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グローバルホーク、U-2、それとも? 米空軍の揺れるISR機種存続問題


Global Hawk, U-2 Duel Resumes in ’15 Budget Fight

By Amy Butler
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com January 20, 2014
Credit: USAF Airman First Class Bobby Cummings


グローバルホークをめぐる政治上の圧力は何度も方向が変わっている。一度はU-2偵察機の後継機種と期待された同機の新型ブロック30を早期退役案が出て二年にもならないうちにペンタゴンから当初の案を覆し、2015年度予算要求で同機を盛り込もうとしている。
  1. 予算管理の仕組みでは各軍から出る年間支出案を国防長官官房が対応し予算確保が成立することになっており、U-2予算を削り30億ドルをグローバルホーク・ブロック30の勘定に移す。この決定はまだ最終ではないが、空軍は以前はブロック30関連の業務を停止し、U-2に専念することしていた。
  2. 長官官房と空軍から議会提出前は予算案へコメントしないのが通例だが、今回の逆転劇の背景には理由がある。一つは政治であり、機材運用費用の試算の変更もある。.
  3. 今回の議論の行方はペンタゴンが運航停止しようとしている他機種にも波及しそうだ。A-10、カイオワヘリ、TH-67など予算強制削減他財政上の圧力を受けている機種だ。ペンタゴンならびに各軍が議会の近視眼的な圧力をそのまま受け入れて政治家に人気のある事業を温存させることになるのか。あるいは投資的支出が劇的に減少する中で予算節約案を実行するのか。各原案で修正を加えれば、全体としての節約額は消滅し、ペンタゴンに残るのは「からっぽの部隊」が多機種で構成され、フライトの実施がままならなくなるとの危惧が国防計画立案者レベルで出ている。
  4. グローバルホークで議論の中は飛行時間当たり運航費用 cost per flying hour (CPFH) が以前はおおよそ33,000ドルでU-2と同等水準との試算だったものが、2013年は25,000ドル近くになっている。
  5. 同機の飛行時間が急増しているためでとくにブロック40の部隊展開が始まったことが大きい。同機はアクティブ電子スキャンアレイ(AESA) レーダーを搭載しており、地上監視に投入されていると、空軍関係者は語る。この関係者は実際の飛行時間合計については言及を避けたが、飛行時間が延びれば計算上の固定費用は薄く各機に乗せられる。予算案ではブロック40の運航停止は盛り込まれていないが、同機も削減対象に昨年注目された経緯がある。ブロック30の議論の陰に隠れて延命したようだ。
  6. 再計算されたCPFHが正しいとしても、関係者の一人が太平洋地区ではグローバルホークの飛行時間は増えざるを得ないと指摘している。CPFHが下がるとしてもグローバルホークが必要な情報収集にかける総費用にそのまま反映されないのが現実だ。
  7. 無人航空機システム(UAS)では北朝鮮や中東、イランのような対象地での情報収集に飛行時間が54%も多く必要になる。
  8. CPFHはミッション成功率は反映されていない。情報収集監視偵察の需要は高く、機材の稼働率が太平洋地区の司令官には懸念の種だ。たとえば2013年にはグローバルホークのミッションで55%が取り消しとなっているが、U-2では96%のミッションが実行されている。U-2のミッション数は三倍近く多い。グローバルホークには着氷防止装置がついておらず、過酷な気象条件では飛行できない。この欠点の克服は海軍仕様のトライトンで開発中だが、その実施は高価につく。
  9. 関係筋によればCPFHは不正確な指標でこれで決定するのはおかしいという。それによればグローバルホークでグアムに常駐する機材は北朝鮮に到達するため長時間飛行する必要があるが、U-2は韓国の烏山空軍基地に配備されており、短時間で移動できるという。
  10. ついでながら、空軍が同型を早期退役させようとした理由はレイセオン製の高性能統合センサー装備(画像、赤外線、レーダー画像を収集する)の作動がいまいちだったことにある。グローバルホークの通常飛行高度は50,000 ft.近くで天候条件に左右されやすく、敵の領土内偵察範囲が短くなる。これに対してU-2は60,000 ftを超える高度を飛行し、機内の発電容量も二倍近くレーダー画像の情報収集を難なくこなせる。今後配備されるといわれる極秘ステルス機RQ-180 (これもノースロップグラマン製)の存在がグローバルホークは無用の存在と空軍に思わせた理由だろう。
  11. ノースロップ・グラマンは最新のCPFH値について言及をしていない。「空軍と協力しグローバルホークのコスト削減ならびに搭載システムの性能向上を図っております。グローバルホークの飛行時間当たりコストは2010年から大幅に下がっており、今後も削減されていきます」と同社スポークすウーマンは発言している。
  12. コスト論議も実は長官官房が議会の圧力に屈していることのカモフラージュなのかもと関係者は見ている。連邦議員には同機の存続を求める動きが数度となく出ており、ノースロップ・グラマンもグローバルホーク存続のため強力なロビー活動を展開している。■


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