Vagaries Continue To Cloud U.K. F-35 Agenda
aviationweek.com Aug 12, 2011大幅に開発日程が遅れた上にコスト超過も重なり、英国防省の定めた調達決定方針も財政の現実と計画の不確実さの前に頓挫しかけている。
- しかし、F-35B短距離離陸垂直着陸(Stovl)型に替えて空母運用型を調達する案が出たが、英政府はどうも運用コストをきちんと把握していないようだ。調達にこだわるあまり、計画の資金繰りの裏付けを軽視することで、財政再建の原則にも自ら反することになりそうだ。
- 英国防省は不確実な事項の数点については道筋を付ける努力をしているものの、今後の計画の作成が完全な形になるのは数年先の事になりそうだ。
- 空 母艦載型(CV)への変更により、国防省は万が一空母への回収が中断された事態を想定して空中給油能力の確保が必要となっている。英国からロッキード・ マーティンに対してF-35C同士の宮中給油モードの実現可能性の検討依頼が出されている。JSF開発の原則では関係国は独自の能力を開発する際には自国 資金を準備することになっている。米国はF/A-18E/Fスーパーホーネットに空母艦載給油機の役割を実現させているので、英国は自国仕様の技術検討は 自国で資金を供出する義務がある。
- 米 国の国防関係者によるとこの改修にともなう技術検討と費用見積りは「今年後半」に揃うという。だが英国が製作決定に要する時間はもっと長くなるかもしれな い。英国防装備調達・支援・技術担当大臣ピーター・ラフPeter Luffは国会で「将来の艦載機用の空中給油任務で最も費用対効果が高い実現手段」をいかにして実現するかの評価検討結果は2012年3月ごろに結果が出 ると発言している。
- も う一つ不明確なのがF-35Cを選択した場合の空母運用だ。F-35Cに切り替えるのはもともと運用性能を向上させるのが目的なのだが、実際には欠点もあ る。そのひとつがアムジャド・フセインAmjad Hussein海軍少将(空母攻撃任務担当)により議会証言で明らかになった。固定翼機の運用と強襲隊の水陸両用作戦の実施を両立することにリスクがある というのである。
- 同中将によると「航空機発艦とヘリコプター発進の間に相当の時間間隔が必要となる可能性がある」とのことで、「その結果、装備の機能発揮が限定されるかもしれない」
- その限定の度合いは不明だが、フセイン少将は強襲隊発進を犠牲にするわけにいかないという。
- 別 の進行中の話はJSFテスト用に購入の3機のF-35のうち一機をB型からC型に変更することだ。ただこれには米国議会の承認が必要だ。F-35Cの一機 は第六低率初期生産LRIPロット出購入予定の機体でこれを英国がLRIP4で資金を供出したF-35Bと交換することになるためだ。
- こ れについてペンタゴンは「今回提案されている案は両国にとって利益が生まれる内容だ。米国にはStovl型が予定より24ヶ月早く入手でき、技術成熟度運 用テストが実施できるし、英国にとってはCV運用テストの費用そのものを支出しなくてもいいので、LRIP6日程で完成形のCV機体による運用テストが充 実する」と論評している。
- こ の案が実施されても米国の納税者には財政上の負担は生じない。「英国がLRIP4Stovl機の改修費用を負担してLRIP6仕様にアップグレードする。 さらに英国はCV型機の飛行テスト用計器の装備費用も負担し、英国のみの仕様要求にともなう費用も支出する」とペンタゴンは言う。英国防省関係者は変更で 発生する費用はすでに予算計上してあると強調する。
- 英政府は先月に国防近代化予算の追加を計上している。30億ポンド(49億ドル)を2015年以降に支出し、その代償に配備部隊の削減を伴うが、F-35初期取得を実現する。これにより国防支出は実質1%増加する。
- 準 備する予算全額がF-35用ではないものの、リアム・フォックスLiam Fox国防相によると同機購入の頭金となるほか、予定で14機の追加CH-47チヌーク、3機のRC-135リベットジョイント情報収集機他の装備を調達 するという。この期間内で何機のF-35を調達sルウのかは発表されていない。また、この予算は空母クイーン・エリザベスの艤装にも使われる。国防省は 10年間にわたる調達計画を9月に発表すると公約している。
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