ヨーロッパ各国も財政負担の捻出で大変ですが、ウクライナはじめ不穏なロシアの動きがある中で大丈夫なのでしょうか。また、一部抜け駆けをするのはいかにもヨーロッパらしい。通貨ユーロというのもインチキではないかと見ているのですが、偏見でしょうか。
NATO Faces AWACS Fleet Shrinkage
Funding shortfall is reducing key NATO surveillance fleet
NATOが加盟各国に防衛支出増額を求めている中、空中早期警戒機では各国に要望が虚しく伝わるだけだ。
- NATOの空中早期警戒指揮統制機隊(AEW&C)のE-3Aコンポネントが1980年代創設以来はじめて縮小を迫られている。しかもロシアがウクライナで強硬策に出ている最中に。
- 部隊はドイツのガイレンキルヒェンGeilenkirchen基地で、ボーイングE-3A17機で構成され、空中監視の他NATOの空軍演習を支援する。9.11以降は米国の要請で米領空内をパトロールしたほか、アフガニスタンでの運用を最近終了したばかりで、2015年には合計4,300飛行時間をウクライナ近隣のNATO加盟国向けに実施する予定。
- 運用に年間250百万ユーロ(312百万ドル)が必要で16カ国が分担しているが財政負担になっており、三年前にカナダ政府が分担を中止する決定をし、経済不況で予算節約を図った。.
- ガイレンキルヒェン基地ではカナダは三番目の規模で分担をして、乗員4組を派遣していた。カナダは今年8月に同基地から撤退している。
- カナダはAWACS以外に共同地上監視 Alliance Ground Surveillance (AGS) 運用からも手を引いて90百万カナダドル(79百万ドル)を毎年節約しようとする。カナダの資金提供がないと部隊は17機の全機運用ができなくなる。地上待機となる一機は部品取りに使うことになろう。
- カナダ撤退でNATO AEW&C部隊は不安定な状態になると司令官はみており、NATOはAGS導入(グローバルホークを投入)による戦力構造の再編を検討中だ。
- 再編でE-3AとAGS運用に2,000名が従事する。E-3Aコンポネントは現在2,300名規模で、AGSでは600名を投入する予定だったので、1,400名を削減することになる。
- コックピット近代化と新規航空管制対応の機体改装は米空軍のドラゴン事業として実施中だ。だがNATOはカナダ撤退後の16機のうち14機のみに改装を実施する。非対象の2機の退役は発表されていないが同一機種で仕様が異なる機材の運用の可能性は低い。改装作業が完了した初号機は12月17日に飛行可能となり、NATOへ2016年1月に復帰する。また残る全機も2018年中に改装を終える。
- 問題を複雑にするのは加盟国の中に独自にAEW&C整備をする動きがあることだ。トルコにはボーイング737を原型にしたEW-7Tピースイーグルがあり、イタリアはが降るストリームG550をAEWに改造した機材をイスラエルから購入した。
- またE-3Aの削減で英空軍のE-3Dセントリーに大きな役割が期待される。英国はNATOのE-3運用予算を分担していないが、自国の6機をNATOミッションに編入している。
- 国防予算削減の動きで英空軍機材でも影響は避けられないが、NATO、フランス、米空軍が運用する改造型の性能は既存機を上回るものがある。そこで英軍も運用機材の改修を急がないといけないとの危機意識がある。
- NATOのE-3A各機の退役は2025年予定だが、2030年代にかけて運用延長は可能だ。今のところ代替候補がなく、現行機材を使い続けるために「必須の性能とあったらよい性能」の仕分けで近代化を行っていくのだという。 その必須性能のリストには新型暗号化機能や多機能情報分散型の共用戦術無線システム Joint Tactical Radio System がある。■
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