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X-51Aスクラムジェット初飛行に成功

X-51A Team Eyes Results Of Scramjet Flight
aviationweek.com Jun 1, 2010

  1. X-51Aウェイブライダーが空気取り入れ式スクラムジェットエンジンとしては最長時間の飛 行を達成した。同機の開発チームは極超音速機開発の継続予算の承認を期待している。
  2. X-51Aは5月26日太平洋上空でスクラム ジェットの点火に成功し加速に入った。ただしエンジンの燃焼は200秒にとどまり、計画上の300秒には届かなかった。マッハ5に達したが、計画ではマッ ハ6を目指していた。その後減速を開始すると遠隔測定データが消え、飛行は終了し、機体は破壊された。以上は米空軍研究所(AFRL)のチャールス・ブリ ンク開発主査による発表。
  3. 同主査によると今回の飛行実験は95%成功したという。加速が遅れ、燃焼時間が短くなった原因はまだ不明。 実験機はまだ3機残っているが、次回の飛行実験の日程は未定。今回の飛行実験で予算を大部分使ってしまったのがその理由だという。今回の成功結果で予算が 計上され、来年の飛行再開に関係者は期待を寄せている。
  4. 高度50千フィート速度マッハ0.8で母機B-52から投下されて飛行が開始 された。機体はきれいに分離されブースターに予定通り点火成功し、マッハ4.8に加速したところで、巡航部分が分離され、予定通りのロール飛行を実施し た。
  5. マッハ4.7に到達した時点でエチレンがスクラムジェットを点火したあと、JP-7炭化水素燃料に切り替わった。X- 51Aはその後加速を続けたが、予定よりもその伸びは遅く、当初想定の0.22gではなく0.15gにとどまった。
  6. マッ ハ5近辺で減速を開始。遠隔測定データが消えた段階で、実験スタッフは機体を破壊して飛行終了することを決定。
  7. 今 回の飛行は炭化水素燃料による初のスクラムジェット運転となった。燃料は実際はエンジンの冷却に使用されて、超音速飛行で使われたのはエンジンの熱そのも のである。今回の飛行で実証された熱均衡状態によりエンジンは燃料がある限り作動を続けることが実証された。
  8. NASA のスクラムジェット機X-43Aはマッハ9.7を2004年に達成しているが、同機は水素燃料で銅製ヒートシンク付エンジンはわずか10秒作動させて溶解 している。
  9. X-51Aのエンジンメーカー、プラットアンドホイットニー・ロケットダインはエンジンの作動結果は 成功と見ている。エチレン点火からJP-7への切り替え、その後JP-7だけを燃料して200秒の連続運転ができたからだ。機体が破壊された段階で燃料は 残量があった。
  10. 飛行制御プログラムも完璧な作動を示したが、機体は全方位で不安定な状態で、今後の解決が期待さ れる。可能性としてはアクチュエーターの不良か、機体表面のシール、あるいは低マッハ速度でのドラッグの計算エラーがある。
  11. 次 の段階に移れるかは予算確保次第だ。今回の初回飛行がおおむね成功したので二号機のテストも道が開けた。ボーイングがソフトウェア改修を提案しており、位 置情報による誘導飛行の実証を目指している。成功すると、この技術を長距離攻撃ミサイルに応用することが可能となる。■

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