スキップしてメイン コンテンツに移動

ワーク副長官に聞く ディフェンスニューズの単独インタビュー内容


いきなり中央舞台に上がった観のあるワーク副長官ですが、海軍での経験もあり、かなりの事情通のようです。だがその語りはかなり硬派のようであり、強面のする人物らしいですね。長官への昇格もとりざたされていますが、逆に長官の座につく別の人物からすればこんな副長官がいると仕事がやりにくいだろうな、と思わされました。

Interview: Bob Work, US Deputy Defense Secretary

Nov. 26, 2014 - 09:52PM   |  
http://www.defensenews.com/article/20141126/DEFREG02/311260038/Interview-Bob-Work-US-Deputy-Defense-Secretary

Bob Work is the US deputy defense secretary.
国防副長官ボブ・ワーク(Defense News With Vago Muradian)

アメリカの敵は商用、軍事技術の強化を急速に進め米国の能力に対抗しようとしている。この事態に国防長官チャック・ヘイゲルから国防能力イノベーション構想がは票された。多方面にわたり高度な実戦想定演習を行い今後の技術ニーズを明らかにし、長期間にわたる研究開発投資対象を決めるのが目的だ。ヘイゲルからは制度改革でペンタゴンの即応能力を引き上げる方向も示されている。
この中心に第三相殺戦略と呼ばれる技術開発の方向性があり、その提唱者ボブ・ワーク国防副長官は米国の敵が進める技術推進に対抗あるいは相殺できる策を考えている。第一回目の相殺はソ連が進める大量通常兵力に核兵器に対抗した冷戦時、第二回目は70年代にステルス、GPS、精密誘導兵器他の技術に集中投資している。そこで第三回目だが、内容がバラバラで一方中国は最先端の教育、技術、生産を実施しているとの批判が出てiいる。
Q. 米国の安全保障上で最大の脅威は何か。
A. 第一にやはり国家の存在で、中国、ロシアの両国は核兵器を有し国連安全保障理事会メンバーであり、地域内、世界大で野望をもっている。では両国とどう対処すべきか。これはわが方の注意を集めている話題だ。また核大国以外に地域内大国でも核兵器を目指す動きがある。一つは北朝鮮、もう一つはイランで、イランは核兵器を取得したいと公然と発言している。これが二番目だ。三番目は国際テロ活動、国際犯罪ネットワークだ。最上層部には極めて迅速に進行中の技術進歩がある。
Q. ばらばらの要素をどうくっつけるのか
A. 広義の国防イノベーション構想 Defense Innovation Initiative とはヘイゲル長官がレーガン国防フォーラムの席上で11月15日発表したもので、五つの要素がある。また技術だけを扱うものではない点に注意が必要だ。何と言っても一番は人員だ。人員が国防総省の秘密兵器だ。そこで核心的なリーダーをいかに確保するかが課題だ。二番目には軍事作戦演習の刷新だ。これは国防総省として長年慣れ親しんでいるのだが、この12年間にわたり実際の戦闘が続いていたこともあり活動が低下している。最後が調達など業務系だ。技術で優位性を確保しても業務執行をもっと革新的に変えなければ。
これまで整備してきた高性能装備や抑止力はあくまでも国家が相手だったが高性能兵器、抑止力整備に携わるものとして戦略面、演習でもコンセプトを固めているところだ。だが、長期に渡る研究開発の計画で技術優位性をどう確保するかがわかる。
Q. 産業界にどんなメッセージを送るのか
A. 国防総省には産業界とともにイノベーションを実施する能力が必要だ。イノベーションの中心は民生であり、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、ロボット、原子力だ。国防でもその成果を活用しなくては。
Q. 次の二年間で600億ドル以上を要求するというが優先順位はどうなるか。また要求通りにいかないとどうなるか。
A. 合衆国の安全保障は強制削減で悪影響を受けている。昨年はそのため五か年国防計画で大統領は1,150 億ドルを準備し、強制削減の規模以上の予算を確保している。ただし議会は反応していない。
そこで次の二年間で大統領の予算想定に沿った案を提出していく。議会も一緒になり強制削減効果に近い額を確保するよう期待したい。
Q. 変化すればもっと予算がもらえるのか
