LRS-Bでやはり不服申し立てをしたボーイング=ロッキードチーム

やはりというか、さすがというか、受注できなかったボーイング側からLRS-B選定手続きの妥当性をめぐり不服申し立てがされました。本当にその言い分が正しいのか、今度は会計検査院が検討することになりますが、空軍が慎重かつ適正に行った選定が覆されるとしたら大問題ですね。

「defense news」の画像検索結果Boeing Protests Northrop's Long Range Strike Bomber Contract
By Andrew Clevenger and Lara Seligman10:59 a.m. EST November 6, 2015
Northrop Grumman wins US Air Force LRS-B contract(Photo: Northrop Grumman)
WASHINGTON — 11月6日ボーイングはロッキード・マーティンと共同で政府会計検査院に次期長距離打撃爆撃機入札で国防総省がノースロップ・グラマンを採択した10月27日の結果へ正式に不服申し立てをした。検査院は100日間を上限として不服申し立て内容を検討し、裁定を下すことができる。
  1. ボーイングとロッキード・マーティンはLRS-B選定手続きを「根本的に間違っている」と共同声明で指摘した。具体的には価格審査で両社チームが提出した価格上昇を防ぐ提案内容が適正に評価されていないこと、ノースロップ・グラマンの執行能力に関するリスクを適正に評価していないことを取り上げている。
  2. ノースロップ・グラマンはB-2ステルス爆撃機のメーカーとして提示した511百万ドル(2010年価格)がペンタゴンの設定した550百万ドル(2010年価格)を下回ったことが採択の理由の一部といわれる。2016年度のドル価格換算するとそれぞれ563百万ドル、606百万ドルになる。
  3. キャピタルアルファパートナーズのアナリスト、バイロン・キャランは投資家向け通信で不服申し立て自体はなんら驚くべきことではないとし、逆の結果になっていたら、ノースロップが不服を申し立てていただろうとする。
  4. キャランの見立てではボーイング等の不服申し立てが採択される確率は15%だという。
  5. 「空軍はLRSーB選定結果に抗議が出ることは最初から想定していたのだろう。ボーイングは給油機事業でEADS採択結果を不服としその後受注に成功した実績があるが今回は調達選定の顔ぶれが空軍内で変わっている」
  6. レキシントン研究所で国防産業向けコンサルタントとアナリストを兼ねるローレン・トンプソンはボーイング、ロッキード両社と強いつながりがあり、不服申し立ての背景には空軍が選定基準を誤っているとの見方があるのだという。
  7. 機体価格および製造リスクの点で両提案は適正に評価を受けていない、という。空軍は、ボーイング側提案に盛り込んだ数々の技術革新による費用節減効果を正しく認めていないという。
  8. 「空軍は両提案の相違点を考慮していません。機体価格は極めて重要でかつボーイング側が提示した数々の優れた性能が採点に反映されていません」
  9. コスト面で現実的な検討を行うため空軍はB-2実績を参照したという。
  10. 「空軍の根拠は『あるべきコスト』で開発費用を前例から推測しており現在利用可能な数々の技術革新が生まれる前のデータを参照した」ためB-2が生産終了した2000年以降の技術進歩による価格低減効果を排除したというのだ。
  11. ボーイング/ロッキードチームは110億ドルを技術・生産開発(EMD)費用として提示したが、空軍の試算はEMDに214億ドルでリスクを製造メーカーから政府に転嫁するものだとトンプソンは述べた。
  12. ボーイングとしては不服申し立てで失うものはないが、得るものは大きい。LRS-B契約は期間全般で1,000億ドルを超える規模で数十年にわたり企業収入となる。逆にLRS-B受注に失敗すればボーイングの軍用機生産拠点セントルイス(ミズーリ州)は閉鎖に追い込まれるかもしれない。
  13. だがボーイングの抗議が聞き入れられる可能性は低い。国防調達関連の実績が最近公表されたが、国防関連の不服申して立てが採択されるのは2013年に2%にとどまっている。政府調達事業全般では4%となっているので、国防関連では相当に低い。
  14. さらに空軍も10年近くもめた空中給油機のトラブルの再発を防止したいのは明らかで、LRS-Bでは念入りに準備してきた。
  15. そこで空軍は費用試算を二機関で行っている。またペンタゴンの監察官がLRS-B調達手続きを監査したことは契約交付が厳密になっていることの表れだとするアナリストがいる。
  16. 選定結果発表で空軍長官デボラ・リー・ジェイムズは選定手続きが「入念かつ厳格であった」と強調している。「交付決定は慎重かつ厳格な手続きを経ており、空軍内の専門職が両提案を比較検討し、選定基準に準拠している」とジェイムズは発表の席上で記者団に語っている。「手続き全体は極めて高い透明性を持って国防総省内の内部統制を経て進められた」
  17. 空軍が最善を尽くしたにもかかわらず、不服申し立ての結果、事業推進が遅れ醜悪な広報合戦が発生することがボーイングが議会筋に大きな影響力をもっていることから想定される。
  18. ボーイングとロッキードは強力にロビー活動を展開する構えだ。ボーイングはミズーリ州代表議員の中でも、有力な民主党上院議員クレア・マッキャスキル、共和党上院議員ロイ・ブラントをあてにし、ロッキードはテキサス州議員団とくにフォートワース選出のケイ・グレンジャー、下院軍事委員会委員長ウィリアム・ソーンベリー両下院議員ともに共和党所属に期待する。
  19. 選定結果の公表を控え、国防調達工程の合理化について公聴会を終えた段階でソーンベリー議員はLRS-Bをめぐる不服申し立ての可能性を懸念し、調達事業が訴訟合戦に見舞われることにも同様に懸念した
  20. 毎回選定結果に不服申し立てが出てくること、また抗議をしても実質的に罰則がないことを記者団に指摘し、ソーンベリーは「この現状を変えねばならないと考える議員が増えており、議論を続けていく」と語った。■


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