どうしても戦闘機の話題が読者の関心をしめているようですが、このブログの本来目指しているISR機材関連、無人機の話題も日本には必要と考え、あえて掲載していきます。今回もその流れで超長時間飛行機材をご紹介します。無人機では大きく遅れを取っていることが明白な日本にとってまずこれまでの遅れをとりもどすためには大きく目を開く必要がありますね。

Aurora’s Orion MALE UAV Aims For 120-hr. Flight
By Graham Warwick
Source: Aerospace Daily & Defense Report
September 17, 2013
Credit: Aurora Flight Sciences
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オーロラフライトサイエンス Aurora Flight Science の新型無人機オライオン Orion が高度20,000 ft.ペイロード1,000-lb.120時間連続飛行という目標への最初の一歩を踏み出した。
- オライオンはプレデターと同等のペイロードを搭載し連続監視飛行を行うことができるようになる。現行のUAVは24時間ミッションが主なので、離発着回数を減らし、操縦制御する人員の負担と運用コストを下げることが可能となる。
- オライオンは8月24日に「西部のテスト施設」から初飛行したが、これはカリフォーニア州チャイナレイクのことと思われる。エンジンはAustro Engine のAE300で燃料効率が高いターボディーゼル2基で飛行時間は3.5時間に及んだ。高度は8,000 ft. で約60ノットだったと同社のUAS事業部の副社長トム・クランシー Tom Clancy が明らかにした。
- 国防総省内で同機の管轄が幾度も変わっている。オーロラ側は現在の管轄先を明かすことを拒んでいるが、Aviation Weekは米空軍のビッグサファリ計画室 Big Safari program office と理解しており、特殊用途機体の改修、調達をしている部門だ。
- 同社が開発を開始した2006年当時は陸軍予算で水素動力の「高高度長時間滞空機」 “high-altitude, long-loiter” (HALL) となるUAVを完成させる予定だった。2008年になり同社から空軍研究所に対し中高度版のオライオン案が通常エンジン動力として自主的に提案されている。これが共用技術コンセプト実証 joint concept technology demonstration(JCTD) の中高度グローバル情報収集監視偵機・通信中継機(Magic)となり契約が成立している。
- HALL設計案から複合材料製の主翼、尾翼を使ったオライオンはオーロラのゴールデントライアングル(ミシシッピ州)工場を2010年11月にロールアウトして、2011年8月に初飛行の予定だった。「案件の進展は予算計上の進度に左右されました」とクランシーは明かす。「ただし目標水準は最初に設定されたままです。120時間連続自律飛行のUAVでペイロード 1,000 lb. 高度20,000 ft.です」
- 技術上の目標はMagicの内容に準じている。「低価格を離着陸回数削減で実現し、自律性で訓練費用を下げ、オープンアーキテクチャアでアップグレード費用を最小限にするまたはミッションシステムを強化させることです」とクランシーは説明する。「プラグアンドプレイをめざしており、ミッション装備の変更も比較的容易になります」
- 初飛行時に機内にはミッションシステムはまったく搭載していなかったが、120時間連続飛行実証(2014年中ごろ)の際には搭載予定で、「情報収集機材複数となろう」という。オーロラからはMagic実証で三機の生産が提案されたが、現在は「二機以上になるかはお話できない」という。.
- また同機のシステムを作戦に投入する予定があるかについてもコメントがなかった。オライオンの主翼は長く複合材製の一枚構造で抗力を押さえ、軽量に仕上がっている。このふたつが中高度での長距離飛行を可能としている。もうひとつの鍵は燃料消費効率が高いターボディーゼルエンジンでジェット燃料を使う。
- 100時間超の長時間飛行を狙う機材は他にふたつあり、エアロヴァイロンメントAeroVironment’のグローバルオブザーバー Global Observer とボーイングのファントムアイ Phantom Eye はともに水素燃料を用い、高高度飛行設計だ。二機種ともに数回の飛行をしただけで買手がない状態だ。.
- 長時間飛行には高度の信頼性も必要となり、オライオンのシステムアーキテクチャアは同社の有人飛行可能なセントー無人機と同様の自律性と冗長性がもたせてある。「中には三重になっているものもあり、他は二重です。長時間飛行のためにはひとつも故障が許されませんからね」とクランシーは語る。■
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