Carter: Healthy JSF Worth Slip In Production
aviationweek.com Dec 22, 2010
1. ペンタゴンはF-35共用打撃戦闘機の生産をあえて減速させてでも開発中に浮上した問題点解決に注力する構え、と調達を統括する国防次官アシュトン・カーターが発言している。
2. 「システム設計・開発がうまく行けば生産コストは最終的には下がる。その意味で本格生産が若干遅れてでもその価値は出てくる」と本誌取材に答えた。
3. 同機開発では今年2月の段階で13ヶ月の遅れが発生しているが、ペンタゴンはさらに遅延を容認する検討をしている。その方針は最も早くて2月に発表されるだろう。2012年度予算原案を議会に提出するタイミング。
4. カーターは遅延が拡大しても海外発注者には大きな影響がないだろうと見る。「生産ピッチは拡大して受注分の生産予定を実現できるだろうし、日程も期待に答える事ができるはずと見ている」 同機の海外向け引渡しの開始は2014年とみられているが、ペンタゴンが同機開発体制を再構築し、追加開発業務をするとこれも先送りの可能性がある。共同開発に八カ国が調印している他に、シンガポールと日本がイスラエルの例にならいロッキード・マーティンより直接調達を希望している。
5. ペンタゴンの見方とは逆に初期生産を圧縮して実施する計画はロッキード・マーティンには国際商戦でボーイング F/A-18E/F 、サーブグリペン、ユーロファイターとしのぎ合う中で大きな意味が出てくる。同社関係者も開発と同時並行で生産をして相当数の生産規模を実現し一機あたり費用を迅速に低下させる効果があると強調する。これに対し、ペンタゴンの立場は生産後の追加改修作業の防止を重視するもの。
6. 同機開発体制でハインツ海兵隊少将がゲイツ国防長官により更迭されヴェンレット海軍中将が後任となり開発責任者の階級は昇格している。同中将は総額3,820億ドルの同機開発の全体点検をしている。
7. 点検のうち、技術基本報告は完了しているものの、公表はされていない。この部分がゲイツ長官による今後のF-35開発方針の決定に大きな影響を与えるものになる。「このために計画部門の大幅なテコ入れをしてヴェンレット中将をトップにすえつけた」(カーター)のだという。2010年の開発体制再整備が同機開発の新しい方向の手始めになることを認めている。
8. 「中将にはJSF開発の管理体制の根本を点検することをお願いした。その理由として昨年は同機開発の現場を把握するのに使ったコスト分析がわずか数例しかなかったことがある。長官とともに基礎技術報告を通じてはじめてJSFの正確な管理実態が全容がわかった気がする」
9. ロッキード・マーティンは固定価格・奨励金つき・小規模初期生産ロットIV(LRIP IV)契約をペンタゴンと取り交わしているがカーターは「一歩前進だが、このあとに多くの段階が控えている」とし、費用の管理抑制に意欲を示す。同契約によりF-35各型の価格(エンジン除く)は以下のとおりとなる。通常型離着陸(CTOL)は111.6億ドル。短距離離陸垂直着陸(Stovl)は109.4億ドル、空母運用型(CVs)が142.9億ドル。これによると Stovlが一見最も低価格だが、エンジン価格が一番高い。また、予定数もStovlが17機、CTOL11機に対し、CVは4機と最も少ない。
コメント 2010年代後半か2020年代にならないとF-35は実戦配備にならないということですね。しかも価格はどうなるのか、生産数は本当に順調に拡大するのか、誰もわからないということでしょうか。西側世界の防衛に大きな役割を果たす期待の同機がこんなことでいいのでしょうか。防衛部門の航空宇宙技術の運用進化は当面停滞しそうですね。その間は既存機種の改修で時間稼ぎをするしかないのでしょうか。そのなかで本当に日本は同機をFXとして想定していいのでしょうか。(本ブログはそれに否定的) それとも国産技術の開発を真剣にすすめるべきなのか。この数年間の決断が大きな意味をもちそうです。
