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2060年までの供用を目指す米海兵隊のオスプレイ改修策とは。米海軍向けCOD用オスプレイの開発状況

真っ先に導入した海兵隊でもオスプレイの稼働率が低いのは驚きですね。整備、補給体制含め運用に違いがあるのでしょう。それだけに後から導入する米海軍は有利かも知れません。日本も陸自が少数機導入するのは運用に習熟する意味があるはずで後年度に導入規模を増やす布石なのでしょう。オスプレイの性能が今後どこまで拡大できるのかが見ものですが、ベルは新型ティルトローターも開発中です。


Marine Corps to Fly Osprey to 2060 - Preps Aircraft for Future Wars 

米海兵隊はオスプレイを2060年まで供用すべく機体改良で将来の戦場に備える

By Kris Osborn - Warrior Maven
海兵隊はMV-22オスプレイでセンサー改修と兵装追加の大規模改修と稼働率向上で機材の運用範囲を広げつつ稼働供用期間を2060年まで延長する。
「MV-22Bオスプレイは少なくとも今後40年使い続ける予定」と海兵隊航空部門広報官サラ・バーンズ大尉がWarior Mavenに語ってくれた。
原型機登場から20年経過したオスプレイは前例のない形で実戦配備、ミッション範囲や作戦投入が拡大している。
海兵隊も同機の改修と稼働率向上で苦労してきたことを認めている。この課題に輪をかけたのが2007年以来強まっている戦闘部隊司令からの同機への要請だと海兵隊関係者は指摘。
「整備訓練課程の内容、習熟化、標準化のペースが要求水準に見合っていなかった。現時点の整備要員の充足度では要求通りの作業ができない。現在のV-22稼働維持の仕組みでは機体の稼働率の維持向上が不可能だ。大幅に手直しが必要だ」と海兵隊は2018年度航空戦力運用案で述べている。「補給処での整備では要望に応えられない」
シナリオでは海兵隊は共通仕様即応率近代化Common Configuration, Readiness and Modernization (CC-RAM)構想を実施するとあり、バーンズ大尉によれば「全体でのミッション実行率を最低75パーセントにするのが目的」という。
海兵隊によればオスプレイ近代化改修構想は輸送力、速力、多様な運用能力を生かしながら性能を向上させることだという。ロケット弾、ミサイル他の武装でエスコートミッションを敵地内や高度脅威環境で実施可能にすることも含まれる。
その他センサーの高性能化、ナビゲーション、接続のデジタル化、高速化、ホバリング能力の強化、貨物取扱ではペイロード強化、次世代エイビオニクス、ミサイル小火器への防御力強化が改修内容だ。
2018年版の航空戦力運用案ではCC-RAMの対象にV-22の75機を想定し、マルチスペクトラムセンサー、コンピューター、赤外線運用技術、発電機、降着装置制御の改良をめざす。
オスプレイ近代化改修で海兵隊は戦闘統制システムとしてデジタル相互運用(DI)の搭載を進めている。ここにデータリンク、相互無線交信、イリジウム用アンテナを含み戦闘関連情報やC4ISR情報をリアルタイムで海兵隊部隊間で飛行中、ミッション中に共有する。
さらにオスプレイは給油機ミッションでも開発が進んでいる。海兵隊は主力機F/A-18やF-35Cへの給油を狙う。またCH-53E/KやAV-8B、他のV-22への空中給油も可能となる。
「空中給油能力は2019年にシステムとして利用可能となる。海兵隊の運用する機材すべてに給油可能でおよそ1万ポンドを移送可能」と2018年度の海兵隊航空戦力運用案が述べている。
オスプレイはティルトローター構造のためヘリコプター同様にホバリングモードで接近偵察したり、部隊や装備を垂直着陸で移動できる。航空機モードに切り替えれば固定翼機並みの速度で飛行できる。燃料満載で450カイリ飛行可能と海兵隊は説明。最大速度は280ノットで海兵隊員数名と機内搭載車両一両を輸送できる。
オスプレイが搭載可能な海兵隊機内搭載車両
Marine Corps Photo By: Pfc. Alvin Pujols

海兵隊はV-22近代化では進行中の次世代垂直輸送機事業で開発された新技術も導入すると明かしている。おそらく新型軽量複合材他化各種兵装、C4ISR装備や標的技術が含まれるのだろう。
また急速に進む人口知能技術もV-22改修で採用されるだろう。アルゴリズム改良でセンサーのデータや標的情報、航法情報を飛行中に活用することになるだろう。
こうした改良でオスプレイの実効力が今後も維持できる見込みだが、課題がないわけではない。海兵隊では補給処へのサプライチェーンが必要時に機能できるか、さらに今後長きにわたり維持できるのかが懸念されている。また新型機導入の前に既存機種の改修がどこまで可能かも問題だ。
そこで興味を引くのが空軍のB-52と陸軍のチヌークの事例で、大規模改修で機体はともにこれまで数十年間にわたり戦力を維持してきた。空軍はB-52を2050年代まで、陸軍はチヌークを2060年代まで100年間飛ばす予定になっている。
共通するのは機体の補強で長期供用を可能としていることだ。オスプレイはB-52やチヌークより新しい機体だが同様の対応が必要だろう。ここにバーンズ大尉がCC-RAMで「共通仕様」を強調する理由があり、既存機体でも新技術を都度導入できるようにする。この方法はDoDの調達事業全体で実行されており、システムを共通標準で設計し近代化が効率よく進むよう考慮している。
だが既存機体の近代化にも限界があることは広く知られており、どうしても新型機が必要となる。このため陸軍は将来型垂直輸送機事業を強く進めているのであり、ティルトローターも新世代に進化しようとしている。さらに新型機は新装備やC4ISR技術、センサー、自衛システム、エイビオニクスの搭載で有利だ。機体そのものがレーダー反射を減らす特性を発揮することが期待されている。
海軍のオスプレイ
並行して米海軍はCVM-22Bオスプレイの実現を急いでおり、数年内に姿を現す。重要な空母輸送任務 (COD) に供用中のC-2の退役が迫ってきたことからオスプレイの重要性が一段と増している。
海軍仕様のオスプレイは追加燃料タンクにより航続距離を1,150マイルへ増やす。これ以外に無線装備を一新し水平線越し通信が可能となり、機内案内放送も追加される。
海軍版オスプレイの供用開始は2020年代初頭の見込みでVIP輸送や人道救難ミッション含む現在C-2が行うミッションすべてを引き継ぎ、空母へ糧食、交換部品、装備を補給する。

海軍版オスプレイはC-2以上のミッションをこなす。ヘリコプターとしてあるいはティルトローターとして空母着艦すればC-2の着艦手順より簡単だ。発艦にカタパルトは不要でティルトローター機の性能余裕は大きくなる。■

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