ジョイントSTARSの行方



Joint STARS Eyed As Budget Victim
aviationweek.com 8月28日


議会が9月に会期を再開すると、国防予算を巡る論戦が再度活発となり、E-8C共用監視目標攻撃レーダーシステム(JSTARS)の性能改修が予算削減の対象となり大鉈を受ける可能性がある。地上監視を目的とした同機は来年の夏よりアフガニスタンに投入される予定で、これはリアルタイムの空中監視システムで荒れた土地の上で人員を追尾できる能力が必要という現地の要望にこたえるもの。しかし、JSTARSを高地航空基地で運用するには機体、エンジン、センサーの改修が必要で、岩だらけのヒンズクシ山脈で情報収集・監視・偵察(ISR)任務を実施するのは難易度が高くなる。さら現地では人員は徒歩で移動しており、JSTARSの想定する車両移動は見られない。

【改修の中身】 近代化改修には旧式PW-TF33-102Cエンジンを新型PW-JT8D-219に交換することもある。新型エンジンで推力の増加以外に、発電容量も増え、追加センサーに供給される。搭載済みのAPY-7フェーズドアレイレーダーはソフトウェアの改修で小型・低速移動の目標が追跡できるようになる。また、エンジン換装でJSTARSの強力なレーダーが高高度で運用されることで情報集能力が改善されると期待される。新規装備のSYERS III(シニアイヤー電気光学偵察システム)はもともとU-2用に設計されたが搭載されなかった装備で、多重スペクトラル検知およびフルモーションビデオ画像が利用できるようになる。JSTARSはレーダー画像のみで武器投下を指令することはない。目標の画像イメージが必要となるが、レーダーとSYERS IIIを同じ機体に搭載することで迅速に視覚的識別が可能となるとJSTARSはいっそう手ごわいリアルタイムの戦闘航空機となる。

【先行きは不透明】 改修装備でこれだけの性能向上となる一方で、空軍は地上監視データの収集戦略の再考を進めており、JSTARSの今後は不確かなものになっていると、業界および政府関係筋が認めている。ゲイツ国防長官は問題を抱える計画の取り消しあるいは棚上げになんら躊躇しておらず、厳しい財源と変化する国防ニーズを考慮して想定される効果について厳しい質問を投げかけている。E-8Cの新エンジン開発は進んでいるが、調達予算の承認は凍結の様子だ。JSTARS部隊のエンジン換装の決定はひいては地上移動目標表示(GMTI)についてこれから出てくる研究結果次第。「空軍がGMTI能力を放棄することはない」とマーク・シャックルフォード中将(調達担当)は語るが、この研究内容の検討が来年から始まり、必要となるGMTIの種類および内容を明確化していくと、今後開発するべきセンサーの技術的な要求内容を左右することとなり、装備を搭載するのに最適な機体も判明する。

【KC-Xとの関連】 JSTARSは中古707を改装したもので腐食問題が深刻な機体もある。このため、空軍はJSTARSの機体寿命延長と新型機種導入の費用比較検討をしている。ボーイング767かエアバスA330のどちらかになると見られるが、空軍向けの次期空中給油機の機種選定がひとつの契機となり、検討用の機体となるだろうし、次世代のGMTI収集、情報収集機の候補となることも考えられる。

写真  古色蒼然たる707の改造とは外見上は見えないE-8Cの機体とGMTIのサンプル画像。対テロ戦では能力を持て余しそうですね。本ブログではISR機材の重要性を強調し、ニュースを追っています。

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