Fiber Lasers Could Accelerate Fielding Of High-Energy Weapons
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com February 17, 2014
航空宇宙産業特に国防部門が民間技術を利用して開発促進効果で新水準の性能を持つ装備を迅速に実用化する事例があるが、高エネルギーレーザー兵器もこの例だ。
- ロッキード・マーティンが電気ファイバーレーザー electric fiber lasersを利用した高出力兵器級の光線発生を実証した。ファイバーレーザーは通信、製造等に使われる民生需要で発達してきた技術だ。航空宇宙分野はこれを高出力の殺傷レベル出力の実現を求めている。
- 電導効率や光線の品質ではまだ改善が必要だが、ロッキードによれば30-kw級のファイバーレーザーが今後の戦術級エネルギー兵器開発の重要な一歩になるという。今回の実証は自社費用による高性能レーザー実証計画 Accelerated Laser Demonstration Initiative (Aladin) として実施されているが、同社は米陸軍からトラック搭載高エネルギーレーザー移動兵器の実証を2017年に実施する契約を交付されている。この延長で100-kw出力を2022年に実施する。
- 「ファイバーレーザーは指向性エネルギー兵器の将来の姿」とロッキード・マーティンの主任研究員を務めるロブ・アフザルRob Afzal, Lockheed Martin senior fellowは語る。「最高の効率が高出力域で得られ、常時30パーセントの効率で素晴らしい光線品質になりますので、長距離からこれまで以上の密度で目標に照射できます。また工業レーザー分野市場での部品技術の成果を応用できるため低価格化が期待できます」
- 工業用レーザーではキロワット級の光線しか利用しておらず、これを複数組み合わせて兵器級の出力を生む。光線複数の相を捜査して収束させる代わりに、ロッキードはスペクトラルビーム集束 spectral beam combining と呼ぶ技術を利用しており、アフザルは「単純だが堅実な技術」と表現する。
- 「プリズムを逆にしたようなものです。光線を複数集め、それぞれの波長が異なっており、格子の前で反射させます。その結果、光線が一本にまとめり、もともとの光線はぞれぞれのこっています」とアフザルは説明する。「回析が少ない形diffraction-limited performance でそれぞれのレーザーを武器級にして射程を最大化しつつ滞留時間dwell timeは最小限にできる」のだという。
- ノースロップ・グラマンの半導体レーザーでは2009年に100 kw出力を実証している。この技術ではダイオードを膨らませたスラブレーザー slab lasers を光学的に組み合わせており、海軍艦艇に装備開始を進めようとしている。ただファイバーレーザーなら電気効率は二倍近くになり、付属電力冷却装置も小さくできることで、全体を小さな構造にできるので、航空機やトラックへの搭載に道が開ける。
- スラブレーザーで拡大縮小化が難しいのは高出力を狙えば冷却が大変なことと、高温化すれば光線の方向が狂うためだとアフザルは説明する。アラディンのファイバーレーザー技術は「大型化が可能」という。「寸法の変更ではレーザーを増やしても排熱処理の心配がなく、空いたスペースに光線を集束させることが可能」
- このスペクトラル集束技術によりファイバーレーザー数を増やすことで高出力化が可能だ。「当社の基本構造なら 100 kw以上に拡大が可能」とアフザルは言う。「ファイバー一本あるいは全部を使い、定格出力の半分から全出力まで調整可能」だという。一本のレーザーが故障して全体が機能停止するのではなく、システムは徐々に出力が低下するという。また各レーザー自体がモジュラー構造になっており、大量生産で費用を下げることができる。
- この出力自由調整でファイバーレーザーには各種の機能への応用が可能だとアフザルは説明。たとえば通信や目標識別や敵のセンサーを使用不能にする、脅威対象を破壊することが選択できる。
- 民生部門では穴あけや溶接でファイバーレーザー市場はこの10年間で一気に拡大したとアフザルはいう。出力1から10 kw級のファイバーレーザーが市場で手に入る。工業用レーザーでは兵器で求められる光線の品質まで求められないが、部品技術の開発の方向性は共通だ。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。