What ASB Is-And Is Not
aviationweek.com June 01, 2012
米 海軍トップ、グリナート作戦部長Adm. Jonathan Greenertが海軍は空軍の新型爆撃機開発計画を支援すべきだと寄稿している。これは米空軍のシュワーツ参謀総長Gen. Norton Schwartzが海軍の原子力攻撃潜水艦部隊増強の支援を表明したことに呼応している。
- エアシーバトル(ASB)は構想形成に長時間がかかったが、ついに海軍、空軍の上層部から支持をとりつけたのであり、反対派には都合が悪くなったということだ。
- だ がステルス艦船事例からの教訓がある。計画をだめにしてしまうのは設計の不備ではなく従来型のブリッジやデッキのロッカーを造船所で取り付けてしまいせっ かく声紋を消そうと設計者が努力しても帳消しにしてしまうためだ。同じようにワシントンで最善策を考えついても他の者がありとあらゆる思いつきを加えてダ メにしてしまう事例が多い。そこでASBではこうならないようにすることが肝要だ。
- 中 国だけが対象の構想ではない。ねらいは反接近・侵入拒否anti-access/area denial (A2/AD)戦略への対抗であり、同戦略をとる国すべてが対象だ。たしかに中国が基準となるのは同国がA2/ADを実現するためのハードウェアに世界の いかなる国を上回る規模の予算を投じているからだ。J-20ステルス戦闘機もその大きさと形状から見てねらいは空中情報収集・監視・偵察にあるのではない か。
- 中国封じ込めは不可能と誰でも理解できるはずだ。または中国包囲も現実的ではない。内向き志向の大国が近隣国を心配にさせるのは当然で、そうなると近隣国同士が連携を測ることは必至だ。
- またASBは陸軍、海兵隊の縮小構想でもない。反対に海軍と空軍ができない仕事は長く脆弱な兵站補給線を考えると陸上部隊にも実施は不可能だ。
- ASBの一部として「占拠・確保」戦術が可能かも知れないが、ASBのシナリオすべてに重装備の陸上戦闘部隊を含めよとの主張が出てくるリスクは避けるべきだ。
- ASB は大規模新規開発計画を正当化するものであってもならない。ASB構想の最上部には「海軍と空軍は共同作戦が実施できるのか」という命題があり、新しい紛 争危機が発生するたびに運用構想を作るのではなく、日常的な共同運用を積み重ねていくことが求められているのである。
- そ の下に来るのが情報収集であり、海軍と空軍はステルスで共同作業をつづけており、送信をできるだけ少なく、頻度を下げようとしている一方、データ量の増加 が避けられないが、これを敵がジャミングを行う環境で実現する必要があるのだ。ここではハードウェアから考えるのではなく、傍受をさけるためにいかにして 最小限の発信で可能な共通言語を構想するかが出発点だ。
- ASB を進めると既存計画で統合が発生することになろう。たとえば、海軍は戦術空対地兵器の開発でリードしているが、空軍は航空戦ミサイル各種の統括制御をめざ している。同じ事はISR分野でも可能だ。一つの試金石は海軍の高性能空中センサーを空軍が受け入れることができるかで、P-8Aポセイドンを空軍のE- 8Cジョイントスターズの後継機として導入できるかだ。
- そしてASBは海軍と空軍だけを残す選択肢ではない。各軍上層部が自らの部下を説得し、ASBがいかに現実的かつ将来を見越しているかを力説するのが最初にして最大に困難な任務になろう。そこが出来れば残りは比較的容易だ。
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