USAF Weighs Future Priority Needs
aviationweek.com Nov 18, 2011米 空軍の新型装備開発計画も現実の財政制約で既存装備の改修と新装備開発との間に極めて微妙なバランスを取ることを余儀なくされている。そのひとつにF- 22後継機種の開発計画があり、空軍内でF-Xと呼称されている。20年先に実用化される技術でそのあと30年間にわたり制空権を確保する方法を模索して いる。また次世代ミサイルは現行のレイセオンAIM-120D空対空ミサイルの後継モデルでF-22・F-35の機体内部搭載を想定する。
- ま た空軍はミサイル防衛庁と空中発射兵器のミサイル防衛体系取り込み構想を協議中。この構想の出発点は空軍参謀総長ノートン・シュワーツ大将が空中発射で確 実に命中する兵器体系の可能性を2009年に問いかけたことで、そこから技術検討が開始された。空軍はこの構想に関心を示したもののMDAに開発を担当さ せようとしていると伝えられる。
- 空 軍は2014年度以降の予算方針を検討しており、この構想もその一部となると見られる。方針案の完成は来年1月の予定で現時点で協議が進んでいる予算削減 の内容も反映されるだろう。財政難の及ぼす一例として空軍はF-16およびA-10の州空軍での配備機数を削減する案があるが、予算節約にはなるが、ミッ ション遂行のリスクとなる案だ。
- F-35Aの運用開始がさらに遅れて2018年となる見込みからF-16ブロック40/50の300機ないし350機の耐用年数延長、エイビオニクス改修が予定されており、一機あたり10百万ドルになると空軍は議会に報告している。
- さ らにF-15の老朽化も無視できない。2008年には金属疲労が原因でF-15Cの墜落事故が発生している。さらに機体構造にひびが入っているのが最近発 見された。機体点検で対策が可能である程度でまだ致命的問題とはなっていないが、各機の経年変化は免れない。すでに長期間就役している機体では修理点検サ イクルがはやまっているが、F-15Cで2030年、F-15Eが2035年という就役期間の終了目標が達成できなくなるまでとは見られていない。
- も う一つの課題が厳しい予算配分の中で機体の運用能力を将来にわたり維持する点だ。ソフトウェアとプロセッサーの改修が効果的と見られ、F-15Cで APG63(V)3 、F-15EではAPG-82(V)のアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー改修が想定されている。
- あわせてF-15Eに搭載されているスナイパー目標捕捉ポッドを-C型にも搭載すべきかが検討中。これは2012年度予算で総額345百万ドルの赤外線探知捕捉システムを取り下げて節約を図ったための対応だ。
- 現 時点で最新鋭のF-22も長期間に渡る性能改修を受ける。短期間改修はすでに実施中だが、空軍はこれとは別の3.2C改修内容を決定する。その内容には攻 撃・防御能力を向上する敵味方識別能力、自動地上地形衝突回避能力が含まれる。F-22の収集するデータをその他機種と共有する方法も検討している。F- 35とのデータ共有はもともと構想ずみだが、F-35の就役開始が遅れることでF-22データを第四世代戦闘機に配信することが急務となってきたのだ。
- F- 22最初の大規模性能改修となる3.1改修の機体が就役状態に復帰しつつあり、最初はエルメンドーフ-リチャードソン供用基地(アラスカ州)に二機が到着 した。改修は2016年まで継続し、小口径爆弾8基の運用能力、合成開口レーダー(SAR)の画像取り込み、精密な位置情報獲得、電子攻撃能力が盛り込ま れる。
- 改修性能の完全な評価はまだ出ていないが、空軍戦闘軍団によるとこれまでの成果は満足できるものだという。SARの正確性は予想を55%上回り、位置把握は15%も良好だという。電子攻撃能力はテストでは全件実施に成功している。
- ま たF-22にはAIM-120Dの発射能力の基礎部分が来年に組み込まれる予定であるが、完全な運用能力は2017年の3.2B改修まで待つことになりそ うだ。レイセオンAIM-9Xドッグファイト用ミサイルを発射する能力は2015年に前倒しされるが、完全搭載はやはり3.2B改修で実現することにな る。その前に3.2A改修が控えており、ソフトウェアの性能拡張でリンク16のデータリンク機能、戦闘情報統合および電子防御能力が搭載される。この実現 は2014年ごろの予定。
- 2016年をめどに空軍はブロック20のF-22は訓練及び技術開発用に使用し、ブロック30/35機体を作戦運用に回す予定だ。このうちブロック20は36機が該当し、ブロック30/35は149機になる。
- コメント F-22の作戦投入合計機数は149機になるのですか。またF-35の計画遅れの影響は広範囲ですね。有人戦闘機の意義がどんどん薄れていき、無人機が台頭する中で技術温存のため極少数の有人機が運用されるのでしょうか。一方で「ならず者国家」が第四世代あるいは第3世代の大量の機材を作戦に投入したらどうなるのでしょうか。電子の力でF-22が一機で10機分の仕事をするとしても、長期の作戦となれば米空軍の機材が全滅するという冷戦時の対ソ連戦闘のシミュレーションが現実のものとならない保証はありません。
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