指向性エネルギー兵器に注目が集まる

Study Highlights Importance Of Directed-Energy Weapons

aviationweek.com April 20 , 2012

米国は指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロウェーブの配備に向けた予算配分を真剣に考える必要があるとの提言が出た。その主張では単に指向性エネルギー兵器の経済性だけがその理由ではないとする。
  1. 迎 撃ミサイル発射のコストは一回9百万ドルとされ、高価であるばかりか米国の軍事装備配備を偏った内容にしかねないと主張するのはマーク・グンジンガー Mark Gunzinger(戦略・予算分析センターCenter for Strategic and Budgetary Analysis)の最新の論文内容だ。
  2. 同 論文は4月19日に公表され、その中でグンジンガーは敵が米軍に対して安価なミサイルを波状発射するシナリオを想定した。指向性エネルギー兵器(DE)が ないと、米軍司令官は敵ミサイルに毎回高価なSM-3やSM-6の発射を迫られ、コストは高くなるが敵は米軍に高負担をさせるのにわずかな出費ですんでし まう。.
  3. DE 兵器には多くの利点があるという。DEを組み込んだ巡航ミサイルやUAVなら20もの目標上空を飛行してそのすべてに発射ができる。その後UAVなら帰還 し、再充電すれば戦闘空域に戻ることが可能だ。DDG-51アーレイ・バーク級駆逐艦なら艦上で電力を供給して高密度レーザー兵器を運用できる。DE兵器 により米軍には「行動の自由を復活し、コストによる制約から解放される」とグンジンガーは主張する。
  4. 実 際にはDE兵器の前線配備には解決すべき問題があるが、技術は成熟度を高めていると同論文は指摘する。最大の障害は予算と組織内の抵抗感だという。「太平 洋地区の各基地すべてを分厚いコンクリートで防御するのは不可能」とし、高精度ミサイルから誘導ロケット、火砲、迫撃砲と多種にわたる脅威に運動性兵器で すべて対応するだけの予算はないという。
  5. そこでDE兵器による防衛は兵站上でも有利だという。空中給油機に装備すれば戦闘空域の中まで前進することが可能となり、戦術戦闘機の有効飛行範囲がそれだけひろがる。
  6. た だ指向性エネルギーはそれだけで完結する体系ではないと同論文は強調する。つまり、既存の運動性エネルギー兵器をそのまま取って代わることはできない。敵 ロケットのセンサー部分を焼ききったとしても、あるいは通信リンクを使用不能にしたり、推進部を溶かしたとしても、前線司令官には運動性兵器を投入して敵 ミサイルを粉砕する必要が生じるだろうとする。
  7. グ ンジンガーは大型空中赤外線通信システムで使われる技術をさらに発展させることを主張する。つまり、敵の誘導兵器に対しマルチモードのシーカーで防御する のだという。この構想は低速大型機であるC-17の例では着陸接近時の機体防御に役立つ。空中発射レーザー兵器の開発中止は技術初期段階であまりに大きな 目標をもとめたためだとし、論文では丘をのぼりきったことがないのにエベレスト山をいきなり制覇しようとしたものだとしている。
  8. こ の論文の準備段階で著者は関連各計画の責任者と意見交換をしているが、ほとんどすべての計画で予算が不足していることを発見したという。研究開発の維持に は予算の追加が必要だと訴えている。それに対してはした金の20百万ドルが回答されたという。また驚くべきはこの状況は今年だけでなくかれこれ5年間変わ らないという。


この記事に対する読者の反応

1:42 AM on 4/23/2012
記事内容には賛同しかねる

1. 有効範囲
1.1 海上あるいは地上から発射されたレーザーは極めて短時間で分散してしまう。これに対し高高度で発射されたレーザーはそうではない。これは大気密度の差によるもの。
1.2 SM-3では有効射程範囲があるが、レーザーでは補強された弾頭部を目標到達前に破壊することができない。
2. 米海軍はすでに1969年から1999年にかけて艦載レーザー兵器の研究をしているが、実用化出来る見込みなしとしてこれを廃棄している。

3. コスト
小型ミサイルであるジャベリンやアイアンドームは製造単価5万ドルほどであり、ミーティエアは50万ドル、SM-3では百万ドルを超えることはない。Report Abuse

Bosega, David naole

7:54 AM on 4/23/2012
海 軍が配備している運動性エネルギー兵器としての現在のミサイルはより高性能の運動性兵器としてレイルガンに取って代わられようとしている。レイルガンで発 射された兵器をミサイルや指向性エネルギー兵器で迎撃することは不可能。そこで戦艦の時代が再度やってきつつある。新世代の強力な装甲を施した軍艦にレイ ルガンやDE兵器、対艦ミサイル、無人潜水艇を搭載するのである。

Bosega, David naole

6:02 PM on 4/23/2012
@Bismarck

海 軍が計画中のDDG1000は現代版戦艦というべきもので、レイルガン、DE兵器他の搭載で運用概念が変わるだろう。SM-3でICBMを迎撃するのは本 当は不可能な話で、それだけに同ミサイルに全てを期待するのは無理。DE兵器のよいところは敵目標撃破のチャンスをふやしてくれることで、DEで失敗すれ ばSM-3で狙えばよい。

「指 向性エネルギー兵器が補完的」というのは多目標ビーム収束技術が成熟して適正な機体に搭載すれば有効な兵器になると思う。レイルガンとDE兵器で艦艇は戦 艦に近い存在になる。レイルガンを2-4基搭載すればそこから発射する兵器には対抗できる防御ミサイルは存在しない。レイルガンにはDE兵器しか事実上対 抗手段はないことになるだろう。

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