スキップしてメイン コンテンツに移動

ロシアの「クラウドファンディング」で調達した品々があまりにも異様....一方、ウクライナには隣国から無人機寄贈の動き

A picture showing an odd array of commercial hardware reportedly recently donated to a Russian combat aviation unit.

 

 

ウクライナで戦闘にあたるロシア空軍部隊に興味深い品々が届いた....

 

クライナ紛争に参加するロシア戦闘航空部隊が、クラウドファンディング・キャンペーンで受領したと見られる、ごくありふれた品々の写真がネット上に掲載されている。

 

 

 画像には、電動工具、レンチ、延長コード、斧や草刈り機など、ホームセンターで買える品物が雑多に集められているのがわかる。Su-34フルバック戦闘機を装備するロシア空軍飛行隊は、爆弾やその他の兵器を移動させるために、中国製のハンチャブランドの業務用フォークリフト2台受け取ったとあるが、第一線部隊で需要が高いとは考えにくいものだ。

 現在、ウクライナ紛争で双方の支持者が、それぞれの作戦活動を支援するため各種アイテムを購入する資金の調達手段として、クラウドファンディングを積極的に利用している。リトアニアでは、トルコ製の武装ドローン「TB2」をウクライナ軍に購入するため約600万ユーロ(約640万ドル)の資金が集った。その後、メーカーのバイラクターは、同型無人機1機をリトアニア政府経由で、ウクライナ軍に譲渡した。調達できた総額のうち150万ユーロを無人機の装備に充て、残りは人道支援物資の購入に充てるとある。

 ロシア地上部隊多数が恐ろしく準備不足のまま紛争に突入した。ロシアの市民は無線装置や暗視光学機器、医療品や食料品など、比較的シンプルだが重要なアイテムを現地部隊に送り続けている。監視偵察で双方で大きな効果を上げる小型無人機も、ロシア軍向けに定期的にクラウドソーシングされている。

 ロシア軍全体の状況や、こうした装備がどの程度役に立っているのかについては、非常に合理的な疑問が投げかけられている。例えば、暗号化されていない市販無線機による通信は、傍受や位置特定に脆弱と判明しており、ウクライナ軍が有用な情報を収集したり、敵部隊をターゲットにしている。

 クラウドファンディング・キャンペーンが、ホームセンターでの買い物用の資金調達に使われているのなら、ロシア軍全体の状態についての議論が今以上に活発になる可能性があるだけだ。

 最近の写真ではっきりわかるのは、軍需品運搬車になったフォークリフトだ。米軍などでは、空軍基地やその他の施設内で武器やその他の機器を移動させるため商用タイプのフォークリフトも採用しているが、通常は軍需品を直接航空機に搭載する作業には使用されていない。クラウドファンディングで製作されたロシアのフォークリフトの写真では、武装を待つ航空機の周囲の滑走路に並んでいる爆弾を、弾薬処理カートに移すために使用されていることが示されている。

 とはいえ、最前線のロシア戦闘航空部隊の一つとはいえ、航空機の再武装に基本的な装備が必要になっているらしい姿は、何かを物語っている。もし、他の写真に写っているものが、全く一般的な道具も含めて、本当にロシアの戦闘航空隊で重要な必需品ならば、ロシア装備が充実しているか疑いを招くだけだ。

 もちろん、、クラウドソーシングで集められた資金と、ロシア部隊が実際に求めているものとの間に、食い違いが生じている可能性もある。ロシア航空隊が、現在の戦闘で必要品のリスト上位に草刈り機を入れているとは考えにくいが、飛行場整備は重点的に取り組みたい分野なのかもしれない。ロシアの軍用飛行場は、西側諸国の飛行場と比較して質素なことで知られている。

 また、これらの写真は、国家の義務感から、あるいはプロパガンダの一環として命じられた各企業が、手持ちの商品をそのまま寄贈した可能性もある。例えば、画像の中にあるカーバーブランドの除草機(ストリングトリマーやトリマーとも呼ばれる園芸用具)は、ウラルプチンストゥルメントというロシアの会社が製造したものだ。

 どのような説明であれ、最近の写真に写っている商品は、奇妙なほど無作為に選ばれているように感じられます。仮に、クラウドファンディングで寄付されたものでなく、一般的な宣伝であったとしても、規模や範囲において、印象的であるとは思えない。

 さらに、ありふれた商品を本当に必要としているのか、あるいはほとんど無価値の寄付を受け取っているのか、いずれにせよロシア軍のイメージはよくならない。ロシア軍は3ヶ月間ウクライナで前進できなかったため、強力な軍隊との国際イメージが大きく損なわれてしまった。■

 

'Crowdfunded' Aid For Russian Jet Squadron Looks Like Someone Raided A Home Depott

 

BYJOSEPH TREVITHICKJUN 7, 2022 12:18 PM

THE WAR ZONE

 

コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...