A. まだわからない。議会の一部から期待を感じさせる動きがあり、強制削減を終わらせようとしている。だが同じ議会でもその他の議員はこれに反対しており、強制削減を現状のまま維持すべきとしている。
Q. では我が国が直面する脅威に有効な対策が手に入るのか。
A. 統合参謀本部副議長のジェイムズ・ウィネフェルド James Winnefeld と一緒に半年間頑張ってきた。私は海軍次官で海軍予算には詳しかったが国防予算全般を俯瞰するのははじめてだった。そこで言うまでもなく必要な変更点があり、16年度予算から一部を実施したい。さらに17年度ではもっと多く実施し、戦略のあるべき姿を実現したいものだ。
Q. となると大型案件にも影響がでるのか
A. 大中小と規模を問わず影響が出る。
Q. 核兵器体系の見直しがおわったばかりで、核三本柱すべてを再強化すべきとの意見は一致しているが実施すれば相当規模の予算が必要だ。支出は可能か。
A. 核兵器体系見直しは現行の核抑止力の維持が目的だった。実際に核兵器体系の再整備が始まる2020年代まで陸上配備のミサイル・爆撃機と潜水艦発射ミサイルを維持できるだろうか。そこで予算を増やし、維持を図ることは賢明な選択だ。おっしゃるとおり巨額が必要だが、国家としてこれは必要。戦略兵器体系の近代化の実現に予算が必要でこれをこれから訴えていく。と言うのも今の想定予算水準では20年代の兵力再整備は実現不可能だからだ。
Q. 中国をどう抑止するのか
A. 太平洋で引き続き勢力を維持したい。中国にはこの意向を受け入れてもらいたいし、時間をかけて信頼醸成を図ってきたと大統領が発表したばかりだ。またこれは平和裏に実現できる。ただし保険が必要だ。中国が整備中の軍事能力は同盟各国にも問題となるのは必至で、だからこそ中国の力の行使を防ぐためにも抑止力が必要なのだ。
Q. イスラム国家対策であとどれだけの兵力が必要か、またその実施が予算の足を引っ張らないか。
A. 最高の戦略思考家とは戦略的な忍耐力を有する思考家である。この問題をすぐに解決すべきと考えるのが一般だが、今の案は派遣済み1,500名に追加1,600名を送るものだ。現時点でこの戦略はうまく機能していると見るが、時間がかかる。結果が出てこないことに我慢できない向きが多い。時間たてば成功すると考えるが、しなければ大統領、国防長官、統合参謀本部議長が何度も言っているように状況に適応していくしかない。
Q. 中国のA2・ADにどう対応するのか。大型予算をかけずに対応できるのか。
A. 現状は強制的にコストを押し付けられたままで、飛んでくるミサイルを撃ち落とすのは費用がかかるが、相殺戦略の重要な点は攻撃力を整備して対応していくことだ。そのため電磁レイルガン、指向性エネルギー兵器のような新兵器に注目している。新技術が実用化されれば、競争の様相は大きく変わってくる。
Q. 同盟国から「何を求めてくるのか」と聞かれたらどう答える?
A. それは国ごと、装備ごとにちがう。フランスが西アフリカで現在実施中の対テロ作戦を例とすれば、すごいことをやっている。相当の装備開発に予算を投じて、フランスは米国と同様の能力を整備している。われわれとしては現実の問題全般を通じて核同盟国向けにできることは何かを考えていく。
Q.想定する予算節減効果が得られなかったらどうなるのか
A. 下院軍事委員会,上院軍事委員会のどちらが国家軍事予算認証法案に影響を与えるのかを見極めようとしているところだ。最悪の想定は今後5年間で700億ドルカットになってしまうことで、これは想像したくないが、強制削減がまだ残っている中ではね。だからこの事態にならないよう内部で節減を探っていかなくてはいけない。
Q. 内部節約は目標どおりいきそうなのか
A. これまでだとペンタゴン内部の各員に「上位10%を削れ、後は任せる」と号令をかけるだけだった。あるときは契約をカットしたり、文官を整理したり、業務契約を削ったりしていた。これに対して今は全部門で垂直統合能力を確保しつつ行っている。
そこで海軍購買部Naval Exchange Serviceや陸軍購買部があるが、このやり方を進めたい。このやり方で節約が実現できるはずだ。国防ビジネス委員会Defense Business Boardで民間の手法を取り入れる研究を前から続けているところだ。
Q. では迅速にこれを実行できるのか。まさか地学的な時間ではないですよね
A. ペンタゴン内部では地質学的な時間の尺度が正しい場合もあるよ。■
By Vago Muradian in Washington.

