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ロシア軍地上部隊に命令不服従、反乱の動き。過ちを直さない体質、現地指揮官に権限を与えず、これでは戦闘に勝てっこない

 

ウクライナで瀬戸際に立つロシア軍

2月24日のウクライナ侵攻開始以来、ロシア軍は打撃を受けている。さらにロシア軍は、士気の低下、補給問題、小部隊レベルでの指揮統制の欠如に悩まされてきた。

しかし、問題はさらに悪化している。死傷者が増え続ける中、一部ロシア兵は指揮官の命令を拒否している。

火曜日、ウクライナ保安局は、ロシア人兵士が妻と携帯電話で話したとする音声記録をソーシャルメディアに掲載した。録音では、ロシア人兵士は、ロシア軍が戦闘拒否をめぐって互いに武器を向け合う緊迫した状態に直面し、兵士が将軍の命令に従わず、将軍を撃ち殺しそうになったと述べている。

ロシアの第36軍司令官ヴァレリー・ソロドチュク将軍 Valeriy Solodchukは、大隊600人で残る215人にドンバスの戦闘に戻るよう命令していた。兵士は妻に、ほぼ全部隊が命令を拒否したと語った。

激怒したソロドチュク将軍はピストルを振り回し撃ち始め、部隊に「行かないのなら撃つぞ!」と言い放った。

「すると、若者が、『撃てるんだったら撃ってみな』と言った。ファック、そいつは手榴弾を取り出し、ピンを抜き、こう言った、『さあ、撃ってくれ。一緒に吹っ飛ぼうぜ』って。それでおしまい。特殊部隊の連中も俺たちに銃を向け始めた。だから、こっちも銃を向けたんだ」。

「撃ち合いそうになったんだ。将軍はボビック(ロシア版ジープ)で出て行ったよ」。

将軍が去った後、部隊が彼の命令に従ったかどうかは不明である。

英国防省、ロシア軍で反乱兵が増加中と発表

英国国防省は、ロシア人兵士の音声記録は例外的な事件ではないとみている。ロシア人将校が戦闘効果をさらに制限する重大な問題に直面しているという。

「ウクライナのロシア軍内部で局地的ながら反乱が起きているという信頼に足る報告が複数あり、経験豊富かつ信頼できる小隊中隊の指揮官が不足しているため、士気がさらに低下し、規律の悪さが続いている」と、英国国防省はツイッターに投稿した。

旅団・大隊の指揮官は、部隊の戦果に妥協のない責任を負わされおり、危険な場所に前方展開する可能性が高い、という。

「同様に、下士官も最下層で戦術行動を指揮しなければならない。西側諸国の軍隊でその役割を果たす、高度な訓練を受け権限を与えられた下士官(NCO)幹部が軍にはいないためだ」。

「ウクライナで生き残り部隊から再建中の大隊戦術群(BTG)は、下級指導者の不足のため、さらに効果を上げられない可能性が高い」と、国防省は投稿で述べた。

1週間ほど前には、ウクライナへの復帰を拒否した国家警備隊員115名が解雇された。欧米がロシアに課している経済制裁が、影響している可能性があるようだ。ルーブルの為替レートが下ったため、2月から国家警備隊員の4月給与は通常の約半分になっていた。

ロシア軍の戦術エラーが止まらない

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって100日、ロシア軍は数え切れないほどの戦略的・戦術的ミスを犯してきた。そして、これらの間違いから学び、作戦を変えるどころか、多くの間違いがそのまま続いており、その結果、戦場での成功が制限され、死傷者がより多く発生している。

ドンバスの産業中心地で前進を続けても、大隊戦術群の死傷率は平均20%と驚異的な数字のままだ。ペンタゴンの推定では、ロシア軍の戦車の損失は1,000両以上とある。旧式のT-62が投入されているのはそのためかもしれない。

戦争は数日で終わるという過信で、クレムリンがモスクワから戦争を仕切る間違いを犯した。血みどろの戦闘がその戦略の誤りを示したが、ロシアは何も変更しなかった。プーチン大統領は、アレクサンドル・V・ドボルニコフ大将Gen. Aleksandr V. Dvornikovに停滞中の侵攻作戦を引き継がせた。

ドボルニコフは、シリア内戦で民間人や民間インフラを標的にしたことで知られている。同じ戦術がウクライナ全土で前面に出てきている。この数週間、その姿が見えないため、ドボルニコフもクビになったのではないかという憶測が広がっている。

ロシア空軍がリスクを回避するために空爆をロシア領空から行い、基地に戻っていることが主な原因でドボルニコフの空爆と地上攻撃を調整する試みは限定的な成功しか収めていない。数でも技術でも圧倒的に優位にあるとされるロシアは、いまだに制空権を獲得できていない。

何度も指摘したように、米国をはじめとする西側諸国の基幹をなすプロの下士官が不足していることが、ロシア侵攻を制約している。欧米の下士官や下級将校は、現場判断ができる。ロシア軍は命令に厳格に従わなねばならず、欧米なら下級指揮官が担当する攻撃を大隊や旅団の指揮官が指揮しなければならない。

ウクライナ軍も多大な犠牲者を出しているが、欧米の戦術や指導体制を取り入れた結果、能力を十分に発揮している。ロシア軍はドンバス東部で前進を続けているが、米国防総省はこれを「ゆっくり漸進中」と評している。■

Putin's Nightmare: Could Parts of the Russian Military Mutiny? - 19FortyFive

BySteve Balestrieri

Steve Balestrieri is a 1945 National Security Columnist. He has served as a US Army Special Forces NCO and Warrant Officer before injuries forced his early separation. In addition to writing for 19fortyfive.com and other military news organizations, he has covered the NFL for PatsFans.com for over 10 years. His work was regularly featured in the Millbury-Sutton Chronicle and Grafton News newspapers in Massachusetts


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