aviationweek.com Dec 22, 2010
1. ペンタゴンはF-35共用打撃戦闘機の生産をあえて減速させてでも開発中に浮上した問題点解決に注力する構え、と調達を統括する国防次官アシュトン・カーターが発言している。
2. 「システム設計・開発がうまく行けば生産コストは最終的には下がる。その意味で本格生産が若干遅れてでもその価値は出てくる」と本誌取材に答えた。
3. 同機開発では今年2月の段階で13ヶ月の遅れが発生しているが、ペンタゴンはさらに遅延を容認する検討をしている。その方針は最も早くて2月に発表されるだろう。2012年度予算原案を議会に提出するタイミング。
4. カーターは遅延が拡大しても海外発注者には大きな影響がないだろうと見る。「生産ピッチは拡大して受注分の生産予定を実現できるだろうし、日程も期待に答える事ができるはずと見ている」 同機の海外向け引渡しの開始は2014年とみられているが、ペンタゴンが同機開発体制を再構築し、追加開発業務をするとこれも先送りの可能性がある。共同開発に八カ国が調印している他に、シンガポールと日本がイスラエルの例にならいロッキード・マーティンより直接調達を希望している。
5. ペンタゴンの見方とは逆に初期生産を圧縮して実施する計画はロッキード・マーティンには国際商戦でボーイング F/A-18E/F 、サーブグリペン、ユーロファイターとしのぎ合う中で大きな意味が出てくる。同社関係者も開発と同時並行で生産をして相当数の生産規模を実現し一機あたり費用を迅速に低下させる効果があると強調する。これに対し、ペンタゴンの立場は生産後の追加改修作業の防止を重視するもの。
6. 同機開発体制でハインツ海兵隊少将がゲイツ国防長官により更迭されヴェンレット海軍中将が後任となり開発責任者の階級は昇格している。同中将は総額3,820億ドルの同機開発の全体点検をしている。
7. 点検のうち、技術基本報告は完了しているものの、公表はされていない。この部分がゲイツ長官による今後のF-35開発方針の決定に大きな影響を与えるものになる。「このために計画部門の大幅なテコ入れをしてヴェンレット中将をトップにすえつけた」(カーター)のだという。2010年の開発体制再整備が同機開発の新しい方向の手始めになることを認めている。
8. 「中将にはJSF開発の管理体制の根本を点検することをお願いした。その理由として昨年は同機開発の現場を把握するのに使ったコスト分析がわずか数例しかなかったことがある。長官とともに基礎技術報告を通じてはじめてJSFの正確な管理実態が全容がわかった気がする」
9. ロッキード・マーティンは固定価格・奨励金つき・小規模初期生産ロットIV(LRIP IV)契約をペンタゴンと取り交わしているがカーターは「一歩前進だが、このあとに多くの段階が控えている」とし、費用の管理抑制に意欲を示す。同契約によりF-35各型の価格(エンジン除く)は以下のとおりとなる。通常型離着陸(CTOL)は111.6億ドル。短距離離陸垂直着陸(Stovl)は109.4億ドル、空母運用型(CVs)が142.9億ドル。これによると Stovlが一見最も低価格だが、エンジン価格が一番高い。また、予定数もStovlが17機、CTOL11機に対し、CVは4機と最も少ない。
コメント 2010年代後半か2020年代にならないとF-35は実戦配備にならないということですね。しかも価格はどうなるのか、生産数は本当に順調に拡大するのか、誰もわからないということでしょうか。西側世界の防衛に大きな役割を果たす期待の同機がこんなことでいいのでしょうか。防衛部門の航空宇宙技術の運用進化は当面停滞しそうですね。その間は既存機種の改修で時間稼ぎをするしかないのでしょうか。そのなかで本当に日本は同機をFXとして想定していいのでしょうか。(本ブログはそれに否定的) それとも国産技術の開発を真剣にすすめるべきなのか。この数年間の決断が大きな意味をもちそうです。
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