コメント

このブログの人気の投稿

★北朝鮮ミサイルが中国衛星で誘導されている可能性

中国も北朝鮮関連では叩けば埃がどんどん出そうですね。北京が見切りをつければ平壌の現政権など簡単に転覆させるでしょうが、中国国内にある北朝鮮とのしがらみ(おそらく共産党内部の派閥争い)と東北部の軍の非合法ビジネスの問題があり、米国といったん話がついても実施が難しいのでしょう。そのうちにしびれを切らした米国が単独行動に出るかもしれません。

Record China Is North Korea Using China's Satellites to Guide Its Missiles? 北朝鮮は中国衛星を使ってミサイル誘導をしているのか
Peter J. Brown May 23, 2017 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/north-korea-using-chinas-satellites-guide-its-missiles-20810?page=show

北朝鮮がミサイル発射を繰り返し米本土を狙うICBM開発に走る中、ひとつ見落とされている点がある。ミサイルに衛星誘導を使っているのではないか。北朝鮮に衛星航法ネットワークはないため、中国衛星を利用しているとの観測がある。 2014年報道で北朝鮮技術者が中国国内で北斗Beidou衛星航法システムの運用を研修中とある。同年の別の記事で中国軍専門官から中国は北朝鮮による北斗の軍事利用を止められないと発言している。 北斗以外に北朝鮮の選択肢として米露両国のGPSがあり、ロシアはグロナスGlonasと呼んでいる。 「グロナスの可能性もありますが、ミサイル誘導に北斗を利用している可能性の方が高い」と小泉 悠(未来工学研究所特別研究員、ロシア安全保障問題)がメールで述べており、ロシアは北の核実験後に武器および軍事関連技術の北朝鮮向け禁輸措置を取っているがグロナスが対象かは不明と小泉は述べる。 北斗衛星群打ち上げは1994年に始まり、現在は東アジア以遠まで展開している。北斗は民生商業用途と軍用の両面で利用され、軍用では妨害を受けず正確にデータが利用できる。 北朝鮮が北斗の軍用機能を利用しているか不明だが、民生用機能で精密誘導兵器を運用しているとは考えにくい。というのは北斗の民生機能は日米韓の電子妨害に弱く有事の際に北朝鮮が利用するのは困難になるためだ。 「特別のチップならびに中国の協力がな…

★★★破損機材二機からF-15を再生したイスラエル空軍の実力に脱帽

すごい。やはり国家の存続がかかった緊張状態を毎日続けて70年になる国は違いますね。イスラエルを敵に回したくないものです。 Meet the Israel Air Force unit that frankensteined a totaled F-15F-15二機の使用可能部分をつなぎ合わせて一機再生してしまったイスラエル空軍 By: Barbara Opall-Rome, May 15, 2017 (Photo Credit: Photo by Heidi Levine) http://www.defensenews.com/articles/meet-the-israel-air-force-unit-that-frankensteined-a-totaled-f-15
TEL NOF AIR BASE, Israel – ボーイングやロッキード・マーティンなど米企業がさじをなげたことをイスラエル空軍第22補給処が普通にやりとげてしまった。 2011年の事故でボーイングが喪失扱いと断念したF-15Bアローヘッドが飛行再開している。来月で事故から6年になる。事故は離陸直後にペリカンを空気取り入れ口に吸ったことで大火災が発生した。乗員2名は緊急着陸に成功したが、機体後部は完全に焼け落ち修理不可能と判定された。 その後三年余り、機齢35年の同機の処遇で議論が続いていた。機体の前方部は無傷なのでコックピットとエイビオニクスは予備部品にすればよいという声が出た。そこに第22補給処が前方部分と20年間も「機体の墓場」に放置されたままの単座型F-15の後部と接合する提案をしてきた。 「その案が出たのでボーイングに実施可能か照会したが、答えは返ってきませんでした」と第22補給処の指揮官マキシム・オルガド中佐がDefense Newsに語っている。「再度同社に聞くと、冗談と思って真剣にしなかったと判明したのです」 第22補給処は事故機の前方部分と20年間も「機体の墓場」で放置されていた別の機体の後部を接合した。 Credit: Photo by Heidi Levine ボーイングは声明文で第22補給処との協力関係は40年続いており、イスラエル空軍F-15の即応体制維持の一助となっている「同部隊のプロ意識や能力の高さには敬意を払っており、教えられることもあり相互に恩恵が生まれている」と述べた。 第…

★★★米空軍次期戦闘機はもう戦闘機の形状となることはない---第六戦闘機の用語は駆逐

米空軍は次期戦闘機材の姿を未来から考えていますね。目的は航空優勢の確立であり、ドッグファイトは目的ではないと分析し、宇宙やサイバーも含めた多様なシステム構造の一貫として次期機材を捉えております。また、アジア太平洋での作戦をにらみ足の長い機体となると現在の戦闘機と相当形状が異なってくるとし、現状の姿の延長線上に次期機材を想定する勢力の生み出す結果と全く異なる結果を生み出そうとしています。改めて空軍の構成、運用がシステムで成り立っていることを痛感させられる内容です。 Air Force Prepares to Hash Out Future Fighter RequirementsBy: Valerie Insinna, August 28, 2016 (Photo Credit: Northrop Grumman)http://www.defensenews.com/articles/air-force-future-fighter-jet-penetrating-counter-air-next-generation-air-dominance
WASHINGTON — 一年をかけて将来の制空任務に必要な戦術や技術を検討した米空軍が次期戦闘機を実現する第一歩を踏もうとしている。2017年予定の代替策検討(AOA)に先立ち、空軍は予備作業を開始している。AOAはF-35に続く機体の要求条件、調達戦略に焦点をあてる。空軍は次期戦闘機をNGAD次世代航空優勢とかPCA侵攻制空用機材と呼んでいる。
だがアレクサス・グリンケウィッチ准将はAir Superiority 2030による戦力連携チーム(ECCT)を率い、NGADは従来の戦闘ジェット機と大きな違いが2つあると強調する。ひとつめが調達期間を比較的短くすることだ。
「2020年代末までに何らかの形が必要です」と准将はDefense News取材で発言している。「現実的な日程として2028年頃に中心的な技術分野で大幅な投資があれば侵攻制空性能で初期作戦能力が実現します
第二の相違点に関係するのがこのたびまとめられたAir Superiority 2030研究で将来の米空軍の航空優勢で決め手になるのは単一機種としての第六世代戦闘機のような機体ではなく、統合ネットワーク化された一連のシステムの集合だとする。この組み合わせの中に侵攻能…