2022年6月17日、中国・上海で「空母福建」(通称:003型)が進水した。米海軍のニミッツ級やフォード級に匹敵する大きさの空母だ。
外洋海軍整備をねらう中国の野望で、航空母艦はますます重要になっている。新空母、003型が進水した。米海軍フォード級、ニミッツ級超大型空母に近い大きさだ。米国以外の国でこれに匹敵する空母は世界初だ。
オープンソースインテリジェンス(OSINT)によると、「福建」Fujianと命名された同空母は、6月17日に上海で進水した。Naval Newsは進水前からその建造を追い、建造進展の兆候を観測してきた。
中国が最初の空母を就役させて10年、003型「福建」は中国海軍の能力をさらに拡大し、成熟させる。太平洋で、全世界で活動する、真の外洋海軍へ進化する一歩となる。
衛星画像に写る、進水式のため艦に書かれたスローガンには、「強く、近代的な海軍を構築し、強い軍隊という中国の夢の実現に強力なサポートを提供する」とある。新時代に合致した軍の強化という党の目標を実現し、人民軍を全方位的に世界的な軍隊に作り上げることをめざしている。
003型は、アメリカ海軍のニミッツ級やフォード級に匹敵する大きさで、設計面で多く類似点がある。中国海軍の最初の2隻はソ連技術で建造され、今回の空母は進化したものとなる。
1隻目の001型遼寧 Liáoníng(CV-16)は、旧クズネツォフ級空母Varyagである。未完成だった同艦は1998年にスクラップとして中国に売却され、完成され2012年に中国での運用を開始した。2隻目の空母002型 山東(CV-17)は現地建造された。1番艦から小さな改良が多数あるとはいえ総合的に同等の艦だ。
003型で最も目につく違いは、スキージャンプからカタパルトに変更されたことだ。旧型艦は飛行甲板前部のランプから自力で航空機を発進させていた。003型は米海軍の空母と同じようにカタパルト3基を持つ。
21世紀への飛躍
中国の設計者は、他国が何十年にもわたって行ってきた研究開発の成果を、後発国として享受している。この新型空母は、中間段階の進化を省き、最新の考え方を一気に多数取り入れている。
米海軍のフォード級空母と同様、カタパルトにEMALS(電磁式航空機発射システム)が採用される。蒸気の代わりに電気を使用するもので、同システムは、場所を取らず、より高速に航空機を発進させるはずだ。
中国海軍を過小評価すべきではない。空母をすでに10年間運用しており、訓練、手順、インフラを整備してきた。
ここ数カ月、空母「遼寧」が西太平洋の外洋で運用されていた。日本の防衛当局者は、延べ100回以上の航空機発艦が行われたと指摘している。これは、かなりの作戦テンポで、空母運用に自信と信頼が高まっていることを示している。
同時に中国は、空母用インフラを整備している。南シナ海の海南省三亜Sanyaと楡林Yulinの両海軍基地は拡張された。空母を収容できる巨大な乾ドックが新たに建設された。また、空母の入港時に航空機を受け入れる、霊水Lingshui 航空基地も整備されている。
成長する中国の海軍力の象徴として
003型空母は、中国で最新かつ最高の空母となる。F-35CライトニングIIに対する中国の回答、最新のJ-35戦闘機を搭載する期待がある。J-35は双発機で、伝統的に海軍の作戦に好まれる特徴を持っている。
新型空母の意義は、従来の空母に対する漸進的な改良にあるのではない。空母3隻を保有することで、中国海軍は戦力投射能力を拡張できる。外洋艦隊として、中国は空母戦闘群をより頻繁に展開できるようになる。また、空母戦闘群複数を状況に応じ投入できるようになる。これが戦術的、戦略的な意味を発揮する可能性がある。
防衛専門家で中国軍に関する複数の著作があるアンドレアス・ルプレヒトは、このような大型空母は米海軍の専売特許だったと指摘する。「新しい能力を探求するための次の大きなステップです。そして、今後数年間、多くの経験を積むことになる。PLANは、運用開始からやっと10年が経過したところであることをよく認識している。米海軍の知識や理解には到底及ばない。しかし、歩こうとする者は、まず這うことから始めなければならない、...003型はそのためにあるのです」。
世界的に空母の能力が向上している。アメリカ海軍は依然として圧倒的リードを保っているが、中国は数と規模の点で2番手につく。しかし、中国は競争に直面する。イギリスはかつて先駆的だった空母運用能力を復活させており、フランスは中国と同レベルの新型空母を建造中だ。
しかし、中国の空母建造は3隻で終わりではないようだ。原子力空母を保有するのはアメリカとフランスだけだが、国防アナリストは、003型に続く中国の原子力空母に注目している。■
China Launches First Aircraft Carrier Which Rivals US Navy's - Naval News
H I Sutton 17 Jun 2022
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Posted by : H I Sutton
H I Sutton writes about the secretive and under-reported submarines, seeking out unusual and interesting vessels and technologies involved in fighting beneath the waves. Submarines, capabilities, naval special forces underwater vehicles and the changing world of underwater warfare and seabed warfare. To do this he combines the latest Open Source Intelligence (OSINT) with the traditional art and science of defense analysis. He occasionally writes non-fiction books on these topics and draws analysis-based illustrations to bring the subject to life. In addition, H I Sutton is a naval history buff and data geek. His personal website about these topics is Covert Shores (www.hisutton.com)
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