Arms Makers Lament Uncertainty, Urge Clarity To Make Investments
aviationweek.com January 11, 2013
国防予算を巡る状況が厳しさを増す中で米国防産業各社はコストを削減する一方で新技術への投資を継続する構えだが、ペンタゴンに対しては要求内容をもっと明確に提示して欲しいとの要望を持っている。
- .リアン・カレット(ボーイング垂 直飛行製品部門副社長兼主幹)Leanne Caret, vice president and general manager of Boeing Co’s vertical lift divisionは国防総省と主要メーカー各社との開かれた形での対話を重要視しており、各社が入札できる新規計画が少なくなっているからこそこれが必要 だと主張する。
- 「社内投資を精査し、者の生き残りを図ることがどうしても必要です。」と米陸軍協会主催の航空機会議で発言している。
- カレット副社長は軍指導部に対して産業界にもっと率直に対応するよう求めており、軍の求める内容とともに予算状況の現実を伝えてもらいたいとする。この形での対話が困難になることも承知のうえだ。
- ボーイング、シコルスキー・エアクラフト(ユナイテッドテクノロジーズの一部門)および兵装メーカー各社は追加削減がペンタゴン予算で現実のものになると見てすでに準備をしており、昨年末に5,000億ドルを国防予算から今後10年間に渡り削減する案を議会が葬らなかったことで覚悟を決めている。
- 各社幹部は国防予算を巡る状況が見えてこないこと、新規調達が遅れることで従業員雇用を削減しており、社内投資も抑制していると同様に発言している。
- .レオン・パネッタ国防長官は先週木曜日に民間人従業員雇用を凍結、保守点検作業を先送り、その他支出を削減する指示を米軍の各部門に対し出しており、すでに実行中の4,870億ドルとは別の追加削減の可能性が現実のものになりつつあると認めている。
- ヘリコプター部門では状況は特に暗いものになっており、この10年間で複数の計画が取り消しになっている他、スタートが先送りになっているものもあり、熟練従業員や重要な設計能力の喪失への懸念が高まっている。
- とくに今週になり陸軍から新型武装ヘリの調達決定が今春まで先送りになり、入札は2014年まで実施されないとの発言が出たことでヘリコプターメーカー各社が落胆している。
- これとは別の空軍の新型救難ヘリ案件は最初は業界に期待を持たせるニュースだったが、結局シコルスキー単独入札になり、競合各社は参加を見送ったのだが、入札ルールがシコルスキーを優遇する内容だったとの不平が出ている。
- サ ミル・メータ(シコルスキー軍用製品部門社長)Samir Mehta, president of military systems at Sikorskyによると同社は50百万ドルを投じて新型X2ヘリコプターを開発中で、最高速のヘリとなるが、さらに同技術を応用した大型軍用ヘリの試作 機S-97にも大型投資をしている。
- た だし同社も新型ヘリコプター各機に対する投資額で上限があり、グループ内の財務資源で取り合いになっていることに加え、ペンタゴンから出てくる計画内容が 不確定性を含んでいることを指摘する。「自社でできることにも限界があります。確約がほしいし、軍の要求内容が前向きになっていることを確認していきたい と思います。」
- メータによると各社とも海外政府とともに民間部門からの発注への期待が大きくなっており、これでヘリコプター部門の技術開発をつなぐ一助としたいと考えている。
- スティーブ・マンツSteve Mundtは退役陸軍将校で現在はEADS北 米部門に勤務しているが、業界会合に政府出席者が減っていることを問題視すべきと主張している。これは政府通達で実施されていることで実際にAUSA主催 会議などで政府は参加を見送っている。「私たちは攻撃を受けています。議会政治によりあるいはその他の要素により業界と省関係者が顔を合わせることができ ないのは許されないことです」
- マンツの矛先はペンタゴンの調達手続きに時間がかかっていること、型式証明の処理が面倒になっていることにも向けられ、新技術への投資は今後は民間部門や海外の顧客からの発注に依存することになってしまうと警鐘を鳴らす。
- マンツはペンタゴンに対して新型武器開発への予算支出を止めることのないよう求めており、予算削減の圧力の中でも案件が少なくなっても「波及効果」が米国の産業基盤に出る効果は蒸しすべきでない、とし投資効果や雇用にも影響が出ると主張している。
- メータもこれと同じ意見で、巨大メーカー各社はペンタゴン予算削減下でも生き残りは可能だが、中小業者ではそうもいかず国防ビジネスから撤退し民間需要に軸足を移すメーカーが出てくるだろうという意見だ。
- 「サ プライヤー各社のためにも戦っているのであり、各社の優れた技術や能力を活用できるようにしたいのだが、聞こえてくるニュースは国防調達の機能不全だった り投資判断が予測不可能となっていることばかりで、各社もリスクをわざわざ選択する意欲は減退しているのです」という。
- .マイク・ペターズ(ハンティントンインガルス産 業社長)Mike Petters, chief executive of Huntington Ingalls Industries Incはこれとは別の機会に報道陣に対して航空母艦他艦艇向けの各部品を製造する中小メーカー数千社の行方に対して懸念を持っていることを明らかにしてい る。
- 1 年以上も不確実な状況に置かれたメーカーの多くで深刻な影響が出ており、一部部材では供給先が一社になっている事例もあるという。次期航空母艦建造の交渉 は今年中に完了する予定だが、その過程で撤退メーカーが実際に存在することが判明するだろうと同社長は発言している。■
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