オーストラリア向けのグラウラーは米海軍仕様とは微妙に異なっているようですね。ただし、空対空ミサイルを搭載するというのはどんなもんでしょう。機数に限りがあるため出来るだけの機能を一機でこなせるようにしたいというのがオーストラリアの用兵思想なのでしょうか。もし日本も同機を導入したら同じ発想になるのでしょうか。NIFC-CAがまた出てきますが、米軍との親和性ではオーストラリアが一歩先を行くようですね。ゆくゆくは日米豪でネットワークを構築すると見ていますが。
U.S. Navy Lessons from Libya Informed Australian EA-18G Growler Modifications
By: Sam LaGrone
July 30, 2015 4:25 PM
オーストラリア空軍向けEA-18Gグラウラーの1号機が7月13日に初飛行した。T. Boeing Photo
ST. LOUIS, MO.— 米海軍はリビア攻撃の教訓をオーストラリア向けボーイングEA-18Gグラウラー電子攻撃機に伝えたと米海軍関係者とオーストラリア空軍(RAAF)関係者が報道陣に語っている。
- 「リビアで最大の教訓は電子光学ポッドがグラウラーに必要だとわかったことです」と語るのはRAAF前参謀長ジェフ・ブラウン中将 Air Marshall Geoff Brown だ。「電子発信音をとらえ所在がわかったあとで標的を見ることができますから」
- レイセオン製ATFLR(前方監視赤外線)ポッドを加え、グラウラーは目標の状況を更に高いレベルで把握できることになった。
- グラウラーの電子攻撃の基本は敵防空体制を電子的に探知し、利用不可能にすることだが、現行の米海軍仕様グラウラーにはFLIRポッドはついておらず、スーパーホーネットの有する視覚鋭敏さに劣る。
- 2011年のオデッセイの夜明け作戦ではグラウラー5機の一個飛行隊がリビア上空の航空戦を支援したが、電子的に探知したあとの目標確認ではFLIRを搭載した他機に頼っていた。ドナルド・ガディス少将Rear Adm. Donald Gaddis(米海軍の戦術機事業主管)が報道陣に対しボーイング社内で開かれた式典会場で解説している。.
- EA-18GのパッシブALQ-210レーダー探知機とアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を使い、MIDSとLink 16経由で「他機に目標の軌跡を伝えた」(ガディス少将)「ポッドを搭載すると他の装備が積めなくなりますが、ATFLIRを搭載した別の機からのデータリンクが不要となり、自分で確認できるようになります」
- ただし米海軍が導入済みEA-18Gにポッドを搭載する改修をするのか、新規生産機から標準装備にするのかは不明だ。
- FLIR以外にRAAF向けグラウラーにはAIM-9X空対空ミサイルが搭載される。
- RAAFのグラウラー調達は航空関係で特に米国製装備を導入するオーストラリアの傾向のひとつだ。
- グラウラーは総額22億ドルの事業だが、オーストラリアは別にボーイングP-8Aポセイドン海上領域状況認識・対潜哨戒機、ノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトン海洋情報収集監視偵察無人機(UAV)、ロッキード・グラマンF-35ライトニングII供用打撃戦闘機を導入する。さらにボーイングE-7Aウェッジテール空中早期警戒統制機が導入済みだ。
- 各機はRAAFがめざすネットワーク化航空戦構想プラン・ジェリコの実現の基礎となる。
- このうちグラウラーとF-35Cには米海軍の海軍統合火器管制防空 (NIFC-CA) で中心的なノードの役割を期待され、RAAFが機材を導入するのは米戦闘ネット網に組み込まれることになるのだろう。
- 「米国側とはいつも協力分野を検討してきました」とブラウン中将はUSNI Newsの取材に答えている。プラン・ジェリコがNIFC-CAのよなネットワーク構想で協調型交戦能力 (CEC) を目指すのかというのが問だった。「米海軍、米空軍とは切れ目なく相互運用をめざしています」
- ボーイング上層部はUSNI Newsに対してF/A-18E/Fスーパーホーネットとグラウラー生産ラインを2010年代末まで維持するためには米海軍向けスーパーホーネット追加発注12機の議会承認が必要、また国際市場向けには50ないし70機の販売成約が条件との発言があった。
- 数ヶ月以内にデンマークが同機24ないし36機の調達を決定すると見られ、同規模の調達を中東某国が検討中とボーイング関係者は明かし、ただし国名は話さなかった。USNI Newsはクウェートであると理解している。■
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