スキップしてメイン コンテンツに移動

RQ-170 新型ステルス無人偵察機の存在を米空軍が認める


USAF Confirms Stealthy UAV Operation

aviationweek.com Dec 4, 2009


1. 米空軍は本誌Aviation Weekに通称「カンダハールの野獣」といわれるステルス機に類似した形状の遠隔操作無人機(UAV)の存在を認めた。同機はアフガニスタン上空で2007年末に目撃されている。
2. RQ- 170センティネルは無尾翼の全翼機形状でセンサーポッドを左右主翼上部に搭載しているといわれ、ロッキード・マーティンの先端技術開発プログラム (ADP)つまりスカンクワークスで開発された。空軍関係者が本日「ステルス無人航空機システム(UAS)を開発中で偵察監視支援業務を前線配備の戦闘部隊に提供することが目的」と明らかにした。
3. 同機はこれまでも本誌の技術関連ブログAres他で論議の的となっていたが、米空軍から本誌への発表は同機の詳細をはじめて公式に述べるもの。
4. 「RQ- 170の配備はロバート・ゲイツ国防長官が情報収集、監視、偵察(ISR)支援の強化を戦闘部隊司令官各位に求めたのと軌を一にしており、空軍参謀総長ノートン・シュワルツ大将の目標とする無人機を今以上に利用する空軍のビジョンにもあうものだ」と空軍は発表した。
5. RQ-170を運用するのは第30偵察飛行隊(ネヴァダ州トノパ試験場)で、同地でF-117ステルス戦闘機もその存在が秘密となっている間の基地としていた。同飛行隊は空中戦闘軍団の432飛行群(ネヴァダ州グリーチ空軍基地)に所属している。カンダハールでは同機はジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステム社のハンガーから運用されているのが目撃されている。
6. 第30偵察飛行隊は2005年1月に発足しており、同隊の実戦化は極秘作戦の動向を注視する関係者からはかねてから注目されていた。
7. RQ- 170という名称もF-117の命名と似ている。既存機種の形式名から隔絶しており、明らかにその存在を知られないための措置だ。RQは非武装機を意味し、MQがプレデターを武装化した機種およびリーパーに与えられている。空軍の説明にある「前線配備部隊への支援」に今回判明した詳細情報を加えると、ある程度のステルス性(鈍角にしてある前縁、単純なノズル形状、センサーポッドの翼上装着)があり、同機は戦術用途の実用性の高い機体であり、戦略情報収集の用途の設計ではないことが伺われる。
8. 多くの疑問が同機の用途について未解答だ。もし、同機が高高度飛行の設計なら同機の塗装はつじつまがあわない。全体が中程度のグレイ塗装で、プレデターやリーパーと同じだが、濃いグレイあるいは全面的に黒色の塗装とするのが高高度飛行機体に最適とされている。翼端長は65フィートのようだが、MQ-9リーパーとほぼ同じだ。インターネット上でも同機の画像はごく限られている。すべて左側からの撮影だが、太い胴体が主翼に一体化しているように見える。
9. 低視認性の機体設計によりイラン国境を飛行させ中国、インド、パキスタン各国の内部を偵察させれば有益だろう。ミサイル試験のデータ、通信情報の傍受、その他各種の情報を収集できるのではないか。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