F-35Bを操縦してみた米海兵隊パイロットの証言



Pilot reaction to flying the F-35B

aviationweek.com Apr 24, 2014by Guy Norris in Ares

F-35B短距離離陸垂直着陸(STOVL)型の初飛行(2008年6月)はBAEシステムズ所属のテストパイロットがしたが、それ以降は同機の操縦性がきわめて正確かつ簡単との話が多く聞かれている。STOVL運用をめぐってもパイロットの間には垂直着陸の「プッシュボタン」で楽にできることに話題が集中しがちで、どうしてもハリアーと比較されてしまい、なれるまでは「ブレンダ―の中に入れたウォールナッツ」音がリフトファンから聞こえるのも気になるようだ。
しかしこれまでのコメントは経験が深い軍あるいは民間のテストパイロット、または経験豊かな教官パイロットで同機の訓練対象に選ばれた人の声。今や海兵隊の現役パイロットでF-35Bを操縦する人数がユマ海兵隊航空基地(アリゾナ州)で増える中、彼らはどう思っているのか。JSFが今夏にも初の海外遠征を英国の航空ショーエアタトゥーとファーンボロで行おうという中その視点には興味をそそるものがある。
ロッキード・マーティンの社内誌Code OneでF-35Bのユマ基地での運用状況を掲載しており、飛行隊の初の有資格パイロット数名への取材も含まれている。同誌取材の3月時点ではパイロット数は16名だったが、その後も名簿は追加されており、同基地で運用中の機体数も増えている。F-35Bの初納入を2012年に受けたVMFA-121飛行中隊も現時点で定数の17機に増えている。
Preparing for a sortie at Yuma (Code One)
では同誌記事から見てみよう。
ブライアン・ミラー大尉Capt. Brian MillerはF/A-18Dから転向組で機種切替を簡略に表現している。「ホーネットでは真ん中に操縦桿がありましたが、F-35はサイドスティック方式です。でもその違いは意識していません。シミュレーターで離着陸を体験すれば、操作系の位置を難なく取扱いできましたよ」
「ハリアーのパイロットはF-35BのSTOVLモードでは以前の経験から有利と考えるでしょうね」とミラー大尉は続ける。「でもF-18パイロットもSTOVLを先入観なしに扱えるので有利なんですよ」.
もうひとりジョナサン・トンプソン大尉 Capt. Jonathan Thompsonは以前はハリアーを操縦していた。「F-35Bはホバリングモードに入ると直感的に動く設計です。従来型機種のパイロットにとってスティック上のボタンを押せば、機体は下がり、スティックを引き起こせば機体は上昇する、と極めて直観的です。これに対してハリアーのホバリング操作では上下移動はスロットル操作で行い、左右移動はスティックで行うものだった。
「ホバリング中のハリアーではスティックを引くことで着陸用のスロットルを絞っていましたが、F-35ではスティックを押し出すことで着陸できます。」(トンプソン大尉) 「つまりF-35のホバリングは簡単に体得できて、自然に操作できます。AV-8を操縦していたパイロットは逆にSTOVLモードが普通に行えるまではもっと慎重に構える必要があります。短距離離陸垂直着陸にはちょっとしたコツが必要ですが、シミュレーターでみんな練習したのですよ」
(Code One)
「F-35の状況把握能力で一番の改善はレーダーです。F-35ではコックピット内のレーダー表示が一番感動的です。簡単に操作できることには驚かされますね。ハリアーのAPG-65レーダーは旧式でしたが、それなりに状況認識に役立ちましたが、AV-8をレーダーなしで操縦した回数は数えきれないですよ。それでもミッションをやり通しましたが、状況認識がないままだったですね」
F-35ではヘルメット搭載のディスプレイで状況認識が増幅される。「ホーネットのパイロットではJHMCS(共用ヘルメット搭載目標指示システム)を以前使った経験がある人がいるでしょう。しかし、レーダー捕捉情報がヴァイザー上に表示されるというのはハリアーとは全く違います」(トンプソン大尉)
Old and new - Harrier and F-35B fly by the Salton Sea. (Code One)
VMFA-121はじめとする海兵隊では新性能を有効活用する戦術方法を開発中だ。「レーダーの性能が安定しており、電子光学的目標捕捉システム(EOTS)の信頼度が高くなっている中、パイロットの技量も向上しており、飛行性能制限が解除されていけば、戦術戦法を検討してその他の方法で従来型戦闘機の先を行く方法を編み出します」(ミラー大尉)「F-35ならこれまでと違う形で実施ができます。まだ戦術開発をはじめたばかりですが」
パイロットたちは同機の性能制限が解除されることを期待している。「400ノットで飛んで4.5gで機体を引くことは全然難しいことではないです。むしろそんな条件は機体の設計想定の一部ですが、実際には戦術上は400ノット以下の飛行は想定しにくいですね」
今後登場するブロック2Bソフトウェアでは兵装搭載量が増え、飛行速度制限もマッハ1.2、5.5g、迎角50度まで広がる。最終的にはマッハ1.6,7gまで可能となる予定。■



コメント

匿名 さんのコメント…
最後の「上昇角度50度」は「迎角50度」ではないでしょうか。
原文にも「fifty degrees AOA」とありますし、AOA(Angle Of Attack)は迎角を意味します。
moneyfreedom さんの投稿…
ご指摘のとおりです。細かい点でフォローいただきありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目