Seaplane Could Advance Chinese SCS Claims
By Wendell Minnick 12:55 p.m. EDT March 28, 2015
TAIPEI — 現地専門家によれば新型飛行艇により中国は南シナ海の領有権主張を強めてくるだろう。
- 蛟竜 Jiaolong (Water Dragon) AG600は中航通用飞机有限责任公司 China Aviation Industry General Aircraft (CAIGA)が開発中で中国最大級の飛行艇となる。CAIGAは試作機の機体前部の組み立てが完了したと3月17日に発表している。
- 昨年の珠海航空ショーで配布された資料によれば、同機はターボプロップWJ-6を四基搭載し、航続距離は5.500キロあり、南シナ海(SCS)全域を飛行範囲に収める。スプラトリー諸島で中国はヒューズ礁、ジョンソンサウス礁、ゲイブン礁を拡張する工事を実施中だ
- 中国はSCSに戦略的な意義を認識し、飛行艇があれば同地域の実効支配を島伝いに広げられると考えている。
- 「飛行艇は中国が建設中の人工島への物資補給に最適」と指摘するのはシンガポールの S・ラジャラトナム国際研究所S. Rajaratnam School of International Studiesのリチャード・ビツィンガー Richard Bitzingerだ。「また各島はAG600による海上監視飛行の基地として利用できる」
- AG600の政治的意義を説明するのは台湾の中華民国戦略研究会ROC Society for Strategic Studiesの研究員チン・チャンChing Changだ。「領有権を主張するためには実効支配が必要だ」とし、AG600は「漁業活の監視、密漁の取り締まり、汚染予防、捜索救難、緊急医療移送、気象観測、地質調査と南シナ海を舞台に中国の政府による機能拡充に活用されるだろう」
- こうした活動の実施により中国がかねてから主張している南シナ海でのEEZ経済的排他水域の実現が近づく。
- CAIGA資料ではAG600は四種類のミッションを想定している。捜索救難(SAR)、消防飛行、人員輸送(50名)、海上監視飛行である。また軍用では情報収集、電子偵察にも投入できるはずとS・ラジャラトナム国際研究所のサム・ベイトマン Sam Bateman は見ている。ただし、ベイトマンも同機の登場でSCSの全般状況が一変することはないとみている。
- CAIGA資料では軍用用途について触れていないが、これまでの歴史を見れば水上機の商用需要が小さいことは明らかだ。大型飛行艇を製造中なのは日本とロシアだけで、SARや消防用の需要はごく限られている。両国は冷戦時の研究開発を活用しているが、中国が民間需要では多くを望めない機体を新設計し生産ラインを新設した理由は何か。軍事利用が念頭にあることは明らかだとみる筋もある。■
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