Navy Will Select NGJ Contractor In 2013
aviationweek.com Jan 18, 2012これまで厚遇されてきた電子戦分野にも予算削減の圧力が続くと見て、米海軍は大切な次世代電子妨害手段Next Generation Jammer (NGJ)の取得手続きを簡素化しようとしている。契約先を一社に早期に絞り込むと数億ドルの節減効果が期待できるとして、通常の二社競合ではなく、最初から一社に技術開発業務を2013年に開始させる。2015年には生産準備を開始する。NGJ技術はこの4月に成熟段階を完了する。
- ジョ ン・グリーン海軍大佐(空中電子攻撃AEAおよびEA-6Bプラウラー計画主任)は「NGJで承認された手続きでより経済的に、かつ早期に技術統合が可能 となります。これによりNGJの開発の予算裏付けができてEA-18Gグラウラーへの搭載が可能になります。」と語る。
- 合 理化はいいとしても契約企業の中には心配な要素もある。NGJがF-35共用打撃戦闘機には搭載されるとは見ておらず、その理由としてJSFそのものが遅 延していることをあげている。「F-35を電子攻撃用の機体にする構想があるが、実際にはその検討はされていません」(関係者) つまりNGJは別の機体 に搭載される可能性があるということで、最も可能性があるのが無人機で、メーカー側には朗報となる.
- 近 接距離でのジャミングと遠距離からのジャミングでは必要な出力が異なり、海軍の求める運用構想ではグラウラーをF/A-18E/Fに同行させ、目標に近づ かせる想定。ただその場合は電子攻撃支援がないと実際の運用は不可能だ。そうなると無人機にNGJを搭載することで乗員の損失を回避できるだろう。
- F- 22にはパッシブな電子戦能力が搭載されており、JSFも当初はパッシブ能力を搭載する予定であったが、最新のサウジアラビア向けF-15にはデジタル方 式のEWシステムが搭載されている。この装備生産はすべてBAEシステムズが獲得している。NGJを巡り競争するのは同社以外に、ITT/ボーイング、 ノースロップ・グラマン、レイセオンの4陣営で、1月24日の週に海軍は各社の方針案を聴取し、早期に一社に絞り込むこと、選に漏れた他社が生産協力先に なることを期待している。
- 「上層部は各社のチーム編成を期待しています。チームにすればリスクが減りますからね。一社に早く絞りこめば自然にそうなるはずです。国防総省がそう考えていることを業界にも早く理解していただきたいものです」(グリーン大佐)
- 昨年に実施された電子攻撃事例の教訓でNGJ取得が急がれる結果にもなっている。リビヤ、アフガニスタン、イラクの事例だ。海軍のAEA能力は老朽化進む生産終了ずいみのALQ-99ジャマーポッドが全て、というのが現状。
- 「リ ビアのオデッセー・ドーン作戦を開始した時点でアフガニスタンとイラクですでに展開中だったので、三方面で同時に支援することになりました。機材を分散す るのは大変な課題でしたが、ALQ-99ジャマーポッドの数が足りず、一部の重要なミッションで利用できない事態が発生しています。今回の教訓でNGJが 必要な理由が裏付けされました。」(グリーン大佐)
- NGJ の設計仕様は広範な周波数帯で敵目標に対する電子攻撃能力を実現するものだ。同時に柔軟な電子対応を実現する。あわせて各軍での共用性を実現する。海兵隊 にはイントレピッド・タイガーII通信妨害装置があり、空軍には小型空中発射おとりジャマーがあるが、NGJで敵のレーダーや電子装置を無効にする、性能 低下させる、あるいは欺瞞させる手段が向上することが期待される。
- その他にも放射出力の向上により、ジャミング効果が増強され、スタンドオフ距離を拡大して敵の防空レーダー、通信、データリンクに対する攻撃効果が生まれることも期待されている。
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