れ、日本が特に海洋分野での能力強化のための支援を継続していくと指摘した。この支援には、今後3年間、少なくとも20カ国において、巡視船、法執行能力、無人航空機、800名の訓練などを提供する。

 日本、オーストラリア、インド、米国で構成されるいわゆるクアッドグループを通じ提供される支援の金額は、30億ドルに上ると推定される。日本は航空機やスペアパーツの形でフィリピンを支援した実績がある。

 首相は、今後予定されているその他支援策として、地域全体で1,500名への法の支配と統治に関する訓練が含まれると述べた。

 岸田首相はロシアによるウクライナ侵攻は「他人事」にあらずと警告し、国際秩序の根幹を揺るがすものだと述べた。

 国際法があっても、他国の平和と安全を踏みにじる事態が、この地域の近隣でも起こることを覚悟すべき、と述べた。

 岸田首相は、核兵器の配備と潜在的な使用に対する反対と懸念も基調講演で大きく取り上げた。第二次世界大戦中、米国は広島と長崎に核兵器二発を投下した。

 岸田首相は「核兵器のない世界を目指す」と各国に呼びかけ、核攻撃の脅威を与え続けるロシアや北朝鮮を批判した。ロシアがウクライナに侵攻した直後の2月下旬、クレムリンは核部隊に厳戒態勢を敷いた。

 あわえて、世界の核保有国に対し、保有する兵器の申告を求め、核軍縮と軍備管理をめぐる米中の二国間対話を促した。■

 

Japan to continue increasing defense spending over next five years

By Mike Yeo

 Jun 11, 01:37 AM

 

 

About Mike Yeo

Mike Yeo is the Asia correspondent for Defense News. He wrote his first defense-related magazine article in 1998 before pursuing an aerospace engineering degree at the Royal Melbourne Institute of Technology in Australia. Following a stint in engineering, he became a freelance defense reporter in 2013 and has written for several media outlets.


コメントシャングリラ対話での岸田スピーチは国内メディアが積極的に取り上げていないようで、内容も上の記事の5年間連続増額ではなく5年後に、となっているものさえある有様です。防衛費増額では整備費用、部品調達、弾薬調達を増やす絶好の機会なので、財務省の壁を突破し、本当に必要な防衛力の実現につなげてもらいたいものです。


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