Opinion: Obama’s Trip to India in Context
By: Scott Cheney-Peters
Published: January 23, 2015 2:18 PM • Updated: January 23, 2015 2:37 PM
オバマ大統領がインドの共和国建国記念日式典に来週参列するが、国賓の扱いで招聘される初の米国大統領としてとなり、米印関係の新時代のシンボルとなる。式典会場の上空をボーイングP-8I海洋警戒機(Maritime Patrol Aircraft, MPA)がミコヤンMiG-29K編隊と上空を飛行する予定。インドにとってこれもシンボルとなる展示飛行になる。
ボーイングP-8I 海洋警戒機 Maritime Patrol Aircraft
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両機種ともインド海軍所属だが、式典でインド海軍機が上空通過飛行をしたのは1984年のハリヤーの例しかなく、海洋力を増強中のインドを印象つけるはずだ。
インド海軍ではこの一年半で20名の人命喪失・艦艇数隻損傷という失態が続き、信頼度が揺らいでいる。1991年に「ルックイースト」方針を採択したものの最近までは従来通り隣国パキスタンとの関係を中心に据え、陸軍・空軍の拡充の前に海軍はなおざりにされていた。
新首相ナレンドラ・モディ Narendra Modi が昨年11月に就任し、その方針がスローガンから実行に移る機運が生まれたと観測筋は語る。
モディ首相はベトナムと日本との関係を強化。特に日本とは米印海軍演習マラバーの再開決定にあたり米印日の三カ国関係の強化を打ち出した。今年初めにはスリランカで中国の影響を覆そうとしている。(ただし公式には否定) 海上シルクロード構想を提唱する中国がスリランカに潜水艦を寄港させたのがインドの神経を逆なでし、現職ラジャパクサ大統領の予想外の落選を実現させた。
海軍増強策の成果があらわれている。12月には初の国産原子力弾道ミサイル潜水艦の海上公試を始め、さらに8月には初の国産誘導ミサイル駆逐艦が就役した。国産空母建造も始まっており、海軍予算が着実に増えていることを示している。さらに今年の正月には沿岸警備隊がテロリストを搭載した漁船を事前に取り押さえ、「ムンバイテロ事件の再発」を予防して自信が強まっている。
ただし、華やかな展示飛行の裏でMiGがロシア製であり、P-8も米国製と気づく向きも多い。インドがこれまでのロシアに加え別の調達先を選択できることを示す。技術供与に同意する国との共同生産も視野に入っている。その中で、日本は新明和US-2水陸両用飛行艇の商談をまとめようとしている。
米国にとってもチャンスで、オバマ大統領は防衛協力の枠組みを更新し、今後10年間を視野にいれるはずだ。ただしこれは現状の延長線の想定だ。インドが求めているのは無人航空機(UAV)であり、エアロヴァイロメントAerovironmentのRQ-11レイヴン Ravenの調達を希望している一方、大型UAVによる海上監視任務あるいは攻撃任務にも食指を動かしそうだ。また、国産空母二号艦に原子力推進の採用を検討中と伝えられる。
UAV、原子力推進ともに米国が技術的に優位だが、販売にはリスクが生まれる。大型武装UAVは米国輸出規制の対象となり、これまでも他国要請を断っている。ただしもっと大きなリスクは商機を逸することで、企業の観点のみならず、両国海軍が得られるはずの協力効果が生まれなくなる方が心配だ。■
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