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ステルス技術に対抗するロシアの防空装備充実に注意が必要



Fighters, Missiles For Countering Stealth

aviationweek.com Mar 23, 2012

2010年代以降をにらんだロシアの技術戦略思想を体現した新型航空機、防空兵器の試作型ないし初期生産製品が出現してきた。
  1. 各 く国が兵器体系の開発戦略を実際の状況に応じて打ち出している中、ロシアの国防計画は系統だっており一貫した姿勢が見られる点で一線を画している。米国の 軍事力に対称的に対抗する一方、米国のもつ弱点には非対称的に対応する意図が見られる。ロシアの戦略上の狙いはロシアの政治的主導力を米国が支配的な立場 にとる世界の中で実現することであり、武器輸出で得る収入で国防力整備の制約条件を和らげることにある。
  2. ロシアの選択はF-35共用打撃戦闘機中心とする西側の構想に呼応した戦術防空体制を構築することにある。JSFの配備遅延によりロシアには対応準備で20年以上の時間的余裕が手に入った。
  3. 航空機ではロシアの防空計画は機数ではなく性能を重視し、将来の主力は30トン超の戦闘攻撃機をスホイ製とする。Su-27フランカーから2つの型式が進化する。より小型のMiG-25/35は輸出専用とする。
  4. こ のうちSu-34打撃戦闘機兼中型爆撃機が一番完成度が高い。生産型のSu-34の最初の6機がリペツクの戦術開発部隊に納入されており、今後10機が追 加される。その他92機の発注が3月に発表されており、2020年までに納入される。同機の開発は1980年代末から始まっており、今後Su-24フェン サーの後継機種として、陸上・洋上攻撃任務、航空制圧・敵防空網打撃他のミッションに従事する。
  5. Su- 35S航空優勢戦闘機の飛行テストが1月に始まっている。同機はフランカーを大幅に改良した機体であり、推力ベクトル制御をヨー、ピッチ、ロールで行い、 完全な飛行制御を行う。これによりSu-30MKIで採用されたカナード翼が不要となったことで、従来の速度制限マッハ1.8がなくなり、重量を軽減した 結果燃料をそれだけ多く搭載する。戦闘機としては異例の操縦性を実現し、飛行制御・推力制御を統合したことが大きな特徴だ。.
  6. 搭 載する117Sエンジンは従来より16%出力増であるが、素材の変更と設計変更で重量は従来型にほぼ同じ水準だ。レーダ断面積(RCS)は減り、新型エイ ビオニクス装置に広角視野レーダーwide-field-of-regard radarがあり、電子スキャンアレイと機械式ジャイロgimbalを組み合わせて作動させる。
  7. Su- 35Sはは敵の防空ミサイルの有効射程を減らすことを目標とする。RCSが減ったこととジャミングによりミサイルの性能を減らす敏捷性が得られる。レー ダーにより状況把握が可能となり、退避行動が有効になる。米空軍の高性能中距離空対空ミサイルの弱点を研究してMBDAメテオの開発につながる対抗措置が 考案されている。
  8. 飛 行テストの写真ビデオからは三番目のスホイ戦闘機T-50の革新的な性能がうかがわれる。同機の試作機3号機の初飛行は昨年11月に実施されている。同機 も推力ベクトル制御を備え、双発のエンジンは大きく間隔を与えられた配列になっており、ノズルは30度の可動範囲があり、ピッチ・ロール・ヨー制御が可能 である。垂直尾翼は小さいが全体が可動式だ。はたしてこれら試作機は最終生産の形状なのだろうか。現状の丸いノズルと後部ナセルのカーブはステルス性能上 最適形状ではないし、エンジンは空気取り入れ口で完全にマスクがされていないのだが。
  9. Su- 35SとT-50開発は相互に関連しており、Su-35Sで採用した大型コックピットディスプレイや統合飛行・推力制御の知見はT-50開発陣にも参考に なる。サターン117SエンジンがSu-35Sで採用されているが、T-50搭載の117エンジンはこの発展形である。.
  10. 更 に非対称戦略を取るロシアの将来の空軍力開発では低視認性目標対応counter very-low-observable (CVLO) レーダー技術、長距離高速度地対空ミサイルの開発が重視されており、これを補うのが新世代の短距離地点防衛兵器で接近する誘導兵器を破壊するものだ。想定 している敵のミサイルは対放射線ミサイル、巡航ミサイル、誘導爆弾としている。これらの敵兵器の想定は高度の機動性であり、発射から到達まで5分間しか余 裕が無いと見られる誘導兵器への対抗だ。
  11. ロシアのCVLOレーダーの特徴は波長1メートルのVHFを使うことだ。ステルス戦闘機はVHFには有効ではない。それは垂直尾翼や翼端部分の寸法がこのレーダー波長に近いためだ。レーダー波吸収処理はS-バンド以上のレーダーには有効だがVHFには役立たない。
  12. こ のうち主力となるのがNNIRT/Almaz-Antey製の55Zh6MネボMの3-Dレーダーシステムで100基が発注されており、ロシア防空軍に配 備される。このネボMは多バンド設計となっているのが特徴で、レーダーを三基とデータ統合指揮所を組み合わせており、24トン8輪駆動車数台に分けて運搬 可能だ。
  13. 三 基のレーダーはRLM-M VHFバンド、,RLM-D Lバンド、RLM-S C/X-バンドであり、それぞれ追跡データを指揮命令車に送り、データとして統合される。これは米海軍のシステムと類似しており、高速度ナロービームのデ ジタルデータリンクをマイクロ波バンドで実現するものだ。各レーダーは半導体AESA(アクティブ電子スキャンアレイ)を採用。このネボMではRLM-M バンドでステルス機を補足し、RLM-Dと-Sバンドにより正確な追尾データを確保し、VLO目標が従来型のレーダーでは捕捉できない問題を克服する。有 効捕捉距離は公表されていないが、RLM-Mでは初期のネボ-SVUより最低でも40%長いと見られる。
  14. CVLO レーダー開発は移動型長距離SAMの高速度と対応時間の迅速化の追求と並行している。その狙いは2つだ。敵の情報収集・監視・偵察や電子攻撃機のスタンド オフ活動や領空侵入を出来なくすることと、探知可能範囲にいる間に敵のステルス機を近距離からSAMで狙うことだ。
  15. ロ シアの今後の統合防空システムの構成はS-400トリンフ(SA-21グラウラー)戦略級SAM、S-500トリムファターM、またはSA-X-NN  SAMミサイル防空防空システムとなるだろう。このうちS-400はドゥブロフカ、エlレクトロスタル(モスクワ近郊)、ウラジオストックの各防空部隊に 配備されている。
  16. S-400はS-300PMU2(SA-20Bガーゴイル)の発展形で、X-バンド交戦レーダーを搭載する。同時並行開発で陸軍防空部隊にはS-300V4改修型ミサイルが配備されている。
  17. さらに今後の予定ではS-500がSAM部隊に加わる。現在は開発中で情報が少ないが、公表資料空推察すると9M82Mミサイルがその原型となっているようで、射程500から600キロメートルで弾道ミサイル迎撃モードもある模様。

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