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UAVの世界普及は時間の問題

No Longer Just a U.S. Toy, UAVs Go Global


aviationweek.com July 12, 2012

戦闘の様相に革命をもたらしたUAVが米国で共用されて15年、しかし多数国がUAVの生産、運用を開始しており、グローバルな存在になってきた。
  1. 今のところUAVを本格的に運用しているのは米国初めとする少数の同盟国に限られる。米国製UAVの購入を認められたのは英国、イタリア、トルコだけでその他国の購入要請は不承認となっている。
  2. ただ急速に変化しつつある。米企業ジェネラルアトミックスGeneral Atomicsは非武装型プレデターの海外販を今年中に成約する見込みで、ラテンアメリカ、中東を有望市場と見る。
  3. 同社の国際戦略営業開発責任者クリストファー・エイムズChristopher Ames(退役米海軍少将)は「各国からの引き合いは活発」とファーンボロ航空ショーで語った。
  4. ショーでは同社製品の実際の運用シーンをイラク、アフガニスタン事例、インド洋上での海賊追跡事例で示し、エイムズは運用実績を誇る。
  5. 乗員生命というリスクを減らす他、燃料経費や人件費を大幅に減らすのがUAVの利点と強調している。「同盟側の運用事例で運用効果を目の当たりにしています。現場での実感は営業文句よりも上を行っています。」
  6. ジェ ネラルアトミックス(本社サンディエゴ)はドローン技術開発でパイオニアで、最初にバルカン半島で1990年台に運用している。イスラエルは無人機を重視 しており、模型飛行機愛好会から専門技術者を採用してきた。それを見て米空軍初めとする各国の空軍も最初は懐疑的だったものだ。
  7. だが9.11(2001年)以後の戦闘状況がこれを変えた。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア他で米軍はUAVの投入を増やし、多様な機種を運用。中には地上兵員が運用する超小型機種もあれば24時間滞空できるものもある。
  8. オバマ政権下でアルカイダ要員の殺害に好んで利用される機会が増えており、長距離スパイ活動にも投入されている。
  9. アフガニスタン国内の戦闘状況が下火になることで米国の無人機利用頻度が減ると見られるが、世界規模では逆に増えるというのが業界の見方だ。
  10. これまでのところ米国政府はUAVの海外販売に相当の影響力を行使している。例えば英空軍はアフガニスタンで運用する自軍UAVのパイロットをネバダ州の米空軍基地に駐留させている。これはもう継続不可能と専門家が見ている。
  11. 「あ る程度UAVに関心を持つ空軍部隊なら中程度の継続飛行時間がある無人機に偵察能力に加え武装も検討するでしょう」と話すのはダグラス・バリー Douglas Barrieでロンドンの国際戦略研究所の主任研究員だ。バリーは以前は本誌の報道スタッフ。「機体はステルスか非ステルスかもしれません。UAVの普及 がいまはじまりつつあるのです」
  12. プ レデター、長距離のノースロップ・グラマン製グローバルホークや極秘ステルス機のロッキード・マーティンのセンティネルを運用する米国は他国を引き離して いるのは事実だ。この中でセンティネルはイラン上空のミッション中に墜落し捕獲されている。ただし、米国優位の差は縮まっていく。
  13. 今 年のファーンボロ航空ショーで各国の大手航空機メーカーが自社UAVモデルを展示している。英国のBAEシステムズBAE Systemsは長距離タラニスTaranis ステルスUAVの試作機をホーク練習機と第二次大戦時のスピットファイヤ戦闘機の横で展示していた。
  14. 「めざしているのは次世代に一気に移行することであり、現在運用中の各機を研究することが勉強になります」(BAEで将来の戦闘航空機システムを担当する国際営業開発責任者マーティン・ロウ・ウィルコックス)
  15. イスラエルは自国製非武装型ドローンを多くの国に販売しているが、その他にも参入を狙う国は多い。ロシアのノーボスティ通信によりロシアは国産武装型UAVの初飛行を2014年にも実施する計画があることが明らかになった。
  16. 中国も同様の機体開発に関心を持っていることが明らかになっており、ロシアと中国はともにイランに対して捕獲したセンティネルを入手したいと申し出ている。
  17. 国際的な需要が高まると共に競争も激化することから、米国企業各社はUAV技術普及を遅らせようとする米国政府の方針で商機を逃すと懸念している。
  18. ウィキリークスが暴露した外交公電によるとアラブ首長国連邦やサウジアラビア含む多数国から武装型UAV購入の希望があったが米側から拒否されている。
  19. ミサイル技術管理制度Missile Technology Control Regime (MTCR)は長距離精密兵器体系の拡散を防止するのが目的で、無人機輸出も制約される、というのが米政府の言い分だ。
  20. これに対し業界首脳陣はこれでは米国製UAVは商用衛星生産の事例と同じ運命になると警告している。衛星では輸出制限によりライバル国が台頭し米国の主導的立場が失わた。
  21. . 輸出版のプレデターはこの点を考慮しているとジェネラルアトミックスは説明する。ミサイル搭載用のハードポイントがないので、兵装追加ができない。同機の 海外販売単価は3から4百万ドルで通常型航空機より相当安価だとエイムズも強調する。「プレデター購入を希望する国はこれまでも多くありましたので、今回 はその道を開くことになります」
  22. 同 社以外の米国防衛産業メーカーも自社費用を投入して新型の高性能UAVを開発している。ボーイングはファントムアイの試作機のテスト飛行を開始している。 同機は高高度を飛行し数日間の滞空が可能だ。ロッキード・マーティンは空母運用の次世代UAV競作に向けた自社開発をしているという。.競作ではX- 47Bのメーカー、ノースロップも参入しそうだ。X-47Bは将来の艦載UAVに実現する初期性能を実証する米海軍のプログラムだ。
  23. 英国も海軍用の無人機の空母運用構想に関心を示しているが、BAEのロウ・ウィルコックスは成長が大きく望めるのは民用部門だという。
  24. 10年以内に無人機が日常的に欧州の上空で運用される日が来るという。法執行機関による監視活動、洋上監視他の任務を想定。
  25. 「無人航空機が頭上を飛行する構図をパイロットが操縦する飛行機と同様に一般大衆が受け入れるかどうかが試されるでしょう。現時点で技術はできていますが、法規制なかんずく社会規範上の課題と認識しています」

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