スキップしてメイン コンテンツに移動

浮かび上がってきた新型爆撃機構想はISRと表裏一体

New Bomber Brings ISR Surprises
aviaonweek.com Aug 26, 2011 By David A. Fulghum, Bill Sweetman,Washington


米空軍の次世代長距離爆撃機計画から驚くべき話題が出てくるはずだ。海軍の無人艦載攻撃機にも関連するだろう。
  1. 低 視認性かつ有人運航がオプションとなる同機構想ではノースロップ・グラマン案とボーイング案が競合しており、各陣営からあわせてより小型、低視認性、無人 亜音速偵察任務支援機の提案が出る見込みだ。あわせて4案の設計の源泉はX-47BとX-45C実証機だ。ロッキード・マーティンからは高速飛行可能な情 報収集・偵察・監視(ISR)用派生機への技術提供が期待されている。
  2. 各 機の狙いは米国にとって最大の脅威となりつつある「接近拒絶戦術、地域ぐるみの接近否定」に対抗するものと国防副長官ウィリアム・リンDeputy Defense Secretary William Lynnは解説する。「弾道ミサイル配備により我が方の部隊を戦場より遥か後方に封じ込めようと画策している国があります」と同副長官は中国のDF-21 対艦ミサイルを念頭に発言。「精密攻撃技術が普及して向上すると世界の遠隔地に軍事力を展開する我が方の軍事能力に対する課題となるでしょう」
  3. この他の非対称戦略、兵器体系には地上基地や駐機中の航空機に対して発射され最終段階で誘導される子爆弾erminally guided submunitionsがある。
  4. 新 型ステルス爆撃機の価格は100機編成で一機あたり5.5億ドルと見られるが、ペンタゴンの装備価格部門の責任者シェイ・アサドShay Assadはその観測は設計仕様が未確定で費用試算方法が定義されていないので非常におおざっぱな推定だという。さらに議会が定めた新しい予算管理により この計画も固定価格になってしまうかもしれない。そうなると予算に「要求水準の方を合わせる」事になろうとアサドは見る。新型爆撃機の要求性能が定まるの は今年末ごろと見られる、とアサドは下院軍事委員会およびレキシントン研究所主催の電子攻撃セミナーで発言している。
  5. そ の開発戦略には「大規模予算で長距離攻撃システムのファミリーを作り、敵防衛網を突破して世界中いかなる場所にも爆弾を投下する能力を確保すること」があ るとリンは言う。「ファミリーには電子攻撃任務、高性能の情報収集偵察機、新型長距離爆撃機で無人有人運営可能な機体が含まれます」
  6. 実際には各任務を同一の機体にもりこむと非常に高価となるため、計画上は比較的少数の爆撃機型とそれよりも多い数の小型無人型の派生機で防御支援、目標捕捉、その他特殊攻撃としての電子攻撃や指向性エネルギー攻撃のオプションを実施することが想定されている。
  7. こ の案は次期爆撃機(長距離攻撃機体LRSP)が長距離センサーや重い強化目標攻撃用兵器を搭載したらとても高価になり調達不可能になるのではという懸念に 答えるものだ。そこで新計画では目標の一部は他のシステムに任せ、空中電子攻撃airborne electronic attack (AEA) 、偵察任務をLRSPに残すことにした。同機編隊は情報リンクで結ばれ、広範囲に展開する編隊が情報戦やサイバー攻撃能力を実施する。
  8. 「サイバー攻撃の絶対効果はどんどん大きくなっています。サイバーツールで物理的な損害を発生させる段階に入ろうとしています。そこで、サイバー戦では敵方が技術を獲得する前に我が方の攻撃が大きな効果を与えられる機会に恵まれているわけです」(リン)
  9. こ れは次の航空機、兵装、電子装備で大きな競争分野になる。「今後これだけの規模の航空機開発の機会はなくなるでしょう」と内部知識に明るい航空宇宙関係者 は言う。「成功か失敗かで大きな分かれ目になります。次世代爆撃機では企業連携が規模を拡大するでしょう。ただし、各軍共用の構想ではありませんので、同 機開発の結果、海軍のUclass(無人空母発着空中監視攻撃システム)のミッションにどこまで応用できるかはわかりません。」
  10. 少 数の有人機と多数の小型無人支援機を組み合わせた編成は攻撃威力が増え、より迅速かつより複雑な対応ができることで、その原型はオサマ・ビンラディンを追 い詰める際に証明済みだ。その際はステルス性のあるRQ-170無人ISR機にフルモーションのビデオ送信をさせて隠れ家の動きを逐一監視しており、長期 間これを継続したがついに発見sれることはなかった。
