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★V-22オスプレイのグローバル運用で体制づくりが急務、用途追加の開発状況



オスプレイが実は世界各国も採用する想定ではなかったというのがひとつの驚きですが、日本の採用決定がグローバル化にはずみをつけているようですね。また空中給油やF-35Bジェットエンジン運搬など新しい役割も開発が進んでいるようです。調布の事故で便乗してオスプレイ反対を主張する向きがありましたが現実世界は着々と進んでいるんですね。

The Next Phase for the V-22 Osprey: Build Global Support Like C-17

By ROBBIN LAIRD on July 27, 2015 at 2:19 PM
V-22オスプレイは9月で実用化8年目を迎える。オスプレイの投入により強襲作戦は兵力の投入・撤収・交戦で新しい時代に入った。
  1. そして同機の展開は新しい段階に入る。オスプレイを同盟国は購入するだろうか、その場合に世界規模で機体支援が十分に実施できるだろうか。同盟国も加え海兵隊、空軍、そしてまもなく米海軍も飛ばす同機の効果を増進することは可能だろうか。
  2. 日本、イスラエル以外の同盟国数ヶ国が同期調達に前向きであるが、課題の解決も必要となる。もともと同機は世界各国の運用は想定しておらず、部品供給など世界規模の調達も想定外で、世界規模での高度の支援も考えていなかった。
  3. 大胆に言わせてもらえれば、現時点の機体サポート体制は需要の高まりに対応できない。オスプレイ整備にあたる方面への取材では補給支援面の不足が第一線で痛感されているとわかったし、運用面で不確かな点があることもわかった。各国の潜在需要が国防総省の計画時の予想をはるかに上回っているためだ。
  4. 「V-22部隊の任務、運用地点が前例のない形で拡大している一方、海外のオスプレイ取得が増えつつある中、世界規模のサプライチェーンを発展させ革命的な軍事技術に歩調を合わせなければならない」とジョージ・トラウトマン少将(退役)retired Lt. Gen. George Trautman前海兵隊航空副司令官は言う。
  5. 世界規模での調達システムは構築可能だ。ボーイングはC-17で実績がある。同機の部品は共通化され、世界各地の同社拠点が支援している。これにより同盟各国は同機を調達しつつ、米空軍と完全に共通化して運用できる。
  6. 同様にオスプレイでも世界各地での運用に新方式を採用する必要があるが、これが実現しないと大きな失敗になり、戦略空輸能力への影響は必至だ。
  7. そこで日本へのオスプレイ売却がグローバル化の大きなきっかけになると期待される。日本でのオスプレイ運用は高ストレス環境下となる。米軍のCV-22、MV-22と並んで日本のV-22は共通の補給体制から通常より相当高い頻度で補充支援を受けるだろう。
  8. 補給頻度の需要が変動し、かつ米軍オスプレイは域内各地で運用するため、部品在庫は地域全体で想定しておくことが合理的かつオスプレイのグローバル展開で大きな一歩となる。
  9. 需要はオスプレイが追加能力を得れば更に高まる。ひとつにはF-35Bの海上支援任務がある。USSワスプでの海上公試が5月にあったが、オスプレイはF-35B用エンジンを艦上輸送する能力を実証した。F-35Bを運用する同盟各国もオスプレイによる支援に期待するはずだ。
  10. この能力開発は軍から正式に要求があったものではない。業界が自主財源で利用可能性を実現させたものだ。「プラット&ホイットニーがV-22を利用する可能性に着目したわけです」と同社は説明する。
  11. 海兵隊はプラットのコネチカット工場へオスプレイを飛ばし、P&W技術陣がオスプレイの正確な寸法を測り、乗員と運搬方法を検討した。機体のドアからエンジンモジュールを積み込み・積み降ろす方法の確立が鍵だった。
  12. ショーン・スタックリー Sean Stackley 海軍次官補(研究開発・調達)がエンジン補給方法で解決策を求めていた。業界は8ヶ月で方法を考案し、次に海兵隊がJSF開発室と共同でラピッドプロトタイプ方式で作成した。
  13. オスプレイは多用途任務機になる可能性があり、空中給油もそのひとつだ。海兵隊はオスプレイに給油機任務を与え、F-35Bやハリヤーの支援を行わせようとしている。海兵隊は揚陸強襲艦での運用を想定。
  14. 空中給油任務は大型空母でも投入の可能性がある。ベル=ボーイングはすでにその準備を始めている。.ボーイングのオスプレイ生産施設(フィラデルフィア)を訪問すると空中給油能力の実現方法の説明があった。ボーイングは3D仮想現実シミュレーションで機内の給油システムの開発を行っている。
  15. つまり要求性能から初期設計と詳細設計ができることを意味する。実験設備を続けて使うことで「工程内」で試作装置の評価が完結して、これまでのように何年もかけずに数ヶ月で正しく機能する装備が実現するわけだ。
  16. V-22を運用する米軍各部隊および同盟国が同機を世界各地で維持することがオスプレイのグローバル運用の次の段階につながる点で重要だ。■


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