このブログではじめてゲームを紹介します。中に出てくるHarpoonは絶版のようですが、海軍ゲームのシミュレーターとしてすごいソフトでした。今回の新ソフトはどうでしょうか。
Game Review: ‘Command’ is A Worthy Successor to Harpoon
By: Kyle Mizokami
US Naval Institute, Tuesday, September 24, 2013 
Command: Modern Air/Naval Operations
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PCゲームソフトで知的な訓練に使えそうなものは本当に少ない。ゲームではともすれば現実を大幅に誇張するか完全なファンタジーの世界にこもりがちだ。ここにその例外となるソフトが現れた。“Command: Modern Air/Naval Operations” (「コマンド」)であり、「硬派」なシミュレーションソフトとして近代の海空戦のすべての局面を忠実に再現するものだ。かつてのHarpoon(「ハープーン」)シリーズの後継者になる可能性が十分あり、コマンドはゲーム愛好家のみならず軍、政府、研究者にも現代戦のシミュレータとして十分通用する内容だ。
「コマンド」は海空戦の様相を1950年から2016年の範囲で再現するもので、登場する艦船、潜水艦、航空機、兵装は実際のものをモデルとしている。再現しているのは対潜作戦、タイ水上艦作戦、対空戦、機雷戦(空中投下含む)、電子戦、海賊取り締まり作戦、警戒行動、強襲作戦、核兵器、衛星、無人機と近代戦の全容をカバーしている。
また、艦対艦交戦から戦略核兵器による応酬まで範囲が広い。艦船航空機は個別でも集団でも操作可能で、部隊数も数千まで広がる。(ただしゲームに使うコンピュータの性能に依存) シナリオでは24時間から36時間の範囲でリアルタイムで操作可能だ。一時中断や時間を早くすることも可能。各部隊が配置につくまでは加速させておいてから、索敵してからリアルタイムに切り替えることができる。
ゲーム内の地図はグーグルマップのような三次元表示で、地図データはスペースシャトルがレーダー観測した立体地形データShuttle Radar Topography Missionを利用している。最大ズームでは地球全体が俯瞰でき、最小レベルでは数百メートル単位で表示する。この切替で地域紛争や長距離ご創作戦、核戦争のように同時に複数の地点で発生する想定のシナリオが有効に使える。また、港湾、空軍基地、戦略目標をk別に表示して、実存する地下司令部、精製工場などを目標に設定することができる。
「コマンド」のすごいところは艦船、航空機、ミサイルその他兵装のデータベースが充実しているところで、これが全部再現されている。データベースがどこまで充実しているかというと、ファイヤスカウト、ズムワルト級駆逐艦、中国の空母「遼寧」までが入っていることでわかる。このデータベースはプレイ中にいつでも参照でき、電子支援手段により接触した敵の正体をデータベースが教えてくれる。
ゲームではシナリオ数本が入っており、朝鮮半島での軍事衝突、NATO対ワルシャワ条約軍の北海での衝突、1982年のフォークランド紛争からもっと現代的な南シナ海での軍事緊張まで様々だ。各シナリオはプレイ時間も複雑度も異なり、プレイヤー自身がシナリオを自由に作ることも可能。そのためシナリオビルダーが付属しており、データベース参照しマップ上で確認できる。この機能を使ってすでにシナリオを公開する動きがゲーム愛好家の中で始まっている。
その中でエアシーバトルの再現が可能だろう。アメリカ軍と同盟国側の防衛網を韓国、日本、グアムで再現し、さらに太平、の小島や空軍基地、海軍基地、ペイトリオットミサイル迎撃部隊に至るまで再現できる。同様に中国沿海部の防衛体制も再現できる。これで中国との戦闘状態を想定し、実際にそれが発生した場合をシミュレートできる。
これ以外に非正規戦や特殊作戦を再現できる。海賊や地上ではテロリストから地上の建物、車両までシミュレートできるのだ。また、地上部隊の動きや空中降下による部隊移動、ボートやSEAL用の車両・ヘリコプターを利用できる。ただし地上戦のシミュレーションは限定付きで中心はあくまでも海空戦の再現だ。また核兵器は戦術級、戦略級双方が利用できる。たとえば核爆雷、核対潜ロケット、またオハイオ級原潜によるトライデントD-5発射をシミュレートできる。
兵站活動や物資補給も再現しており、弾薬では個別の砲、ミサイル発射まで見る事ができる。空中給油機も利用でき、艦船には海上補給もできる他、空軍基地や空母は航空機作戦を支援するのは現実どおりで、発進から回収、再補給、燃料補給以外に機体掩体壕まで再現する。
ゲームをプレイすると急速に学習することが可能だが、一度内容がわかればプレイヤーは大部隊をうまく利用することができるようになる。チュートリアルシナリオが三本付属しており、それぞれ水上戦、潜水艦作戦、空中作戦で基本を学ぶことんができる。例えば水上戦ではアーレー・バーク級駆逐艦が対艦ミサイル防衛手段を展開し、 Mk-45 127mm 砲を発射し、トマホーク巡航ミサイルを敵の弾薬庫に向けて発射し、ロメオ級潜水艦をSH-60シーホーク・ヘリで攻撃し、ナヌチカ級ミサイル海防艦にハープーンミサイルで対抗する、という具合だ。
「コマンド」はウィンドウズの他のゲームよりも玄人向けの内容だ。ゲーム操作画面では目を引き付ける新奇性はなく、インターフェイスも洗練されているとはいいがたい。しかし、その反面、現代戦を詳細に再現している点では他に例がない。ゲームをプレイすれば画面が格好よくないなど気にならなくなるはずだ。
「コマンド」は娯楽用途以外に訓練用に、さらに新しい作戦構想の有益性を検証することにも使えるソフトだ。充実したデータベースとマップを利用してどんなシナリオでも再現できる。
「コマンド」はゲーマーから政府関係者まで広い範囲で受け入れられ、政府では今後の非公開作戦内容も検証することに使うかもしれない。近代戦シミュレーションでは決定版になる可能性がある。「コマンド」はウィンドウズ向けに9月24日発売開始予定。
コメント どうですか。プレイしたくなりましたか。まだアマゾンでは販売していないようですが、発行元からダウンロードできるようです。注記 Harpoonはお試し版を US Naval Instituteからダウンロードできるようです。
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