  11. 「敵 の防空網内で長期間の作戦を展開する必要性が急速に増えています」とデイブ・デプチュラ中将(退役)は語る。空軍情報部長を務めていた。新型爆撃機、海軍 のUclassとボーイングのファントムアイ構想の組み合わせは「分散型センサー構成の一部」となるという。同中将によると爆弾投下は今日では二次的な意 味しかないという。それよりも情報戦能力特にコンピュータネットワーク侵入や電子戦の発展が目覚しい。
  12. た だしデプチュラ中将が一点警句を発しているのは、ネットワーク機能拡充への官僚的かたくなな反対姿勢だ。「最大の障害は上位文官の頭の中に高性能センサー でパイロットにしかデータが提供されないと刷り込まれていることです。国防総省がF-22やF-35へのデータリンク導入に抵抗していることにこれが現れ ています。このため新型爆撃機の要求性能の決定も遅れているのです。」
  13. ボーイングはファントム・レイ(X-45C派生型)を二機一組で支援無人機システムとして提案する。ノースロップ・グラマンはすでにステルス長距離UAV開発を開始しており、X-47設計を元にしていると言われる。
  14. そ れよりも小型の無人機は「高高度(約60,000フィート)、ペイロード組み合わせ多数、長距離滞空して電子攻撃、電子戦を爆撃機支援に実施できます」と ボーイング社の関係者は語る。「ノースロップ・グラマンはX-47を拡大してISRを加えたものを爆撃機計画から流用する考えです。ま、当然でしょう。爆 撃機型はISR機よりも寸法は大きくなるものです。ファントム・レイがX-45を利用しようとしているのはプレデターやボーイングの新型ファントム・アイ では生存率が高くできないのです。爆撃機の派生型なら爆撃機と同様に生存する可能性がありますね」
  15. 「大 手メーカーなら全社が新型爆撃機計画に参画したいと考えています」とノースロップ・グラマン関係者は語る。「ボーイングもF-15SEサイレントイーグル だけ生産しているわけにいきません。X-45派生型でファントム・レイのような機体には相当の投資をしていますね。」 しかし、ノースロップ・グラマンは 秘密資金で極秘爆撃機開発中と以前はアナリストは見ていたが、今やこれはX-47に類似したISR機であると考えられている。
  16. ロッキード・マーティンではF-35に資金が予想以上に必要となっているため、新型爆撃機設計は提示できないとみられる。
  17. 「新 型機購入予算の約6割がF-35に流れています。このため、ペンタゴン調達活動責任者のアシュトン・カーターの目標は要求性能を満たして購入可能な金額の 爆撃機とすることでほう。今のところ要求内容は抽象的で調整の余地は大きくなっています。今後のやり取りで中身が決まればどの社と組むかを決めることにな ると思います。」(前出ノースロップ・グラマン社関係者)
  18. 「ロッキード・マーティンはF-35で手一杯ですから、次期爆撃機計画に参画するとしてもプライムでなくても構わない姿勢でしょう。肝心なのはニッチプレイヤーでいることなのですがどんなニッチを同社がめざしているかは謎です」
  19. 「ロッ キード・マーティンは高速ISR機の開発に相当の時間を使っていますが、高速ISR機では上空滞空時間が不足します」と上記ボーイング関係者は解説する。 「F-35が資金を使っているので、同社は新型爆撃機・ISR機の技術開発にまわす余裕がありません。同社が新型爆撃機を今から開発すると1億ドルは必要 でしょう。同社には大金です。高速ISR機開発の成果を投入しても爆撃、ISR、情報戦を分散して実施するミッションに不適となるでしょう」
  20. 高 高度飛行も生存性を高める助けにはならない、と航空宇宙技術関係者は言う。機体探知性を下げて、超高速で飛行するのは助けになる。ただし、高速飛行では目 標地点上空の飛行時間が短くなってしまう。そこで新型爆撃機の設計ではステルス性が最大の考慮点となる。「強固な敵防空網の中を自律飛行するのは不可能で す。協調して飛行する支援機からの電子戦がなければ飛行するも不可能です。EW装備の一部を爆撃機に搭載するとしてもEWは無人操縦と連携していなければなりませ ん。有人無人を問わず敵の強固な防衛体制の中で飛行が必要となります」(ボーイング関係者)
  21. この協調支援こそボーイングがファントム・レイで提唱するものだ。ノースロップ・グラマンもX-47で同様の運用を検討する。

コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…

★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…