スキップしてメイン コンテンツに移動

★米新軍事戦略が想定する考えたくない危険な可能性



ロシア、さらに中国との交戦を想定すると戦闘は長期化する、との予測でとりあえず新板の国家軍事戦略はできたが、中身はまだ未整備だというのが今回の指摘です。細部はともペンタゴンが現実の世界に対処する考え方をまとめはじめたということでしょうか。

New Military Strategy Shows A Dangerous World – But Not How To Deal With It

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on July 10, 2015 at 12:15 PM

WASHINGTON: ペンタゴンは世界の変化を痛いほど認識しているが、対応方法の答えが見えていない。
新国家軍事戦略National Military Strategyから見えてくるのはこんな頼りない結論だ。そもそも官僚の作文には高い期待はできないものだが、今回の新戦略構想ではこれまで存在しなかった脅威をどうとらえているのかのヒントが含まれている点が救いだ。ただし、対策は普通の域を脱していない。.
「良い点は全体の状況把握は正確で、戦略環境を正しく捉えていること。では軍としてどう対応すべきかという点になると、やはり以前通りの直線的な解釈に終始している」というのが陸軍大学校准教授ネイサン・フライアNathan Freierの評だ。
戦略案を発表したデンプシー統合参謀本部議長は複雑な安全保障環境から「軍歴40年の中で最も予測が難しい」と評している。テロリストのみならずロシアや中国といった大国との開戦のリスクが「拡大中」である状況が同時並行しており、その中間に「ハイブリッド脅威対象」としてゲリラ勢力が国家並みの装備を展開しているという認識だ。ロシアによるウクライナ併合は現地勢力を活用しつつ、特殊部隊も展開した点でハイブリッド型の例で軍事大国がゲリラ戦術を活用している点に注意が必要だ。イスラム国が支配地域を確保し維持しているのもハイブリッド型で非正規部隊が限定的ながら国家のように振舞っている例だ。
ただし新戦略ではすべての脅威対象を同じ軸に配置している。非国家勢力による戦闘が発生する確率は高いが、危険度は低い。一方で大国との戦闘は可能性は低いが発生すれば極めて危険だ。このように考えるのは単純化しすぎだろう。
Conflict spectrum from the 2015 National Military Strategy
2015年版国家軍事戦略構想より 紛争の分類
ロシアのような大国は通常型軍備を使わずに大きな損害を与えることが可能だ。天然ガス価格の操作、ハッカーの活用も武器になる。逆に非国家勢力のイスラム国が世界規模のテロ破壊活動を展開することは可能で。これまでの指揮命令系統を使用せずにソーシャルメディアを使って実施できる。
「10年20年までは指導層がないままの抵抗活動が最新の形態だった」とフライアは語る。「ところが指導層が存在しない抵抗活動が現実のものとなっている。バラバラの個人が遠隔地の思想に従い行動している」 テロリスト組織と直接の接触がない戦闘員が実質的に動員されているという。
次の大戦が発生したら?
指導層がなくても自主的に組織されたテロリスト集団はローエンドの悪夢だが、大国との戦闘はハイエンドの悪夢と言えよう。デンプシー議長はアメリカの技術優位性が失われつつあるとを警告する。この危機意識はこの数年間でペンタゴンの優先事項で最上位になっている。またデンプシーは戦争が「長期化」する可能性を指摘している。
だが21世紀に大規模戦闘が長期化するだろうか。大国間では戦争のない状態が長く続き、軍事技術は急速に進歩しているので、結果の想像が難しい。デンプシーは明言を避けるが、米国のスマート兵器が使い果たされ在庫が空になる可能性は高い。
第一次大戦では両陣営は戦前に備蓄した兵器を開戦後10週間までは使っていたとジョン・スティリオン John Stillion (戦略予算研究センター)は指摘する。「弾薬不足と火力による甚大な損失で戦闘はむしろ長期化した」という。第二次大戦では日米海軍は真珠湾攻撃後12ヶ月でそれぞれ相手陣営の空母を標的とした結果、「両国が空母部隊を再編する19ヶ月にわたり大規模な空母対決は発生しなかった」(スティリオン)
米国の南北戦争を見てもわかるとスティリオンは続ける。初期のブルランの戦いで両陣営は長期戦体制に入った。「歴史が証明しているのは大国同士の戦争は長期化する傾向があるのは、相手に一方的に損害を与えられないためであり、開戦直後に敵を圧倒的に制圧できないことも理由だ」
もし大国間の戦争が今勃発するとアフガニスタンとは様相が異なっても、第二次大戦とも全く違う形になるだろうと、CSBA研究員ブライアン・クラーク Bryan Clark:がコメントした。「現在の産業基盤では最新の高性能装備や兵器を急には増産できない」ので初期の交戦で損耗した装備の補充はできない。
だが大規模かつ長期にわたる軍事衝突は未経験の課題を残すだろう。
「この戦略の欠陥は戦略として機能していないことです」とクラークは更に続けた。「文書の上では資源に限りがあると認めているが、それを前提に米軍部隊がどう対処するのかは触れていないですね。たとえば、『敵の全滅』は不可能かもしれないし、限られた資源で目的をどう貫徹するのか、これまでのやり方は通用しません」
「結局、文書は意向を示すことに終始しており、実施可能な戦略になっていません。本当の戦略なら立案上、開発上あるいは予算認可の各段階で国防総省の限られた資源をどこに使うべきかを決定するのに役立つものであるべきです」とクラークはコメントした。■


コメント

このブログの人気の投稿

★★★★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。
Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up HypersonicsSR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中
Sep 27, 2017Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics
SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas—ロッキード・マーティンが極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコンバインドサイクルエンジン一基だ。しかし実証機に先立ち、ロッキードは各種技術の地上・飛行テスト…

★★真偽は?日本もUCAVを開発していた

日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。This is the combat drone Japan has been building in secretこれが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ 川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison) By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM http://www.wearethemighty.com/news/this-is-the-combat-drone-japan-has-been-building-in-secret
無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。 だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。 ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。 WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。 このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわか…