A-12 Avenger Suit Reconciled, At Last
By Jen DiMascio
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com February 03, 2014
Credit: U.S. Navy Concept
開発中止からほぼ20年が経過しても調停が不調に終わっていた中、米政府がやっと総額4億ドル相当をジェネラルダイナミクスとボーイングから受け取ることで、海軍のA-12アヴェンジャーII(総額48億ドル)取り消しで紛糾していた対立が解決することになった。
- 今回の示談規模は政府としては当初目指していた訴訟内容の数分の1規模。政府は損害賠償として13億ドル(2014年価値で22億ドル)を要求していた。その根拠は結局実現しなかった艦載ステルス機に投じた経費相当で、今回の妥結額はいったんは合意形成されそうだった2003年の29億ドルよりはるかに小さい。
- 連邦請求裁判所 U.S. Court of Federal Claims が1月24日に棄却し、海軍と契約企業の求めに応じる形になった。昨年末には政府は両社と合意に達していた。
- 海軍はEA-18G2014年予算で承認ずみ21機とは別に三機を2016年めどでボーイングから受領する。ジェネラルダイナミクスは198百万ドル相当のクレジット枠を海軍に設定し、建造中のズムワルト級DDG-1000で使えるようにする。
- 「海軍航空史上で23年の長きにわたった事例を完結させようとしており、契約企業による物納の形で海軍の戦力増強につなげようとしている」と海軍長官レイ・メイバスNavy Secretary Ray Mabusが表明した。
- 「訴訟は長期化し難易度を増したが、海軍の予算数十億ドルの節約になった。当省は長年にわたる法務省の関与に感謝したい」
- 契約企業も安堵している。「ボーイングはこの長期訴訟が結末を迎えることをうれしく思います」と同社スポークスマンが電子メールで表明。「海軍、法務両省のご尽力で解決できたことに感謝しつつ、今回限りの措置を全関係者が受け入れたのはうれしい結果」としている。
- 紛争は1991年に始まり、ディック・チェイニー国防長官(当時)が48億ドル総額のステルス次期攻撃機開発を中止したことがきっかけ。同機はジェネラルダイナミクスとマクダネルダグラスの共同開発で後者がボーイングに吸収合併された。中止は契約社が価格と開発日程で要求水準に達していないと政府が判断したためだった。海軍は契約企業に13億ドルの国庫返納を求めていた。
- 主契約企業側は政府を訴え、政府こそ罰金を支払うべきと主張した。その理由は契約が解消されたのは「政府の都合」であり、成果が低いことではなかったため。案件は司法制度の中でさらに悪化し、最高裁案件になった。
- 1999年に案件は連邦請求裁判所に戻され、マイケル・マンキューソ Michael Mancuso (ジェネラルダイナミクスの最高財務責任者(当時))は「すぐに示談になる」と楽観的だった。実際にはそうならなかった。
- その14年後に解決の機会が再度訪れた。その時点で関係者は10年間にわたり巨額費用を法的手続きに投入していた。ペンタゴンは年間10百万ドルを訴訟費用として計上していたほどだ。契約企業側は29億ドル近くで手を打つつもりで、取引材料にヴァージニア級原子力潜水艦、共用直撃弾薬やF-18E/FやC-37で値引きを提示する構えだった。
- これが土壇場でペンタゴントップが拒絶されたとジョン・ヤングJohn Young が説明する。ヤングは海軍の調達部門トップとして妥協案を模索していた。ヤングによるとこれで機会が失われたという。
- 「裏交渉で結果が出ると思っていました。しかし残念なことに航空機まで含めた20億ドルの取引になってしまいました」(ヤング) ヤングはその後ペンタゴンの調達トップになった。「国防総省は今回取るに足らない金額で解決しています」
- 20年経過した2011年には最高裁が本事例を検討した。海軍の主張は契約企業は約束通りの仕事をしていないというもの。これに対し契約企業からは政府がステルス技術の情報を開示しなかったため効果が上がらなかったと反論。結局、最高裁は連邦請求裁判所に差し戻した、というのが経緯だ。
- 雪解けの兆候が出たのは昨年春で、オバマ政権から議会に対し、合意内容の実施許可を求めてきた。合意は国防予算案に盛り込まれ上記のような2014年国防予算承認法に盛り込まれたというのが今回の結末である。■
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