内容が内容なだけに開示できない情報が多いのですが、ロシアが着実にEW能力を高めているのは確かなようです。今回はEC-130が相手でしたが、もっと大事な装備も今後対EW対策に力を配分する必要があり、もっとこわいのはEW能力がISISなど非正規戦闘員レベルまで拡散することです。シリアが各国の戦闘モデルの試験場になっていることはあきらかですね。
Russia Widens EW War, ‘Disabling’ EC-130s In Syria ロシアがEW戦能力を拡充し、シリアで米軍EC-130の「機能不全」を発生させている
EC-130コンパスコール電子戦機
EC-130コンパスコースは米軍の電子戦装備の主力の一つだが、シリア付近を飛行した同機が逆に電子攻撃を受け「最も過酷なEW環境で」作動できなくなる事態が発生していたことが空軍特殊作戦軍団司令官の口から明らかになった。
「目下のところシリアでは最も過酷なEW環境になっており、敵の活動が目立つ。敵はこちらを毎日のように試しており、通信を妨害したりEC-130の機能を止めている」とレイモンド・トーマス大将が2千名を超える情報関連専門家を前に語った。
言うまでもない理由でEC-130に向けられた攻撃の内容は不明だが、ロシアがEW手段でシリア内戦でこちらの専門家も「すごい」と言うだけの結果を生んでいることはわかっている。またシリア軍が用いる装備の大部分もロシアが供与している。
「ロシア側はEW機材をこの20年で一新した」と退役陸軍大佐ロリ・モー・バックアウトがEW専門家として開設している。ロシアはジョージア攻撃の後でEW能力不足を痛感し強化を図ったのだという。「ロシアはジョージア侵攻後に巨額の予算を投入しました。その結果、攻撃能力、各種周波数でのジャミングが遠距離からも可能となりました」
今回のEC-130へのEW攻撃ではロシアのEW攻撃で可能性があるのは機内の位置航法計時(PNT)機能や通信機器を妨害することで操縦を困難にさせ、乗員は地図参照しながら目視他での操縦を迫られたのだろう。
「EC-130の問題はジャミングを行う間に乗員はほかの仕事をほとんど行えないことです」と指摘し、攻撃に脆弱だというのだ。「ロシアはPNTや通信を狙ってきたのでしょう」としロシアは「こちらの弱い点を熟知している」のだという。
米軍には解決を迫られる課題が他にもあると著名国防コンサルタントのローレン・トンプソンが指摘する。「南西アジアの敵相手に時間をたくさん使いましたが、相手は技術的には遅れており、その間にこちらは戦術電子戦の進歩に乗り遅れてしまったのです」という。バックアウトもトンプソンの指摘にはもっともな点があると認める。■
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