Japan Defense Budget Rises 0.8%
By Paul Kallender-Umezu8:36 p.m. EST January 14, 2015
TOKYO — 日本の平成27年度防衛予算は0.8%増で4.82兆円(411億ドル)になると判明した。支出規模は平成2年実績水準に復帰する。
昨夏に要求の2.4%増からは相当下がったものの、増額は三年連続となり、保守的な阿部政権が積極的な防衛姿勢を示していることを反映している。
昨年7月に安倍政権は憲法解釈を変更し、限定的ながら集団的正当防衛行使に道を開いている。これに伴う法改正が本年の国会審議の中心課題だ。
また1997年以来初めてとなる防衛協力のガイドラインが改訂に日本と米国が取り組んでおり、より緊密な共同作戦ができるようにする。
防衛省は大型調達案件全部で予算を獲得し、航空自衛隊の装備更新、沖縄以南の南西諸島防衛強化、海上自衛隊の整備を進め、中国人民解放軍海軍へ抑止効果を強化する。
今回の予算規模4.8兆円は防衛省の要求にほぼ沿ったもので、さらに追加予算として次期政府専用機導入や米軍再編関連予算があり、総額4.9兆円となる。
大型案件は川崎重工のP-1哨戒機20機を調達(3,504億円)、新型あたご級イージス駆逐艦(1,680億円)、F-35A共用打撃戦闘機6機の導入(1,032億円)だ。
ただし予算環境が厳しい中で防衛省は主要装備は小分けして調達するため、P-1は2018年から2021年にかけて五分割して導入される。また、イージス艦8隻体制は平成32年度以降に実現する。
「増額規模はわずかとはいえ、領土防衛能力が向上し、米国の同盟国としての実力が涵養される。とくに、P-1対潜哨戒機、イージス艦も有益だ」と見るのはグラント・ニューシャムGrant Newsham(日本戦略研究フォーラム上級研究フェローa senior research fellow at the Japan Forum for Strategic Studies),だ。
一方で防衛省はF-15、F-2の性能向上と潜水艦22隻体制への増強を進める。そうりゅう級潜水艦の推進手段を変え高性能ステルス性をさらに高める。
また今回の予算で防衛省はISR機能の充実に踏切るとともに南西諸島の防御を強化する。V-22オスプレイ5機の導入に予算がつき、ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホーク導入3機調達のうち初号機を導入する。またAA-7強襲水陸両用車両30台を調達する。
南西諸島駐留部隊は仮称で水陸両用強襲遠征連隊Amphibious Rapid Deployment Brigade (ARDB)と呼ばれ、平成30年までに3千名規模になるとコーリー・ウォレス Corey Wallace,(ニュージーランド、オークランド大 University of Aucklandで日本安全保障論を研究)は指摘する。700名がすでに初期訓練を受けており、今後の中核となり、今年中に佐世保で隊が発足する。オスプレイも九州に配属されるはずとウォーレスは指摘する。
「強襲能力の必要性が予算でも認められたことを評価したい。またオスプレイで南方地域での活動範囲を拡大できる」「AAV導入も評価に値する。陸上自衛隊と海上自衛隊の連携が必要となる。大して高価とも言えないハードウェアが戦略的な効果を生むのは珍しい。これまで各軍が独自に動いていた傾向一変できるからだ」(ニューシャム)
南方重視方針で陸上自衛隊は小規模ながら第303沿岸監視隊を与那国島に駐とんさせるが、同島は台湾から70マイルしか離れていない。
「日本は海上自衛隊を充実させ中国が東シナ海で制海権を握るのを阻止しようとしており、南方島しょ地域の防衛にも本腰を入れはじめた」と見るのはクリストファー・ヒューズChristopher Hughes,(英ウォーウィック大University of Warwick教授、国際政治・日本研究論)だ。
Email: pkallender@defensenews.com.
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