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米空軍の新型静止軌道衛星の狙いは衛星攻撃への抑止力か


USAF Space Chief Outs Classified Spy Sat Program

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com February 21, 2014
Credit: NASA


米空軍が打ち上げる予定の二機の新型衛星は極秘とされていた宇宙空間上の状況認識把握衛星で地球静止軌道に今年中に送られるとウィリアム・シェルトン大将 Gen. William Shelton (空軍宇宙軍司令官)が明らかにした。
  1. 宇宙機は秘密裏に空軍とオービタルサイエンシズ Orbital Sciences がGASP(静止軌道宇宙状況把握衛星事業 Geosynchronous Space Situational Awareness Program)として開発してきたものだ。
  2. 第一陣の二機に続き2016年に次の二機が打ち上げられ、静止軌道上の監視衛星群の不足を埋めるとシェルトン大将が空軍協会主催シンポジウムで明らかにした。地球静止軌道上には商用衛星多数が常駐しているほか、国家安全保障上で重要な宇宙機として宇宙配備赤外線衛星システムSpace-Based Infrared System (Sbirs) が早期ミサイル発射探知用に、高性能極高周波Advanced Extremely High Frequency (AEHF)衛星群が核戦争でも確保可能な大統領用通信手段として投入されている。
  3. SbirsやAEHFに対して「安価な一撃」が打たれるとペンタゴン業務が大変なことになるとシェルトン大将は衛星攻撃の可能性を示した。.
  4. 今回打ち上げられるGSAP衛星2機は静止軌道ベルトの上下に配置され、電子光学センサーで対象部分の各衛星他の物体の情報を収集する。シンポジウムの席上で配布された空軍資料によれば各衛星は「正確な軌道追跡および特徴」を各衛星について把握できるという。
  5. 空軍が今回の新型衛星を開発した事実自体が政府が衛星の持つ脆弱性に懸念を持っていることのあらわれだ。GPS衛星群は現在でも簡単に妨害可能である。それは各衛星の信号が比較的小出力であるためだが、今以上の効果的な妨害工作が実施される可能性、さらに運動エネルギー攻撃を危惧している。
  6. シェルトン大将は新型衛星の費用、完成までの所要期間について明示を避けた。しかし、今年中に二機を同時にデルタIVで打ち上げて相対的に安価になるはずだ。打ち上げはケイプカナベラル空軍施設(フロリダ州)で行う。
  7. 今回の機密解除を政府が認めらた理由のひとつには宇宙空間で敵対行動をとろうとする勢力への抑止力を狙うものだと国防関係者は認める。同時にホワイトハウス筋によれば宇宙活動の透明性担保もあるという。静止軌道上で制御可能な衛星の状況は敵味方同時に探知可能だ。そのため、最小限の情報を開示することは透明性にもなるが、さらに今回の衛星が攻撃能力を有しているとの懸念をあらかじめ消しておく理由もあると国防関係者は認める。ただしGSAPはロシア、中国の見解では敵対する装備とみられ、宇宙空間の軍事利用をどう管理するかの国際議論を呼ぶ可能性もある。
  8. 該当衛星が搭載するペイロードは無線周波数センサーやジャマーとみられるが詳細は非公開。.
  9. GSAPは空軍が進める宇宙空間状況把握能力向上の一環で、中位地球周回軌道上には宇宙配備宇宙監視 Space-Based Space Surveillance (SBSS) 衛星一機  がすでに投入されている。これはボーイング/ボール航空宇宙が2010年に打ち上げたもので静止軌道を下から監視するものだ。
  10. GSAPが出てきたことで空軍がなぜSBSSの後継機を出していないかがわかる。ボーイングとボール航空宇宙 Ball Aerospaceはこれを求めているのだが、GSAP衛星群の方が柔軟性が高くSBSSよりも正確な情報提供ができるためだろう。ただし、関係者は両者の性能を公に比較していない。
  11. 配布資料によればGSAPは「鮮明かつ障害を受けない点で地球周回中の宇宙物体を監視でき、天候や大気条件の障害を受けず地上配備施設による監視よりも優れている」としている。また、「GEO SSAシステムが提供するデータは軌道位置の予測を正確に行い、静止軌道上の運用の知見を伸ばすことになるので、宇宙空間での運用が安全になり、衛星衝突といった事態を回避できる」とする。
  12. 空軍はクウェジェリン環礁に宇宙フェンス施設を新設するメーカー社名をまもなく発表するとみられる。またCバンドレーダーと電子光学式望遠鏡が米国内にあるが、オーストラリアにこれを移動させ南半球の監視区域を拡大する。中国は南半球軌道上に宇宙機打ち上げを続けている。
  13. なお、GSAP衛星群の運用は第50宇宙中隊 50th Space Wing (コロラド州種リーバー空軍基地内)が行う。■


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