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米海軍は超大型空母以外に「小型」空母を建造すべきなのか

日本他で出現しているF-35搭載「空母」はどこまで超大型空母を補完できるのでしょう。すくなくとも低甚度紛争に超大型空母を派遣しなくてもあれば戦力を有効に使えますが、F-35B数機程度では大きな攻撃力にならないのでは。と思いますが、これまでの戦力とF-35がケタ違いに違うのであれば話は別です。ここは超大型空母とは違う世界を想定しないと話が先に進みません。

 

The Real Story of Why the Navy Hates 'Small' Aircraft Carriers 米海軍が「小型」空母構想を嫌う理由はどこにあるのか



April 24, 2018


米海軍で供用中の原子力超大型空母10隻は最大規模の艦船だ。5千名を超える乗組員海兵隊員が住みかとするニミッツ級空母は原子力推進で艦載機90機近くを搭載できる。だがこの形以外も可能なはずだ。海軍が数十年前に今と違う選択をしていれば超巨大空母へ費用対効果に優れた中型空母が補完効果をあげていたはずだ。

第二次大戦中の米海軍には空母型式二つがあった。大型艦隊空母と護衛空母だ。大型艦が攻撃力の中心で戦闘機、急降下爆撃機、雷撃機を取り混ぜて搭載した。護衛空母は「ジープ」空母とも呼ばれ小型艦で艦載機を小規模搭載し輸送船団の防空護衛や必要な場合に大型空母の穴埋めに活躍した。
戦後の米海軍は各種空母を運用した。大型空母として原子力艦USSエンタープライズ以下があり、小型攻撃型空母、対潜空母として戦時中のエセックス級を使った。その中で小型空母の老朽化が進み、その後継艦は超大型空母だった。小型空母は建造されず1980年代中にはUSSミッドウェイ、USSコーラルシーを除くと全部超大型空母だった。

超大型空母への道のりに政治と実用面の二つが混ざって作用した。国防予算が比較的自由に使えた冷戦時には大型空母一隻を発注するほうが小型艦二隻を毎年発注するより安全な選択だった。突然の緊急事態で二隻目の空母の発注取り消しを迫られない保証はなかったからだ。

大型空母は投入費用で得られる効果も大だ。単一艦に6千名もの乗員が乗る方が二隻で合計9千名必要となる場合よりも安上がりだ。大型艦一隻なら随行水上艦の巡洋艦、駆逐艦、フリゲートも一組で十分だし艦載機も大型化でき、多数搭載できる。

ただし大型艦の建造単価は極めて高くなり、運用経費も莫大な規模になっている。そのため海軍内部外部で代替策の検討が進んだ。1970年代には当時の作戦部長エルモ・ズムワルト大将がヴィエトナム戦終結後の予算縮小傾向の中で大戦時の艦船がまだ残る海軍艦艇構成に手を付けていた。何も手を付けないと戦力となる艦艇数が大きく減る危険があった。

ズムワルト提案は艦隊規模の維持のため艦船のハイローミックスがあり、高性能ハイエンド戦闘艦と戦力は劣るローエンド艦を組み合わせる構想だった。この考えを空母に応用しズムワルトは「中型空母」で超大型空母を補完する構想を提唱した。中型空母とは61千トン程度の通常動力艦で飛行甲板は908フィート長、最大60機を搭載し総人員は3,400名程度だった。

中型空母は蒸気カタパルト二基と、超大型空母の4本より少なく搭載し、艦載機発艦のペースは超大型空母の半分程度だった。エレベーターも大型空母の三基にに対し二基としながらも艦載機に艦隊防空任務機と対戦任務機を含めず攻撃力に集中することで超大型空母とほぼ同等の効果を狙った。

小型艦の多数建造には有利な点があった。戦後初めて空母合計が20隻を割り込み、通常型戦闘ですべての要求に答えるべく空母を十分そろえることが不可能となった。航空戦力を多数の艦に分散させれば空母喪失の場合にも抵抗力が高まる。現実にはペルシア湾などの新しい作戦水域の追加で既存戦力は薄く展開を迫られている。

中型空母構想の弱点は艦体の小ささでこれが原因で人気が出なかった。大型艦体があれば大型艦が実現するため海軍は引き続き大型空母建造を続けた。海軍は超大型空母で編成する空母戦力の実現を目指し、今日の空母部隊は全隻原子力推進超大型空母になっている。

だがこれで物語が終わったわけではない。新型フォード級空母の建造コストを憂慮したシーパワー推進派のジョン・マケイン上院議員も代替策模索に乗り出した。2017年1月のこと、同上院議員から白書が発表され、題名には「アメリカ軍事力の回復」とあり、「ハイ・ロー・ミックス」の空母整備を求めていた。アメリカ級揚陸強襲艦にF-35の短距離離陸垂直着陸型を搭載する構想なのだろう。今後も米海軍が空母調達を続ければハイ・ローミックス議論は続くはずだ。■

Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

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