Senate Panel Approves Defense Bill
aviationweek.com August 03, 2012
上院歳出委員会が承認した国防予算法案は総額604.5億ドル(約4.8兆円)だが、予算案通過の時点で実質的に疑問の残る内容になっている。
- 「私の顔に笑みは見えないはず」ダニエル・イノウエ委員長(民主・ハワイ州)Sen. Daniel Inouyeは8月2日の同法案上乗せのあとに発言している。
- その理由として上下両院有力議員間で予算管理法が認める範囲で政府予算の執行を今後六ヶ月にわたり認める合意が生まれたためだ。
- ただし来年の三月までに現在の予算年度は半分が終わっていることになる。さらに11月の選挙結果で共和党が上院の過半数を握れば、法案も変更が加えられる。
- 合意済みの決議案には総額1兆ドルの包括的政府支出削減を回避する選択肢は含まれていない。
- 今回の国防予算法案の審議は実際の支出予算よりも赤字削減合意が実行されない場合の罰則となる強制執行停止sequestratonが中心だった。
- リ ンゼイ・グラハム議員(共和・サウスカロライナ)Sen. Lindsey Graham (R-S.C.) から提案され撤回されたのは象徴的な決議案で赤字削減策を提言するボウルズ=シンプソン作業部会の提言を活用し強制執行停止を部分的に実施する内容だっ た。その後、同議員からは別の改正案が動議され、連邦政府との契約企業には自社の従業員に強制執行停止に伴う雇用喪失の可能性を通知させようとするもの だった。これは同意形成できなかったが、各契約企業の観点から強制執行停止が予測可能で労働者調整再訓練通知法Worker Adjustment and Retraining Notification Actの適用が可能かについて長時間の審議に火をつけたといえる。
- . 実質面では同法案によりロッキード・マーティンの中距離拡大防空システム Medium Extended Air Defense System (Meads)には348百万ドルの予算を計上し、米国の参加を終了させる。なお議会の国防関連委員会三箇所がいずれもMeads予算を終了させている。
- ペンタゴンが進めているバイオ燃料の調達には上院歳出委員会は予算を認めた。他の三委員会は棄却している。
- ただし歳出委員会はこれ以外の議題では上下両院の国防委員会にならっている。委員会は空軍の戦力再構築提言を一年凍結する議決をして、800百万ドルを追加して州軍航空隊の削減を補うことを2013年度に承認した。
- また同法案では昨年度予算の繰越によりノースロップ・グラマンのグローバルホーク・ブロック30およびアレニアのC-27スパータンをそれぞれ継続させる。
- また歳出委員会は60百万ドルを追加しボーイングEA-18Gグラウラーの先行取得をさせる。さらに163百万ドルを追加しAN-TPY2レーダー向けに、189百万ドルでSM-3ミサイルのブロック1B調達を追加する。
- なお、次世代爆撃機Next Generation bomber ならびに即時全世界攻撃手段Prompt Global Strike 開発はそれぞれ要求が満額承認された。■
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